@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

貝貨【かいか】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

貝貨
かいか
小規模な社会で用いられる最も一般的な貨幣で,貝殻を材料としてつくられている。用いられる殻の種類は一定していないが,タカラガイが多く用いられる。自然のままの場合もあるが,多くの場合なんらかの加工がなされている。貝貨で有名な地域はメラネシアである。インド洋のモルジブ諸島や東アフリカのマフィア島がその起源とされており,アフリカを中心に現在でも広く用いられている。中国でも古代に使用されたところがあったが,すぐ金属製の貨幣に変った。また,デンタリウム・エドゥリスという貝 (ツノガイの一種) は,アラスカの一部で用いられ,古くはアメリカインディアンも使用した。メラネシアでは,ディワルラとかタンブの名で知られるナッサ貝貨がある。これは製作に特別の技術を必要としている。これらとは別の形式の貝貨として,加工された何千もの貝の円板を紐に通して,一つにまとめたものがある。カリフォルニアインディアンやソロモン諸島,バンスク諸島,ガゼール半島,ブーゲンビル島,トラック島などでみられる。またメラネシアなどでは,貝殻でつくられた腕輪が貨幣として利用されている。こうした貝貨は単に貨幣であるばかりでなく,地位や権力の象徴として,装飾品として,さらに儀礼的交換の対象としても使用される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ばい‐か〔‐クワ〕【貝貨】
貝殻製の貨幣。古代中国では、刀銭布銭の流通前にコヤスガイが貨幣として用いられたと推定されている。また、西アフリカオセアニアなどでは社会的関係や地位を象徴する宝物・贈答品として用いられている。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ばいか【貝貨】
貝殻製の貨幣。貝貨はオセアニア地域,とくにメラネシアではかりしれないほどの重要性をもち,商品交換の手段としての意味をはるかに超えた社会的交換手段として機能している。このような貴重品としての貝貨は,(1)ある社会関係,例えば結婚,秘密結社への入信,部族間の政治同盟を生みだすために,(2)社会関係のなかの不和を解消するために,例えば祖先への寄進として,あるいは殺人や侮辱に対する償いとして,(3)上位の社会的地位を創出したり象徴化したりするために,例えばポトラッチの贈与物として,あるいは重要人物,首長,王が蓄積し再分配する奢侈(しやし)品として,みせびらかしたり,贈ったり,再分配したりする物品にほかならない。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ばいか【貝貨】
タカラガイなどの貝殻製の貴重品。古代中国やアジア・アフリカ・北アメリカ・オセアニアなどの諸民族の間で、結婚やイニシエーションにおける贈与交換の際に用いられた。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

貝貨
ばいか
貝製の交換用貴重品。オセアニア地域、とくにメラネシアとニューギニアにおいて、商品取引交換の手段としての意味をはるかに超え、社会的交換手段として生き生きと交換されている。貴重品としての貝貨は、ある社会関係(結婚、秘密結社への入社、集団間の政治同盟)を生み出すために、また、社会諸関係のなかの不和を解消(祖先への寄進、殺人や侮辱に対する償いによって)するために、そして、上位の社会的地位を創出(ポトラッチ的な消費によって、またビッグマンや首長が蓄積し再分配することによって)したり、象徴化したりするために、見せびらかしたり、贈与したり、再分配したりする貴重品ということができる。代表的なものをあげれば、ロッセル島の赤貝の首飾り、トロブリアンド島などのクラ交換に使用される首飾りと腕輪、ソロモン諸島の首飾り、ヤップ島の真珠貝貨などである。ニューギニア北方の島々(トロブリアンド島、ドブ島など)の間にみられるクラ交易環の中心的贈答品は、非実用的で象徴的価値をもつ赤貝製の首飾りと白貝製の腕輪である。これらの貴重品は生活必需品でもなく、装飾品としても実用には供されない。ヨーロッパにおいて例えれば、王位継承を象徴する王冠の宝石のようなものと説明されている。北米先住民のイロコイ人、アルゴンキン人の社会でも貝製数珠(じゅず)玉を多数紐(ひも)に通した貝貨が知られており、西アフリカでも「カウリ」とよばれる貝貨が流通している。
 なお、中国では布銭、刀銭などの流通以前にコヤスガイ(子安貝)が貨幣として流通したと考えられ、買、財など経済に関係する字がしばしば「貝」の字を伴っている。[牛島 巖]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ばい‐か ‥クヮ【貝貨】
〘名〙 貝殻製の貨幣。古代中国の殷・周代に普及し、交換媒介の役割の他、装飾品としても用いられた。子安貝が多く用いられたが、石・骨・銅などで貝を模したものもある。南太平洋諸島、アフリカなどの諸民族の間でも財物として使用されている。〔漢書‐食貨志下〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

貝貨
ばいか
貝殻で作った貨幣の総称
先史時代から,アジア・アフリカ・アメリカ大陸・太平洋諸島で用いられた。中国では子安 (こやす) 貝が古くから珍重され,殷 (いん) ・周代には貨幣として通用した。骨・石・青銅でその形をまねた仿具 (ほうばい) もあった。現在でもメラネシア地域の先住民の間で一部通用している。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

貝貨」の用語解説はコトバンクが提供しています。

貝貨の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation