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象形文字【しょうけいもじ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

象形文字
しょうけいもじ
hieroglyphs
ヒエログリフともいい,絵を基本とする文字体系をいう。 hieroglyphとは「神の御言葉」という意味のエジプト語をギリシア語訳にしたもので,「神聖なる刻字」を意味する。エジプトの象形文字の萌芽はセマイネー期においてみられるが,それが急速に発展したのはティニト期に入ってからである。今日「象形文字」の語は古代エジプトの文字だけでなく,ヒッタイトの古代文字,メソポタミア楔形文字原形,クレタの文字,漢字の原形,マヤの文字などを呼ぶ際にも用いられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しょうけい‐もじ〔シヤウケイ‐〕【象形文字】
物の形を点や線で表してできた文字。古代エジプトのヒエログリフや、漢字のうち象形によって形成された文字の類。形象文字

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しょうけいもじ【象形文字】
漢字の〈日〉という字はもとと書かれ,〈月〉という字はと書かれ(ともに金文),元来太陽や月の形にかたどったものである。このほかにも〈鳥〉とか〈馬〉のような漢字も同様に鳥の形,馬の形を模したものである。このように物の形にかたどって作られた文字を中国では先秦時代から〈象形〉と呼び,象形文字は漢字の最も原始的な姿であった。象形文字は,漢字に限らない。古代エジプト文字すなわちヒエログリフ(聖刻文字)は典型的な象形文字であって,その装飾的字体は人,獣,鳥,ヘビ,器などの姿を如実に示している。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

象形文字
しょうけいもじ
pictograph
hieroglyphic

一般に文字分類の一部門に対する用語として使われる場合と、とくに古代エジプト文字(ヒエログリフ、聖刻文字)に対して使われる場合がある。

 前者はもとは漢字分類の用語として生じたもので、許慎(後2世紀)が『説文解字』で行った漢字分類であるいわゆる「六書(りくしょ)」(指事、象形、会意、形声、転注、仮借)の一つに基づいている。ここでの「象形」は、漢字のなかで「日」とか「月」のようにそれが表す事物の形を絵画的に描き出している文字のことである。しかし、漢字全体がしばしば一種の象形文字とみなされ、またこれに類する各種の古代文字(マヤ・アステカ文字、地中海古代文字、太古ルーウィー文字、とりわけ古代エジプト文字)も、これに準じてしばしば象形文字とよばれている。

 古代エジプト文字は、ヘロドトスが『歴史』で行った分類(ここでは古代エジプト文字の3種の書体)に従ってヒエログリフ(神聖な刻文、聖刻文字)とよばれるが、一般にはしばしばエジプト象形文字、あるいは単に象形文字とよばれている。ヘロドトスの分類の他の二つ、それぞれヒエラティック(神官文字)とデモティック(民衆文字)は記念碑体ヒエログリフの草書体であり、象形文字的性格が薄れている。

 エジプト象形文字の起源はかならずしも明白ではないが、もっとも早期の文字遺物は紀元前3000年ごろにさかのぼる。「ナルメルのパレット」とよばれる紀念書板はその一つであり、これに含まれる寓意(ぐうい)的な絵画はエジプト象形文字の前身を思わせる。しかし、この文字はごく初期から表音性(ただし、子音のみを表記するもの)をもっていたと考えられ、またメソポタミア文字体系の影響を受けて、限定符(単語の末尾に置かれ、そのおよその意味を表示する表意文字)が使われるようになった。王族名の表記に用いられるカルトゥーシュ(前後が半円形の囲み)も限定符の一つである。

 エジプト象形文字の種類は、初期と後期で若干異なるが、中王国ではほぼ750個ほどが使われていた。文字図形は神々や男女、鳥、魚、動物、草木、建物や船、衣装や各種の道具のほか、起源の不明なものもかなりある。しかし、全般として、ナイル河畔の古代文明をきわめて具象的に表現している。書字方向は右から左が一般的であるが、同一碑文に右から左および左から右の方向の刻文が使われている場合もあり、縦書きの刻文もきわめて多い。生物(神、人間、鳥、動物など)は一定の方向(書字方向と反対の方向)を向いている。

 エジプト象形文字は3000年以上の使用ののち4世紀末に使われなくなった。1799年エジプトに進攻したフランス軍により発見されたロゼッタ石(2種のエジプト文字およびギリシア文字を用いた対訳刻文)をおもな手掛りとして、フランス人ジャン・フランソワ・シャンポリオンはこの文字の基本的な用法を解明し、1822年にその解読を公表した。それ以後、エジプト象形文字、および、この文字により記された古代エジプト語の研究が盛んになり、エジプト学は急速に進歩した。

[矢島文夫]

『ペネロペ・ウィルソン著、森夏樹訳『聖なる文字ヒエログリフ』(2004・青土社)』『加藤一朗著『象形文字入門』(中公新書)』『モーリス・W・M・ポープ著、唐須教光訳『古代文字の世界――エジプト象形文字から線文字Bまで』(講談社学術文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょうけい‐もじ シャウケイ‥【象形文字】
〘名〙 (「しょうけいもんじ」とも) 物の名を表わすために、その物の形を点や線で写したのを起源とする文字の類。古代エジプトのヒエログリフや、漢字の「日」「木」「水」「車」などの類。
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉不産的の大汗「彼の含蓄多き象形文字(シャウケイモンジ)を数十百個と贅沢に排列せり」

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

象形文字
しょうけいもじ
hieroglyphic
有形物をかたどった文字
表意文字の原型で,絵文字から発達。古代エジプトの神聖文字(ヒエログリフ),中国の甲骨文字,マヤ文字などがその典型。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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