●西夏文字【せいかもじ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
西夏文字
せいかもじ
Xi-xia wen-zi; Hsi-hsia wên-tzǔ
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デジタル大辞泉
せいか‐もじ【西夏文字】
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世界大百科事典 第2版
せいかもじ【西夏文字】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
西夏文字
せいかもじ
1036年に公布されて、以後約400年余り使われた西夏国の国定文字。全部で六千数百字あって、書体には、楷書(かいしょ)、行書、草書、篆(てん)書がある。漢字によく似た形をもち、偏、旁(つくり)、冠(かんむり)などの要素の組合せでつくられるが、漢字とは違って象形字や指事字はなく、西夏人の独特の発想を背景として構成される会意字が圧倒的に多く、形声字もある。たとえば、「血」に皮偏
をつけると「血管」になり(会意)、
「空(から)」ngahを音符として
「注ぐ」ngahがつくられる(形声)。左右に同じ要素を並べたり(
「集」、
「双」)、要素の配置を左右逆にしてつくられる対称文字
「人」と
「心」、
「盗む」と
「盗人」も特徴的である。また、基本字から派生字をつくるのに二つの手順があった。〔1〕基本字に別の要素を添加する接合法、
「切る」に
「金冠(かねかんむり)」をつけて
「のこぎり」。〔2〕基本字の一部を別の要素と入れ替える置き換え法、
「文字」の旁を
「造る」の偏と置き換えて
「筆」。
文字相互の間の関連づけがおもしろい。西夏人がこのような表意文字を考案したのは、単に漢字を模倣しただけではなく、西夏国内でいろいろのことばを話す少数部族に、どのように発音しても同じ意味を伝達できる便利な通達手段を与えるためであった。種々の仏教経典、論典はもとより、法律文書、文学、詩、格言からおみくじに至るまで、多量の資料が残り、西夏人の日常生活もこの文字によって記録されている。西夏国滅亡以後もなおこの文字は使われていた。
[西田龍雄]
『西田龍雄著『西夏文字――その解読のプロセス』(1980・玉川大学出版部)』▽『西田龍雄著『西夏文華厳経』全3巻(1975~77・京都大学文学部)』▽『西田龍雄著『アジアの未解読文字』(1982・大修館書店)』
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精選版 日本国語大辞典
せいか‐もじ【西夏文字】
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旺文社世界史事典 三訂版
西夏文字
せいかもじ
景宗李元昊 (りげんこう) の創製になるなど,諸説がある。全6133字。漢字を模倣して構成され,ほとんどが表意文字。合成文字が多く,書体に楷書・行書・草書・篆 (てん) 書があって,複雑であるが,今日ほぼ解読されている。『大蔵経』の刊行や漢籍の翻訳など盛んに行われ,西夏滅亡後もなお元代まで用いられた。
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