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豚コレラ【ぶたコレラ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

豚コレラ
ぶたコレラ
swine fever; hog cholera
豚に起る熱性伝染病家畜法定伝染病。豚の病気で最も恐ろしいものである。急性の経過をとるものが多く,約 40℃の高熱を出して食欲がなくなり,起立不能となる。一般に初め便秘となり,のち悪臭のある下痢をする。耳根部や下腹部などに発疹紫斑が生じ,ほとんどが発病後1週間ぐらいで死亡する。夏から秋にかけて多く流行し,特に一度も発生したことのない地域では被害が甚大となるので,予防注射豚舎消毒などの予防処置が必要である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

豚コレラ
コレラウイルスによる、豚とイノシシ感染症。人に感染することはない。また、コレラ菌が原因となる人のコレラとは関係はない。豚コレラに感染した豚肉が市場に出回ることはないが、仮に豚コレラに感染した豚の肉や内臓を食べても、人の健康に影響することはない。実験的には、マウス、モルモット、うさぎ、山羊、めん羊などの動物が一時的に豚コレラウイルスに感染することは知られているが、発病することはない。
豚コレラは、豚やイノシシに対する伝染力や致死性が高く、家畜の法定伝染病に指定されている。豚コレラウイルスに感染した豚は、発熱や食欲不振、元気がなくなる、うずくまるなどの症状から始まり、便秘に続く下痢、結膜炎、リンパ節の腫れ、呼吸障害、震え、起立困難などの多様な症状を示す。急性豚コレラの場合、一般的に発症から10~20日以内に死亡する。一方、発症回復を繰り返した後に30日程度で死亡するものを慢性豚コレラという。
豚コレラウイルスは、感染した豚やイノシシの唾液(だえき)や鼻水、糞(ふん)に混じっているため、それらを介して感染が拡大する。また、ウイルスは発病した豚の血液や筋肉、内臓にも含まれる。そのため、発病した豚やイノシシの精肉やその加工品からも感染が広がることが知られている。
日本でも、かつては豚コレラが全国に蔓延(まんえん)していた。しかし、飼養衛生管理技術の向上や、日本で生ワクチンが開発され普及したことにより、1992年を最後に国内での発生は確認されなくなった。2006年4月からは、ワクチンの使用を完全に中止。翌年の4月に、日本は国際獣疫事務局(OIE)の規約に定められた、豚コレラ清浄国となった。
だが、18年9月、国内では26年ぶりに岐阜県の養豚場で豚コレラの発生が確認された。その後、19年3月までに岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府の1府4県での発生が確認されている。また、岐阜県と愛知県では、野生イノシシからも豚コレラの陽性事例が確認されている。
豚コレラの治療法はない。豚コレラに感染した、または感染が疑われる豚は殺処分が基本となる。また、豚の移送制限や発生農場周辺の消毒が強化されるなど、感染拡大防止の措置がとられる。
野生のイノシシに対する感染拡大防止には、感染したイノシシが確認された地域に限定してワクチン入りのエサを散布することになった。
(星野美穂 フリーライター/2019年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

豚コレラ
ウイルスによる豚やイノシシ特有の伝染病。感染力が強く、発熱や下痢などの症状が出て致死率が高い。人には感染しない。内閣府の食品安全委員会は、仮に感染した豚やイノシシの肉などを食べても人体への影響はないとしている。 農林水産省の畜産統計調査によると、昨年2月現在の全国の豚の飼養頭数は約919万頭で、九州や関東、東北が多い。岐阜県と愛知県の豚コレラが豚肉市場全体に与える影響は今のところ限定的とみられる。
(2019-05-04 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

とん‐コレラ【豚コレラ】
《「ぶたコレラ」とも》豚コレラウイルスによって起こるブタやイノシシの熱性伝染病。伝染力が強く、致死率も高い。家畜伝染病の一つ。人には感染しない。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

とんコレラ【豚コレラ hog cholera】
ブタコレラともいう。豚コレラウイルスの感染によるブタの急性熱性敗血症性の伝染病。症状は激しく,死亡率が高い。ブタのほかイノシシも感染し,ほとんど同じ症状を呈する。潜伏期は一般に5~7日で食欲減退,高熱,結膜炎,便秘,ついで下痢となり,歩様ふらつき起立できなくなる。後軀(こうく)は麻痺,四肢のけいれんや遊泳運動などの神経症状を呈する。体表には限局性ないし瀰漫(びまん)性の赤紫斑が生ずる。妊娠ブタは流産する。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

とんコレラ【豚コレラ】
ブタの感染症の一。豚コレラウイルスによって起き、死亡率が高く、伝染力が強い。家畜伝染病の一。豚ペスト。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

豚コレラ
とんこれら
豚コレラウイルスの感染によっておこるブタの急性熱性伝染病。伝染力も致命率もきわめて高く、家畜法定伝染病に指定されている。
 この病原に感染すると、ブタあるいはイノシシは年齢、性、季節を問わず容易に発病する。感染は一般には接触感染で、消化器または呼吸器からの経路で侵入する。5~7日の潜伏期を経て、40~41.5℃の高熱を発し、元気消失、沈うつ、結膜炎、便秘、ついで下痢となり、歩様はふらつき、起立不能となって、後躯麻痺(こうくまひ)または四肢のけいれんをおこし、体表の各部に特徴的な出血斑(はん)を生じ、あるときは細菌性の肺炎などを併発し、急性死する。
 日本では、強毒株からの継代により作出された生ワクチンによって予防接種が施され、免疫効果のある予防法が行われていた。しかし、1992年(平成4)以来、国内での発生がないことから、1996年度より豚コレラ撲滅対策事業を進めている。これは3段階による防疫措置で、まず豚コレラワクチン接種の徹底を図り(第1段階)、本病の清浄化を確認した後、都道府県ごとにワクチン接種中止地域を検討、実施し(第2段階)、全国的にワクチン接種の中止(第3段階)を行うものである。その結果、日本は2007年4月から国際獣疫事務局(OIE)の規定に基づき、ワクチン接種をしない「豚コレラ清浄国」と認められている。治療としては有効な薬物はなく、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)および特定家畜伝染病防疫指針に基づき、発生があれば殺処分による防疫措置がとられている。[本好茂一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

とん‐コレラ【豚コレラ】
〘名〙 (コレラはcholera) ブタの急性伝染病の一つで法定伝染病。「コレラ」というが、実は英語で swine fever とよぶ病気のことで、人間のコレラとは別の病気。病原体はウイルスの一種で、高熱、後躯麻痺(脳炎)、下痢、脳炎を起こす。大腸粘膜のボタン状潰瘍を特徴とする。生ワクチンで予防するが、伝染力が極めて大きく、また野生イノシシも感染するので根絶がむずかしい。豚ペスト。ぶたコレラ。

出典:精選版 日本国語大辞典
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