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見世物【みせもの】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

見世物
みせもの
寺社の境内空地盛り場などに仮小屋を建て,演芸や珍しいものなどを見せて入場料を取った興行をいう。奇術軽業曲芸武術などの技能や芸能を見せるもの,珍しい動物など珍奇なものを見せるもの,からくり,籠細工その他の細工物を見せるものの3種に大別できる。興行形態をとったのは,室町時代に勧進名目で興行された放下 (ほうか) ,蜘舞 (くもまい) が古いが,見世物という名称が用いられるのは江戸時代に入ってからであり,以後工夫されて多種多様のものがある。多くは香具師 (やし) の手で興行された。現在は,映画,テレビなどの登場とともに次第に衰微した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

みせ‐もの【見世物】
珍しい物・奇術・曲芸などを見せて料金を取る興行。また、その出し物。「見世物小屋」
人々から興味の対象として見られること。また、そのもの。「人々の見世物になる」

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

みせもの【見世物】
寺社の境内や盛場で,臨時に小屋掛けして,芸能および種々珍奇なものを見せて入場料をとる興行物のこと。
【日本における見世物の歴史】
 見世物は勧進を名目にした絵解き説経などの大道芸にはじまり,小屋掛けの興行は,放下(ほうか)や蜘舞(くもまい)(軽業(かるわざ))など室町時代にはじまるといってよいが,盛行をきわめたのは江戸時代に入ってからである。京都では四条河原,大坂では道頓堀や難波新地,名古屋では大須,江戸では両国上野広小路浅草奥山などで盛んに興行され,明治時代になってからは浅草公園六区や招魂社(現,靖国神社)境内などが興行地として名高かった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

みせもの【見世物】
珍しい物・曲芸・手品などを人に見せる興行。 -小屋
多くの人におもしろがって見られること。また、そのもの。 他人の-になる

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

見世物
みせもの
寺社の境内や都市の盛り場で、祭礼や縁日といった機会をとらえて臨時に小屋掛けをし、珍しい芸能、珍品珍獣、からくりなどを見せて金銭をとる興行をいう。曲芸、軽業(かるわざ)、舞踊、武術、奇術など芸人が肉体を使う芸が中心だが、近代になるにつれてむしろ世界各地の珍しいものを集めたり、巨大な機械を使った光学的興行などが客を集め、科学万博に代表されるこうした新しい形態が現代の見世物としての位置を要求している。見世物を成り立たせる近代都市の視覚文化とのかかわりで、見世物という観念をとらえ直す必要があるだろう。「見世物」という呼称自体が江戸時代以降のものであることに象徴されるように、人と物の集中によって、目でものを見る快楽が多彩化し、より刺激的な珍品珍芸に人々が関心をもっていく17世紀以降の近代都市文化の消長と、それは密接不可分に結び付いている。日本でも室町時代に放下(ほうか)、蜘蛛舞(くもまい)といった勧進(かんじん)興行や近世初頭にかぶき踊などが散見されるにしても、見世物を担う香具師(やし)たちが頭(かしら)の差配を受けながら盛り場から盛り場へと移動していく本格的な興行は江戸時代に入ってからであった。そうした盛り場では京都の四条河原が古く、ほかにも京都の北野神社や新京極、大坂の梅田、千日前、道頓堀(どうとんぼり)、難波(なんば)、江戸の両国、上野山下広小路、浅草奥山といった、見世物と一体化して殷賑(いんしん)を極めた盛り場が、秩序を目ざす近代都市が文化の周縁へと抑圧した「広場の文化」、民衆の猥雑(わいざつ)な欲望を蓄えたハレ(非日常)の場となった。そこでは生き生きと躍動する肉体芸、異形(フリークス)や珍獣奇鳥のショー、からくりや生き人形などの細工ものを核として、足芸、百人芸、山男、蛇娘、力持ち、女相撲(すもう)、火食(ひく)い坊主、ろくろ首、水からくりなど、雑芸とよぶほかない視覚的大衆芸能の驚嘆すべきレパートリーが繰り広げられた。肉体が生動し、怪獣(モンスター)や因果物(フリークス)が跳梁(ちょうりょう)する見世物小屋は、都市市民の想像力に異界巡り、地獄巡りの体験を与える貴重な空間であった。歌舞伎(かぶき)など正統(レギュラー)な演劇もまた見世物文化からスペクタクルの要素を取り入れることで活性化した。要するに都市の日常生活は、見世物小屋の世界を活性化のための空間として抱え込むことで発展していったといえるのである。明治になると、浅草公園六区や招魂社(現在の靖国(やすくに)神社)がこうした場となり、西洋伝来の曲馬、写真、映画、パノラマなどが人気をとる。
 同じように西洋においても、古代エジプト、古代ギリシア以来、軽業や曲芸といった雑芸があり、ここでも都市の近代化に伴って17世紀以降が華やかである。海外探検と植民地支配の進展に伴い、非ヨーロッパ地域の奇禽珍貝(ききんちんばい)が流れ込んで見世物となった。植民地の先住民が「高貴な野蛮人」と称されてヨーロッパ各都市を見世物として回されたことは、博物誌の盛行とタイアップした見世物嗜好(しこう)に潜むイデオロギー的な病理(見る側が見られるものに対して抱く心理的優越感)をうかがわせる。中国や中近東に対するオリエンタリズムと連係して、見世物にされる文物はどんどん増大した。美術展や博覧会をも巻き込む視覚的文化の進展のなかで、18、19世紀、見世物文化はロンドンのリージェント・パークやパリのグラン・ブールバールなどでその極点を迎える。画家ド・ラウサーバーグによるからくり劇場エイドフューシコン、R・バーカーによるパノラマ、L・J・M・ダゲールによるジオラマ、マダム・タッソーの蝋(ろう)人形館、ウィリアム・ブロックのエジプシャン・ホール、サーカス王バーナムの奇形興行「アメリカ博物館」などが、この見世物の黄金時代の代表的な興行である。
 19世紀末にかけて映画が見世物的世界を引き継いだ。万国博や科学万博が新しい時代の見世物小屋となる反面、かつての盛り場に横溢(おういつ)していた民衆文化の肉体的猥雑さが、大型機械による見る快楽の管理の前に姿を消しつつある事情は大道芸の場合と同じである。[高山 宏]
『朝倉無声著『見世物研究』(1928・春陽堂書店) ▽レスリー・フィードラー著、伊藤俊治・旦啓介訳『フリークス』(1986・青土社) ▽エリック・バーナウ著、山本浩訳『魔術師と映画』(1987・ありな書房) ▽リチャード・オールティック著、小池滋監訳『ロンドンの見世物』(1988・国書刊行会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

みせ‐もの【見世物】
〘名〙
① 珍しい物や芸などを料金を取って見せる興行。また、その出しもの。
※俳諧・俳諧三部抄(1677)上「見せものに麒麟も出ん御代の春〈立志〉」
② 他人から興味本位で見られること。また、そのもの。
※あたらよ(1899)〈内田魯庵〉「やいやい、退け退け、見世物(ミセモノ)ぢゃアねヱ」
③ うわべだけで、相手に見せびらかすもの。
※仮名草子・身の鏡(1659)上「みせ物ばかりのためならば、鉄にて作りたるはおもくして」

出典:精選版 日本国語大辞典
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