●覇権条項【はけんじょうこう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
覇権条項
はけんじょうこう
正確には反覇権条項と呼ぶ。 1972年9月 29日の日中共同声明の第7項「日中両国間の国交正常化は第三国に対するものではない。両国のいずれも,アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく,このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは集団による試みにも反対する」をさす。この条項が国家間の合意文書中に明記された最初は,同年2月 27日ニクソン訪中に際し,上海で発表された,米中共同声明 (上海コミュニケ) である。この覇権条項は日中平和友好条約にどう盛込むかで,同条約締結交渉の最大の焦点とされてきた。ソ連が,この覇権条項盛込みは中国の反ソ行動に同調を意味すると強く反発し,日本国内にも批判的意見があったため,同交渉が延引した。結局「この条約は第三国との関係に関する各締約国の立場に影響を及ぼすものではない」との第三国条項を挿入してソ連の批判をかわす方法で調印した。その後中ソ和解,ソ連解体でこの条項は意味を失った。
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