@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

詩篇【しへん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

詩篇
しへん
Tehillîm; Psalmi
旧約聖書中の一書。マソラ本文では「諸書」のうちで真理と呼ばれる詩歌書の第1書で,ヘブライ語で賛歌の意。セプトゥアギンタでは5文学書の第2書で,詩篇の名はこのギリシア語名 psalmos (歌集) による。この古代訳はマソラ本文との間にかなりのずれをもつが,最も重要な資料の一つである。 150の詩篇はモーセ五書との類比によって5巻 (1巻第1~41編,2巻 42~72編,3巻 73~89編,4巻 90~106編,5巻 107~150編) に分けられ,そのおのおのが賛美で終っており,第 150編は詩篇集全体を総括する賛美となっている。『詩篇』はダビデ以前 (前 11世紀) からマカベア期 (前1世紀) までの長期に及ぶ歌の収集であり,著者は大多数がダビデに帰せられているが,実際には共同体の祭儀のためにエルサレムの祭司やレビ人が作ったものらしい。詩篇集の主流をなすものは神への賛美であるが,統計的には嘆願の歌が最も多い。有名な王の詩篇と呼ばれているもの (2,20,21,45,89,110,132) は賛美と嘆願の性格をもち,その中核をなすメシア王の思想を,キリスト教の伝統では,アウグスチヌスの講解が示すように,イエス・キリストの予型とみるのが一般的である。『詩篇』の機能は祭儀的な性質のものであるが,この枠をこえてユダヤ教,キリスト教思想に大きな影響を与えている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

しへん【詩篇 Psalter】
旧約聖書の一巻を成す書物。古代イスラエル史の前王国期(前11世紀以前)のものから,王国期,捕囚期,捕囚後(前6~前3世紀?)までの1000年余にわたる各時代に作られた,主として宗教詩の集成である。ヘブライ語伝承本文では150編であるが,死海写本,《七十人訳聖書》では第151編があり,その他の古代訳ではさらに数編が加わる。150編が人為的・技巧的な数であることは,同一詩篇の重複(詩14と詩53,詩40:14~18と詩70),合成(詩57:8~12+詩60:7~14=詩108)などによってわかる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

詩篇
しへん
The book of psalms
旧約聖書』中の代表的詩文学。詩篇という名称のヘブライ語原語は「テヒリーム」tehillm、つまり「賛美の書」の意である。5巻からなり、合計150篇を数えるが、このなかには重複する数篇がある。したがって現在の「詩篇」は、本来独立していた「ダビデ歌集」(3~41篇)、「エロヒム歌集」(42~83篇)、「ハレルヤ詩篇」(104~106篇ほか)、「エルサレムの都もうでの歌」(120~134篇ほか)などが集合したもので、現在の形に完結したのは紀元前3世紀のこと。これらは詩形の類型によって、賛美、民族の嘆き、個人の嘆き、感謝、信仰告白、という五つに分類される(H・グンケル)。「詩篇」には、神の語りと行為に応答する旧約信仰の対話的性格が、豊かな詩的構想力をもって表白されている(M・ブーバー)。それは時代と民族を超えて、広く人々の心の深奥に去来する、永遠を希求する思いに勇気と慰めを与えてきたヘブライ文学の最頂点を示している。[吉田 泰]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

詩篇」の用語解説はコトバンクが提供しています。

詩篇の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation