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財政健全化【ざいせいけんぜんか】

日本大百科全書(ニッポニカ)

財政健全化
ざいせいけんぜんか
国や地方公共団体などの公的部門が、歳入と歳出の差である財政収支を改善し、借金(国債などの公債残高)を削減すること。ほぼ「財政再建」と同義語。大きく歳出削減と歳入増加の2手法がある。歳出削減では、公務員数削減などの公的部門のスリム化や、軍事(防衛)費、公共事業費、社会保障費などの削減策がとられることが多い。歳入増加では、消費税をはじめ所得税、法人税などの税収を増やす手法がとられる。単なる増税策だけでなく、アメリカのレーガン政権が採用した減税などによる景気てこ入れで、中長期的に法人税や所得税を増やす手法もある。毎会計年度の財政収支の改善だけでなく、中長期的な歳出の上限設定、計画的な増税策などで財政健全化に取り組むことが多い。国の財政健全化の指標として、歳出を借金でどれくらい穴埋めしているかを示す「公債依存度」、借金にまったく頼らずに税金と税外収入で社会保障や公共事業などの政策経費をどれだけまかなっているかを示す「プライマリーバランス基礎的財政収支、PB)」などがある。地方公共団体では、借金負担の重さを示す「実質公債費比率」や、一般会計に占める赤字割合である「実質赤字比率」などが目安となる。
 日本の財政は、1990年代のバブル経済崩壊後の相次ぐ経済対策と高齢化に伴う社会保障費の増大で、国と地方をあわせた長期債務残高(見込み額)が2018年度(平成30)末で1108兆円に達し、国内総生産(GDP)に対する比率は196%と先進国中で最悪である。政府は2010年の菅直人(かんなおと)政権時代に、財政健全化の目標指標としてPBを採用し、2020年度までに黒字化する目標を掲げた。経済成長による財政健全化を掲げる安倍晋三(あべしんぞう)政権も同目標を踏襲したが、消費税率引上げ時期の先送りなどで達成できず、2018年に、目標時期を2025年度へ先送りする新財政健全化計画を決定した。新計画では、(1)GDP比のPB赤字は1.5%程度に抑える、(2)GDPに対する国債利払い費を加えた財政赤字を3%以下に抑える、(3)GDP比の債務残高は180%台前半に抑える、という3指標を設定し、2021年度に財政健全化の進捗(しんちょく)状況を検証する。ただ内閣府は実質2%程度の成長が続いても2025年度に2.4兆円程度のPB赤字が残ると試算している。[矢野 武]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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