●豊玉姫【トヨタマビメ】
デジタル大辞泉
とよたま‐びめ【豊玉姫/豊玉毘売】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル版 日本人名大辞典+Plus
豊玉姫 とよたまひめ
海幸(うみさち)・山幸(やまさち)の物語に登場する海神(わたつみ)の娘。彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)(山幸彦)と結婚するが,出産の際,大鰐(おおわに)(「日本書紀」では竜)の姿にもどっているのを夫にのぞかれ,生んだ子(鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと))をのこして海にかえってしまう。「古事記」では豊玉毘売。
出典:講談社
(C)Kodansha 2015.
書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。
世界大百科事典 第2版
とよたまひめ【豊玉姫】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
豊玉姫
とよたまひめ
記紀神話における海神(わたつみ)の娘。海神国に赴いた山幸彦(火遠理命(ほおりのみこと))と結婚し、御子(みこ)を生むために山幸彦を追って海辺に至った豊玉姫は、鵜(う)の羽を葺(ふ)いて産屋(うぶや)をつくる。しかし出産が迫って葺き終えぬままに産屋に入り、山幸彦に、他界の者は出産のおり生まれた世界の姿で子を生むので見てはいけないと頼む。ところがこの禁を不思議に思って山幸彦がのぞくと、姫は大鰐(おおわに)となってはいくねっていた。辱めを受けた姫は、生んだ御子(鵜葺草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと))を海辺に置き、海への通路を閉じて去る。この神話は世界に広く分布する、始祖誕生を含む異類女房譚であろう。なお、こののち姫は妹の玉依姫(たまよりひめ)を御子の養育のために遣わし、玉依姫はこの御子と結婚して神武(じんむ)天皇以下の母となる。
[吉井 巖]
『関敬吾著『海神の乙女』(『昔話の歴史』所収・1966・至文堂)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「豊玉姫」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●豊玉姫の関連情報