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解熱薬【げねつやく】

世界大百科事典 第2版

げねつやく【解熱薬 antipyretic】
解熱の目的で用いられる薬剤。過去ならびに現在,解熱の目的をもって医療の場で使用されてきた薬物は,一般に解熱作用とともに鎮痛作用も兼ね備えている。この意味では解熱鎮痛薬として分類するのが妥当であるが,ときに解熱のみを目的として意識する立場から,この言葉が使われることがある。【鶴藤

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日本大百科全書(ニッポニカ)

解熱薬
げねつやく

下熱薬とも記す。体温が異常に上がったとき、これを下降させ平熱にする薬剤で、俗に熱さましともいう。中枢神経系とくに視床下部にある体温中枢に作用して体温を降下させるもので、多くは軽度の鎮痛作用を有している。熱性疾患の対症療法として用いられ感冒の治療に繁用されるほか、その鎮痛作用や消炎作用を利用して頭痛、歯痛、神経痛、リウマチにも常用される。サリチル酸系、アニリン系、ピラゾロン系その他がある。世界でもっとも古くから使用された解熱薬はキナ皮であるが、その有効成分であるキニーネは現在その目的ではまったく使用されていない。

 サリチル酸系でもっとも有名なのはアスピリンで、そのほかサリチルアミド、エテンザミドは一般用薬としての感冒薬の組成としてよく使用されている。サリチル酸ナトリウム、サリチル酸コリン、サルサラート、アスピリンアルミニウムはアスピリンの胃障害を少なくしたものである。アニリン系ではアセトアミノフェンとフェナセチンが有名であるが、腎(じん)障害や肝障害をおこすことがある。またアニリン系のフルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナックナトリウムは抗炎症作用が強く、鎮痛、解熱、消炎剤として関節リウマチ、四十肩、五十肩などの治療に用いられている。ピラゾロン系ではアンチピリン、アミノピリン、スルピリン、イソプロピルアンチピリンがあり、アミノピリンは内服により腸管でニトロソ化合物となり、これが発癌(はつがん)性を有することから坐薬(ざやく)のほかはほとんど使用されなくなった。スルピリンは水溶性で筋肉注射用にも使用されるが、組織障害性を有し大腿(だいたい)四頭筋短縮症の原因の一つとして問題となった。イソプロピルアンチピリンは頭痛、片頭痛、神経痛の鎮痛の目的で配合され、またフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾンはフルフェナム酸、メフェナム酸などと同じく非ステロイド系消炎剤ともいわれ、関節リウマチなど各種炎症性疾患の治療に用いられている。そのほかフェニル酢酸系のイブフェナック、イブプロフェンやインドメタシンも解熱・鎮痛・消炎剤として繁用される。

[幸保文治]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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デジタル大辞泉

げねつ‐やく【解熱薬】
解熱剤」に同じ。

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