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視神経【ししんけい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

視神経
ししんけい
optic nerve
視覚を伝える神経網膜の多極細胞が集合し,かなり太い線維となったものが視神経で,眼窩を後内側に進み,視神経管を経て頭蓋腔に入り,間脳底部に達する。ここで一部または半分が視束交叉を行なって視索となり,間脳後部の外側膝状体に入り,一部は上丘に入る。視神経は発生学的には間脳の一部が突出した眼胞柄といわれる部分であり,脳の一部とみなされている。また組学的にも,神経膠を有し,シュワン鞘を欠くなど,中枢神経的特徴をもつ。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

し‐しんけい【視神経】
網膜視細胞からの刺激大脳に伝え、視覚をつかさどる神経。第二脳神経。視束。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

視神経
 第II脳神経.眼球後極から始まり,眼窩,視神経管を経て頭蓋腔に入り間脳の底部に達する神経線(織)維束.

出典:朝倉書店
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家庭医学館

ししんけい【視神経】
 視神経は、網膜(もうまく)に投射された光刺激(目から入ってくる視覚情報)を、視覚中枢(しかくちゅうすう)である大脳後頭葉(だいのうこうとうよう)(後頭部のあたり)に伝える経路(視路(しろ))の一部です(図「ものが見えるしくみ」)。
 この視神経は、髄鞘(ずいしょう)という、絶縁体の役目をしているカバー部分と、電流が流れる電線のような、約100万本もの神経線維からできています。
 これが直接障害されたり、視神経を栄養している血管がつまったり、あるいは、腫瘍(しゅよう)のようなものによって圧迫されたりすると、視覚情報がうまく大脳に伝わらなくなり、視力低下、視野欠損、色覚異常といったさまざまな症状が現われてきます。
 視神経のはたらきを調べる検査には、どれくらいまで目のちらつきがわかるかというフリッカー検査、どのくらいのコントラスト(明暗差)まで認識できるかを調べるコントラスト視力検査のほか、客観的なものとして、光刺激に誘発される脳波を抽出する視覚誘発電位検査などがあります。
 視神経の機能を直接測定するものではありませんが、視神経の栄養血管の状態を調べるためには、蛍光眼底検査(けいこうがんていけんさ)(蛍光色素を注射して眼底の写真を撮る検査)があります。また、視神経の周辺の状態を調べるためには、CTやMRIなどの画像検査がよく行なわれます。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ししんけい【視神経 optic nerve】
眼球内に入った光は網膜の視細胞を興奮させるが,この興奮は同じく網膜にある水平細胞を介して網膜神経節細胞に伝達される。この網膜神経節細胞が出す軸索(神経繊維)が視神経で,視束ともいう。視神経を形成する繊維は,ヒトでは一側で約100万本もあるといわれている。網膜の神経繊維が集合している部位視神経乳頭または単に乳頭ともいい,両眼からの視神経が交叉(こうさ)する部位を視交叉(視神経交叉,視束交叉)という。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

視神経
ししんけい

視覚情報を脳に伝える視覚路の一部で、視神経乳頭部から視神経交叉(こうさ)(視交叉)部までのかなり太い円柱状(径4~7ミリメートル)の神経線維の束をさし、視束ともよばれる。脳神経の一つに数えられるが、視神経は脳の末梢(まっしょう)神経ではなく、発生学的、組織学的あるいは機能的にも脳の膨出部とみられている。

 色彩と明暗の感覚は、網膜の刺激受容器である視細胞が光刺激として受け取り、神経の機能単位であるニューロンを三度かえて脳後極の視覚領(線条野)まで電磁波として送られる。すなわち、1億個に近い視細胞(第1ニューロン)は双極細胞(第2ニューロン)を経て神経節細胞(第3ニューロン)約100万に集約され、これから出た神経線維は眼球後端の視神経乳頭部に集まる。ここから強膜篩状板(しじょうばん)を貫き、髄膜3層からなる視神経鞘(しょう)に包まれて眼窩(がんか)内を後走し、視神経管を通って頭蓋(とうがい)内に入る。この視神経は左右それぞれ約100万本の神経線維よりなり、視交叉部で60~80度の角度で合流したのち、ふたたび左右に分かれて視索とよばれ、外側膝状体(しつじょうたい)に入って次の第4ニューロンに伝達される。視神経乳頭から外膝側状体までの長さは約70ミリメートルで、電線の役をしているが、そのうち視神経の長さは35~55ミリメートルで、個体差がある。また、視神経内では網膜の耳側、黄斑部(おうはんぶ)、鼻側より発した神経線維がそれぞれ整然と特定の部分を束状になって後走し、頭蓋内に入って視交叉部に達すると、鼻側線維だけが左右互いに反対側の視神経のほうへ交叉合流(約半分交叉)し、それぞれ網膜耳側より発した線維とともに視索として外側膝状体接合部に達する。視神経の一部には、視覚に関係のある反射運動、すなわち瞳孔(どうこう)反射や調節機能などに関与する求心性伝導路が含まれ、この神経線維は外側膝状体よりさらに進んで上丘に達している。

 視神経は神経膠細胞(こうさいぼう)や結合組織に包まれ、眼動脈由来の豊富な血管網によって栄養補給を受けており、血流障害、感染、中毒、圧迫など、つまり髄膜炎や脳腫瘍(のうしゅよう)などによって障害を受けやすく、また視神経鞘でくも膜下腔(くう)の髄液に包囲されているので、髄液変化によっても障害されやすい。なお、視神経内の神経線維は整然とした走行を脳内でも維持されており、もし脳や視神経の途中でなんらかの障害があれば、逆に乳頭所見や視力・視野の変化などによって障害の位置、原因、強さなどを診断する有力な手段となりうる。

[井街 譲]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

し‐しんけい【視神経】
〘名〙 (Gezichtszenuw の訳語) 眼球の網膜から脳へ視覚を伝える神経。網膜から出る白い神経繊維の束で、視神経が交差するまでの部分をいう。脊椎動物では従来は第二脳神経とみなされてきたが、本来は網膜とともに脳の一部をなす。視束。
※医範提綱(1805)一「即ち物を視は其形色悉く眼中の諸膜及び諸液に透映し眼底に系る所の視神経に触て知覚するなり」
[語誌]「解体新書‐二」(一七七四)や「重訂解体新書」(一七九八)では、それぞれ「瞳神経」「鑑神経」と訳され、挙例の「医範提綱」以後も用語は定まらなかった。しかし、明治に入り、多くの解剖辞書で「視神経」が採用されるようになって定着した。

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