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財政政策【ざいせいせいさく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

財政政策
ざいせいせいさく
public finance policy
財政を通じて政府が行なう経済政策で,次のような役割を持っている。 (1) 防衛外交,道路,教育,医療のような公共財を供給すること,(2) 所得分配を公正にするために,歳入面では累進税率の適用,歳出面では生活保護や低家賃住宅への支出などによる所得再分配を行なうこと,(3) 景気変動を小さくし経済を安定化すること,などである。経済安定化機能は,(1) 累進税や社会保障費の存在による自動安定化機能,(2) 不況期に公債発行などで歳出を拡大し,景気過熱期に財政規模を抑制する裁量的財政政策の2つに分けられる。

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デジタル大辞泉

ざいせい‐せいさく【財政政策】
政府が歳入・歳出を増減させることによって国の総需要の調整を図ろうとする政策。税制措置を講じて減税・増税を行うことで消費や設備投資を拡大・抑制したり、公共投資を増減させることで有効需要を調整したりする。フィスカルポリシー。→経済政策金融政策

出典:小学館
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ナビゲート ビジネス基本用語集

財政政策
金融政策が日銀が行う経済政策であるのに対し、財政政策とは国が行う経済活動の収支(歳入と歳出)についての政策のこと。 国の歳入は税金、歳出は公共事業などにあたる。例えば不景気のときに公共投資を行ったり減税をしたりなど、景気対策を折り込んで予算編成することが財政政策となる。

出典:ナビゲート
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世界大百科事典 第2版

ざいせいせいさく【財政政策】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

財政政策
ざいせいせいさく
public finance policy

公共部門(国や地方公共団体など)の行う経済活動において、とくに所定の目標を達成するための財政的手段の組合せをいう。

[藤野次雄]

財政政策の目標

財政の役割については、18~19世紀の資本主義経済の初期には、市場機構が成立しない分野への資源の効率的配分の見地からの介入にのみとどめるべきであるとされたが、資本主義経済の発展とともに、社会的正義の観点から社会保障制度の導入など所得の公平分配をも目ざすようになった。さらに、1930年代の大恐慌の経験から景気変動を調整するという経済安定が加わり、第二次世界大戦後の東西間の冷戦から経済成長という政策目標が加わった。

 資源の効率的配分とは、他の経済主体(家計・企業)の経済厚生(効用・生産)を悪化させずに、ある経済主体の経済厚生をもはや改善できないようにすることを意味する。市場機構は、一定の条件のもとでは価格機構により資源の効率的配分を達成することができる。しかし、市場機構は資源の効率的配分を達成する場合でも一定の条件が必要であり、市場機構が不完全で機能障害をもつ場合や、市場機構の内在的欠陥のために、その範囲外に属する資源配分の場合には、政府の介入が必要となる。前者の例として価格支配力をもつ独占や寡占が、後者の例として費用逓減(ていげん)産業、外部効果、公共財および不確実性や動学的資源配分があげられる。

 所得の公平分配とは、概念的には他の経済主体の経済厚生を悪化させても、ある経済主体の経済厚生を改善させることで、国民全体の経済厚生を改善することを意図している。各個人の所得に格差が生じるのは、能力・意欲の相違以外に初期財産や環境にも大きな影響を受けている。所得分配の著しい格差は、(1)社会正義・公正の観点から不平等感が高まる、(2)まじめな勤労意欲を阻害する、など好ましいとはいえない。

 経済安定・成長とは、(1)物価の安定、(2)国際収支の均衡、(3)完全雇用の達成、(4)適度な経済成長の維持を意味している。これらは民間の市場機構に任せておいただけでは達成できない。非自発的失業が存在したり、超過需要インフレーションが発生したり、大幅な国際収支の不均衡が存在する状態では、政府は赤字ないし黒字財政によって積極的に有効需要を調整する必要があり、また、経済安定化のためにはビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置)や裁量的財政政策が必要である。なぜなら、不況期には経済活動の停滞に伴って企業倒産、失業が増大して社会不安をもたらし資源の遊休を招き、他方、景気が過熱すると物価騰貴がおこり、国際収支の悪化や所得分配の不公正を招くためである。

[藤野次雄]

財政政策の手段

財政政策の手段を大きく分ければ、(1)財政支出政策、(2)租税政策、(3)公債政策、(4)財政投融資政策(政策金融)があげられる。

 財政支出政策は、財政の支出面を操作することによって資源配分、所得再分配などに直接働きかけるとともに、その波及を通じて民間経済活動全般に影響を与えるものである。たとえば、公共財や公共サービスなどを供給するための支出は、資源の適正配分とともに、その財・サービスの享受や利用機会が社会の構成員に共通に行われることによって間接的な所得分配の公平化を図ることにもなる。また、不況期に公共投資支出などを拡大することは、景気を浮揚させ完全雇用確保から経済を安定化するねらいがあり、さらに経済成長のための基盤的設備投資や研究開発への支出は将来の経済成長力を高めるという目標によるものである。社会保障費の場合は所得の再分配にねらいがあり、企業に支払われる補助金は資源の適正配分の観点から行われるものが多い。このように財政支出政策には支出内容ごとに個々の政策目標があるが、財政支出の総規模もまた財政政策の重要な目標となる。すなわち、マクロ経済における総需要の大きさをコントロールし、資源の生産能力の範囲で需給をバランスさせ、資源の最適利用、経済の安定化を図るという政策目標があるからである。経済安定のために財政収支の調節により国民経済の総需要を管理する財政政策を、狭く「フィスカル・ポリシー」とよぶこともある。

 租税政策は、財政の収入面から働きかけるものである。租税は、一般には公共需要を充足するための財政支出に対応する財源として、民間部門から公共部門へ直接的な反対給付を伴わずに強制的に行われる資金の移転である。租税の機能は、民間部門の購買力を削減し公共需要のために資源配分を行うことにある。また、租税は、市場経済を通じて分配された所得を強制的に削減することによって可処分所得の大きさを調整する効果があり、所得の公平分配を目ざすものである。租税はまた、その増減によって安定政策としても用いられる。

 公債政策は、租税に次ぐ有力な財源である公債を発行し、民間などから資金を借り入れるものであるが、公債の元利払いのための租税負担が後世代に転嫁される効果があり、また財政的には、租税収入が不足した場合においても公債による財源調達で補い、財政支出を削減することなく、資源配分を望ましい水準に維持することができる。

 財政投融資政策は、国の組織、制度および信用を通じて集められた資金を投融資するものである。民間の経済活動を補完する分野などに政策目標に従って重点的に運用することができ、また、その規模を変動することによって民間投資を誘発したり鎮静したりして、景気の変動を調整することができる。

 これらの政策手段は単独で発動されることもあるが、より効果的な目標達成のためや、あるいは複数の政策目標に対しては、複数の手段を組み合わせるのが一般的である。

[藤野次雄]

わが国財政政策の特徴と課題

わが国における第二次大戦後の高度成長期の財政政策の特徴としては、(1)大幅な税収増による均衡財政主義を貫き、(2)民間設備投資および輸出を促進する政策措置をとり、(3)産業基盤整備に重点支出配分するなど、経済発展優先の政策がとられてきたことがあげられる。しかし、昭和40年代には生活優先・福祉優先へと重点を転換し、そのことが財政規模の拡大、国債依存の強まりを促すこととなった。昭和50年代に入ると、二度にわたる石油危機から積極的財政運営が行われたのと、硬直的な歳出構造により、国債残高の累増と利払い費の増加をもたらしている。今後の課題として、(1)行財政の改革、(2)地方財政の改革、(3)人口の高齢化への対応、(4)国際的関連のなかでの政策運営などがあげられる。

[藤野次雄]

『木下和夫編『財政政策入門』(1965・有斐閣)』『貝塚啓明・館龍一郎著『財政』(1972・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典

ざいせい‐せいさく【財政政策】
〘名〙 国政の経済に関する政策。

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