●諸葛亮【しょかつりょう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
諸葛亮
しょかつりょう
Zhu-ge Liang; Chu-ko Liang
[没]建興12(234)
中国,三国時代の蜀漢の政治家,戦略家。字は孔明。諡は忠武。琅邪陽都 (山東省沂水県) の人。豪族の出だが,早く父と死別し荊州 (湖北省) で成人。名声が高く,臥竜と称せられた。建安 12 (207) 年魏の曹操に追われ荊州に身を寄せていた劉備から「三顧の礼」をもって迎えられ,天下三分の計を説いてこれに仕えた。翌年,呉の孫権と連合し,南下する曹操の軍を迎撃して,赤壁の戦いで大破し,荊州,益州を劉備の手に入れさせた。その後もしばしば戦功をあげ,章武1 (221) 年漢の滅亡を機に劉備が帝位を称すると,その宰相となった。翌々年劉備が死ぬと,愚昧な後主劉禅を助け,再び呉と結んで魏と抗争し,生産を奨励して民治をはかり,雲南に進出して開発をはかるなど,蜀の経営に努力したが,魏との国力差はいかんともできず,国勢非なるうちに,魏の将軍司馬懿 (しばい) と五丈原 (陝西省び県) で対陣中病没した。魏と再度戦うべく出陣する際に奉った『出師表 (すいしのひょう) 』『後出師表』は,千古の名文とされ,これを読んで泣かざるものは人にあらず,とまでいわれた。報われることの少なかった生涯に対する同情が,民衆のなかで彼を超人的な兵略家として語り継がせることとなり,その伝説の結晶が『三国志演義』における諸葛孔明である。
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デジタル大辞泉
しょかつ‐りょう〔‐リヤウ〕【諸葛亮】
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世界大百科事典 第2版
しょかつりょう【諸葛亮】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
諸葛亮
しょかつりょう
(181―234)
中国、三国蜀(しょく)の丞相(じょうしょう)。字(あざな)は孔明(こうめい)。諡(おくりな)は忠武、武侯。琅邪(ろうや)陽都(山東省沂水(きすい)県)の人。早く父を失い、兄の瑾(きん)は呉(ご)に、亮は荊州(けいしゅう)に赴いた。襄陽(じょうよう)(湖北省)の西、隆中に住み、晴耕雨読、隆中吟を歌い自らを管仲(かんちゅう)、楽毅(がくき)に比し、人からは臥竜(がりゅう)と評された。劉表(りゅうひょう)を頼って荊州にきていた劉備(りゅうび)から、三顧(さんこ)の礼をとって迎えられ、備に天下三分の計を説き、その親密なこと君臣水魚の交わりと称される。曹操(そうそう)が南下して荊州を攻めると、孫権のもとに赴いて備と同盟してこれにあたることを説き、赤壁(せきへき)の戦いが行われた。続いて天下三分を実行すべく益州に赴くことを備に勧め、ついに益州の劉璋(りゅうしょう)を攻めて益州領有に成功したが、荊州は結局呉に奪われた。劉備が蜀を建てると丞相に任ぜられ、人心の宥和(ゆうわ)と内政の一新にあたった。備は死に臨んで後主劉禅(りゅうぜん)の補佐を委嘱している。亮は、荊州占領以来、国交の絶えていた呉との同盟を復活、また自ら軍を率いて南中(雲南)の平定にあたり、後顧の憂をなくしたあと、227年「出師(すいし)表」を上(たてまつ)って魏(ぎ)との戦いに北上した。「臣亮言う。先帝業を創(はじ)めいまだ半(なか)ばならざるに崩殂(ほうそ)したまえり」に始まる表は古来「読みて泣かざるものは忠臣にあらず」と評される名文である。第一次の戦いは馬謖(ばしょく)の敗北で失敗し、亮は泣いて馬謖を斬(き)った。その後数次にわたる北伐もついに成功せず、234年、五丈原(ごじょうげん)(陝西(せんせい)省)で宿敵司馬懿(しばい)との対陣中に没した。墓は定軍山にあり、成都に武侯祠堂(しどう)がある。
[狩野直禎]
『狩野直禎著『諸葛孔明』(1966・人物往来社)』▽『宮川尚志著『諸葛孔明』(1978・桃源社)』▽『林田慎之助著『中国の英傑5 諸葛孔明』(1986・集英社)』
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精選版 日本国語大辞典
しょかつ‐りょう ‥リャウ【諸葛亮】
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