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護摩【ごま】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

護摩
ごま
homa
密教の儀式。もともとはインド祭祀で,精製されたバターを火に投じて神々を供養する儀式。これが密教に採用されて中国,日本に伝わった。密教では,不動明王愛染明王などを本尊とし,火炉のある護摩壇設け護摩木を焚いて,災難を除き,幸福をもたらし,悪魔を屈服させるよう祈願する。火は迷いを焼きつくす力を意味する。この場合,実際に護摩って行うのを外護摩というのに対し,精神的な意味で,みずからを護摩壇と化し,智慧の火をもって心の迷いを焚くことを内護摩という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ごま【護摩】
《〈homaの音写。焚焼(ふんしょう)・火祭りの意》密教で、不動明王愛染(あいぜん)明王などの前に壇を築き、火炉(かろ)を設けてヌルデの木などを燃やして、煩悩(ぼんのう)を焼却し、併せて息災降伏(ごうぶく)などを祈願する修法。

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世界大百科事典 第2版

ごま【護摩】
密教の代表的な修法の一つ。また護摩法護摩供ともいう。サンスクリットホーマhomaの音写で,焚焼,祀火の意味。本来はバラモン,ヒンドゥー教の儀礼で,供物を火中に投じ,煙にして天上の神に捧げて,祈願する祭式で,紀元前から行われる。密教ではホーマを信仰する他宗教の人々に親近感を持たせ,より高い悟りへ導く手段として護摩に意義を認め,火は如来の真実の智恵の標示であるとして,火中に投ずる供物を人間のさまざまな煩悩になぞらえ,これを焼き浄めて悟りを得ることを目的とした。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

護摩
ごま

供物(くもつ)を火中に投じ、諸尊に供養する修法(しゅほう)。サンスクリット語のホーマhoma(焼く、焚(た)くの意)の音写。インドでバラモン教において古くから行われた祭祀(さいし)法であり、今日でも広く行われている。それは、供物を祭壇の炉中に投げると、火天アグニの手により火炎となって天に昇り、天の諸神の口に達し、諸神はそれにこたえて人間の願望をかなえてくれるとの信仰に基づく。この儀式を密教が摂取し、災いを除き福を招くという世間的願望に加えて、その奥にあるより高度な精神の解脱(げだつ)を成就しうるように組織したものが、現在、密教寺院で修されている護摩である。すなわち、不動明王や愛染(あいぜん)明王などの本尊の前に、火炉のある護摩壇を置き、規定の護摩木を焚き、火中に穀物などの供物を投じて本尊を供養する修法をいう。『大日経』「世出世護摩法品」には、世間の願望のみを目的とする外道(げどう)の44種の火法を批判し、火の真性を明らかにしている。このように精神面が重視されるに及んで護摩に2種の法が説かれるに至った。すなわち、壇を構え炉に供物を捧(ささ)げる形式を外護摩(げごま)(事護摩(じごま))、自身の無明煩悩(むみょうぼんのう)を転じて如来(にょらい)の智火(ちか)とし、妄分別(みだりにとらわれること)を焼除して浄菩提心(じょうぼだいしん)を成(じょう)ずるのが内護摩(ないごま)(理護摩)であると説き、外護摩にはかならず内護摩が具(そな)わり、内護摩にはかならず外護摩が伴うものとする。

 また護摩法にはその目的から分類して、息災法、増益(そうやく)法、調伏(ちょうぶく)法、敬愛法の4種およびこれに鉤召(こうちょう)法を加えた5種がある。このうち息災法は、世俗的には天変・地異や病難・火難などを消滅する法であるが、内面的には自身の煩悩を除き去る法である。増益法とは、地位・福徳などを増進させることであるが、本義は菩提(ぼだい)心の福と智の二徳が増進することである。調伏法は、外敵を降伏させることで、内面的には自身の心の煩悩を断つことである。敬愛法は、人々の尊敬・親愛を得る法であるが、内面的には仏の慈悲を受け成仏(じょうぶつ)を実現することである。また鉤召法は、自身の求める理想の世界(悟りの世界)を招く法であるが、内面的には三悪趣(さんなくしゅ)(地獄、餓鬼(がき)、畜生(ちくしょう)の世界)に堕している人々を悟りの世界に招き入れる法である。このように目的によって法が異なるが、修法によって炉形、方向、行う時、用いられる色なども異にする。なお、修法の祈願の趣旨を板や紙に書いたものを護摩札(ごまふだ)といい、護符にされる。護摩法をもっとも体系的に示すものに『金剛頂瑜伽(ゆが)護摩儀軌(ぎき)』がある。

 護摩法を修する壇を護摩壇という。中央に火炉(護摩炉)を置き、火炉の給仕のため行者の前に鳥居を立てる。壇上には炉の左側に嗽口(そこう)器と洒浄(しょうじょう)器を並べ、上にそれぞれ散杖(さんじょう)2本を置く。右側に五穀器と飲食(おんじき)器を並べ、その手前の杓休(しゃくやすめ)に大小の杓を置く。左脇机(わきづくえ)に散香(さんこう)、丸香(がんこう)、薬種その他の器を置き、右脇机には盛花、打鳴らし、檀木(だんもく)、乳木(にゅうもく)、箸(はし)、扇などを並べて置く。

[小野塚幾澄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ごま【護摩】
〘名〙 (homa 焚焼、火祭の意) 仏語。真言密教の修法の一つ。不動明王または愛染明王の前に護摩壇を設け、護摩木を焚(た)いて、息災、増益(ぞうやく)、降伏(ごうぶく)などを祈るもの。しかし護摩には内外の二種があって、実際に護摩壇を設けて行なう修法を外護摩といい、内心に智火をもやして煩悩(ぼんのう)を焼除するのを内護摩という。
※続日本後紀‐嘉祥三年(850)二月丙子「又於豊楽院、令真言宗修護摩法
※十善法語(1775)九「火天の法、護摩あり、事火婆羅門は殊に敬重す」
[語誌](1)元来、バラモン教で火神アグニを供養するために、供物を焚焼する儀礼があり、これが密教にとり入れられたもの。
(2)密教の護摩は人間の煩悩を智慧の火で焼尽する修法である。祈願を書いた板や紙を護摩札といい、護符として用いられた。また護摩木の燃え残りや灰を服用したり、お守りとすることがあり、高野山奥院の護摩の灰は有名であった。

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