●複塩【ふくえん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
複塩
ふくえん
double salt
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
ふく‐えん【複塩】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ふくえん【複塩 double salt】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
複塩
ふくえん
double salt
2種以上の塩が結合した形で表現される化合物(固体)のうち、各成分イオンがそれぞれのままで存在するものをいう。たとえばカーナル石KCl・MgCl2の中には、K+、Mg2+、Cl-のみがあり、[MgCl3]-のような原子団(錯イオン)はないから典型的な複塩である。一方、塩化白金酸カリウムK2PtCl6は、形式上2KCl・PtCl4と書けるが、この中にはCl-、Pt4+は存在せず、K+と[PtCl6]2-しかないので複塩とはよべない。
通常、複塩とよばれてきたもののなかにも、X線結晶解析の進展により構造が明らかにされると、複雑な錯イオンを含むものが、つまり錯塩であることが判明した例は少なくない。水分子の配位したアクアイオンも錯イオンに含める広義の定義を採用すると、複塩の典型とされてきたカリウムミョウバンKAl(SO4)2・12H2Oすら実は[K(OH2)6][Al(OH2)6](SO4)2の構造となっている錯塩である。したがって錯塩と複塩との区別に一線を画することは困難である。
[山崎 昶]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
ふく‐えん【複塩】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
複塩
フクエン
double salt
2種類以上の塩からなる高次化合物を分類するのに,溶解したときにその成分イオンに完全に分かれるものを複塩,そうでないものを錯塩と定義してきた.また,安定なものを錯塩,不安定なものを複塩としたこともあった.しかし,代表的な複塩とされていたミョウバンが,結晶解析の結果 [Al(H2O)6]3+ という錯イオンを含み,水に溶解したときも [Al(OH)(H2O)5]2+ という錯イオンになることがわかったので,上記の定義では不十分であり,結晶中に錯イオンを含まない高次化合物を複塩とする定義がもっとも妥当と思われる.すなわち,NH4HgCl3は,結晶中ではHgCl2とNH4Clとの付加物で,水に溶解したときに存在する [HgCl3]- や [HgCl4]2- の錯イオンを含まない.また,ドロマイトMgCO3・CaCO3も同様である.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「複塩」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●複塩の関連情報