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資本市場同盟【しほんしじょうどうめい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

資本市場同盟
しほんしじょうどうめい
Capital Markets Union

ヨーロッパ連合(EU)各国の資本市場を統合して単一の資本市場の創設を目ざす試み。略称CMU。銀行同盟とあわせて、EUの金融システムの安定化や金融サービスの発展、産業金融の充実を図り、経済成長の促進と雇用の創出をねらう構想である。2015年にヨーロッパ委員会(欧州委員会)の基幹プロジェクトとして打ち出された。

 資本市場同盟構想が浮上した背景には、(1)EUの金融経済危機が、ヨーロッパの金融システムの中心に位置する銀行を直撃することによって発生したこと、(2)その後の銀行同盟の設立やヨーロッパ中央銀行(ECB)の大胆な金融政策を通じた危機鎮静化の取り組みにもかかわらず、依然としてヨーロッパの銀行がとくに中小企業向けに十分な資金供給を果たせていないこと、(3)ユーロの導入にもかかわらずEUの資本市場が分断されたままで、相対的に未発達にとどまっていることがある。それゆえ、資本市場同盟の創設により、資本市場の統合とそれによる単一資本市場の成立・発展が促され、より多様な資金調達源泉を企業が手にすることで、産業の活性化や金融システムの安定化に資すると期待されている。

 当初、資本市場同盟は国際金融センターのロンドンを有するイギリスをEUにとどめ置くための方策でもあったが、EU離脱(ブレグジット)決定の後は、ドイツ、フランスをはじめ他のEU諸国がイギリスから金融ビジネスを奪い取る戦略へと変化した。構築目標年次も当初の2025年から2019年へと大幅に期間が短縮され、銀行同盟とあわせた金融同盟Financial Unionとしてその実現が目ざされている。

[星野 郁 2018年11月19日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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