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責任能力【せきにんのうりょく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

責任能力
せきにんのうりょく
Zurechnungsfähigkeit
違法な行為についての法律上の責任を負担するための前提となる能力。 (1) 民法上,幼児,小児,心神喪失者などの責任能力のない者は他人に加えた損害について賠償義務を負わない (712~713条) 。この場合の責任能力は行為能力と異なり画一的に定められるのではなく,各人につき具体的に能力の有無が判断されるが,その程度は意思能力に比べてやや高度である。ただし,判例ではその事件での監督義務 (714条) や使用者 (715条) の責任の成否と相関的に責任能力の有無が判定される傾向があり,かなりの幅がみられる。責任能力は故意過失の判断の前提として要求されるものであり,無過失責任の認められる場合には,理論的には,責任能力のない者にも賠償義務が生じる。また過失相殺についても,判例は一般の責任能力よりも低い年齢でこれを認めている。

(2) 法上,自己の行為の結果につき,その是非を弁別し,規範に従って行動を制御しうる能力をいう。刑法は責任能力の存在を犯罪成立の要件とし,それを行為時に要求する。したがって受刑能力とは異なる。精神の障害により自己の行為の是非につき別しえないか,またはその弁別に従って行動できない者は責任無能力者とされ,処罰の埒外におかれる。心神喪失者,刑事責任年齢未成年者がこれにあたる (39条以下) 。これに対し心神耗弱者は限定責任能力者とされる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

責任能力
自分がやろうとする行為について善悪を判断し、それに従って行動をコントロールする能力のこと。責任能力が完全にない状態で、刑事罰を問われない「心神喪失」▽責任能力が部分的になくなり判断力が著しく低下した状態で、刑を軽くする「心神耗弱」▽著しい低下がみられないか、まったく低下していない「完全責任能力」の3段階に分けられる。
(2013-06-04 朝日新聞 朝刊 名古屋 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

せきにん‐のうりょく【責任能力】
失敗や損失に対し、きちんと責任を果たす能力。
民法上、行為の責任を弁識(理解)しうる能力。
刑法上、行為の是非を弁別(判断)し、またはそれに従って行動しうる能力。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

せきにんのうりょく【責任能力】
人が行為する際に,その行為が法律上許されないことを弁識しえなかったとすれば,その人にはその行為の実行を思いとどまることはできないであろう。それゆえ行為について人の法的責任を認めるためには,行為者の故意・過失とともに,行為当時において行為者が自己の行為の法上の責任を弁識しうる能力を有していたことを要するものと解すべきことになる。この能力を責任能力といい,責任能力は民法上の不法行為責任および刑法上の責任の要件の一つとなっている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

せきにんのうりょく【責任能力】
行為者が自己の行為の法律上の責任を弁別しうる能力。刑法上、一四歳未満の者はこの能力がないとされる。 → 限定責任能力

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

責任能力
せきにんのうりょく
刑事責任を問いうるためには、行為者が責任非難を課しうる一定の人格的適性を有しなければならない。これが責任能力であり、責任の前提(条件)または要素とされる。ただ、責任能力の意義については、責任の本質をめぐる道義的責任論と社会的責任論との対立を反映して、次のような二つの立場がある。道義的責任論では、責任能力とは有責行為能力、すなわち、道義的非難を前提として、是非善悪を判断しうる能力(是非弁別能力)とその弁別に従って自らの行動を制御しうる能力(行動制御能力)であるとされるのに対して、社会的責任論の立場からは、刑罰に適応しうる能力(受刑能力または刑罰適応性)であると解される。責任能力の判断方法に関しては、諸外国の立法例をみると、精神病理学的観点から正常か異常かを判断する生物学的方法、行為時での行為者の是非弁別能力と行動制御能力とを判断する心理学的方法、両基準を併用する混合的方法、の3種がある。
 日本の刑法は、責任能力に関し、「心神喪失者の行為は、罰しない」(39条1項)、「心神耗弱(こうじゃく)者の行為は、その刑を減軽する」(39条2項)と規定するにとどまり、その定義や判定方法について明言していない。ただ、判例は、心神喪失(責任無能力)につき、たとえば「精神の障害により事物の理非善悪を弁識する能力なく、また、この弁識に従って行動する能力なき状態」などと定義しており、前述の混合的方法によっているものと考えられ、通説もおおむねこのような判例の考え方に従っているものと思われる。このような見解によれば、責任無能力とは、精神の障害によりこの能力を欠く場合であり、限定責任能力(心神耗弱)とは、この能力が著しく減弱している場合であることになる。なお、「精神の障害」とは、精神病、知的障害のような継続的なもののほか、酩酊(めいてい)、薬物中毒、催眠状態のように一過性のものも含む、と解されている。
 さらに、現行刑法は、責任能力に関し、「14歳に満たない者の行為は、罰しない」(41条)という規定を設けている。これは、14歳未満の者は精神の発育が未熟であるため、是非弁別能力や行動制御能力が不十分であるばかりでなく、このような年少者を処罰するとその心神の健全な発達に悪影響を及ぼすという政策的判断に基づく。[名和鐵郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

せきにん‐のうりょく【責任能力】
〘名〙 違法な行為による民事責任または刑事責任を負担できる能力。民法上の未成年者、刑法上の一四歳未満の者などは、この能力がないとされる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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