●説一切有部【せついっさいうぶ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
説一切有部
せついっさいうぶ
sarvāstivādin
薩婆多部と音写され,有部と略称される。釈尊の死後 300年頃,仏教は 20部派に分裂したが,説一切有部はそのなかの一派で,上座部から分れた。その特徴は,我空法有,三世実有法体恒有を説くところにある。過去,現在,未来のいずれに存在するものも実在であるという。また諸法を五位七十五法に分けて説明する。『大毘婆沙論』『六足論』『発智論』は有部の教義を述べたもので,『倶舎論』もまた有部の教義を述べている。
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デジタル大辞泉
せついっさい‐うぶ【説一切有部】
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世界大百科事典 第2版
せついっさいうぶ【説一切有部】
小乗仏教の上座部から分派した一部派。サンスクリットでサルバースティバーディンSarvāstivādinといい,有部と略称される。分派史《異部宗輪論》によれば,成立は前2世紀の前半である。その後しばらくして迦多衍尼子(かたえんにし)が現れ《発智論(ほつちろん)》を著し,有部の体系を大成したという。しかし現在の研究では,有部の名の出る最古の碑文が後1世紀初頭であることから,その成立は上の年代よりやや下るものと考えられている。
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精選版 日本国語大辞典
せついっさい‐うぶ【説一切有部】
〘名〙 インド仏教の学派の一つ。仏滅後三百年ごろ、根本上座部から分出した一派。有部(うぶ)。〔律宗瓊鑑草‐六〕
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