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質問紙法【しつもんしほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

質問紙法
しつもんしほう
questionnaire method
社会調査における観察手段として調査票質問紙を用いてその観察能力を高め,観察結果を斉一化する方法。調査目的に応じて一定質問項目を作成し,それを対象者に示してその回答を求め,そこから資料を集める。この方法には,個別面接調査法,配票調査法,集合面接調査法,郵送調査法,電話調査法などが含まれる。質問紙法の利点として,(1) 調査が比較的簡単にできる。面接方法は高度の技術を必要とするのに対して,この場合には,調査員を少々訓練し,所要の質問紙を刷って配布すれば広地域調査が可能であり,比較的時間や手間経費が少くても実施できる。 (2) 同時に多くの人々を画一的に調査することができる。これに対して質問紙法の欠点は,(1) 質問の内容を理解できる人,あるいは正確に読む人に限度があり,したがって回答が多義的となる。 (2) 応答に消極的な人と積極的な人があり,回答にかたよりが生じる。このような質問紙法の欠点を補うため,面接法との併用を試みることが多い。すなわち,質問紙をたずさえた調査員が直接被調査者に面接し,その記入方法などを指導しつつ,回答を求める場合がこれである。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しつもんし‐ほう〔‐ハフ〕【質問紙法】
社会調査などで、調査事項を質問ので記載した用紙を配布し、回答を集計・分析する方法。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

しつもんしほう【質問紙法】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

質問紙法
しつもんしほう
questionnaire method

社会調査の手法の一つであり、質問紙を用いるという意味でこうよばれる。調査票法ともいう。本来は、調査対象に自分で記入してもらうために用いる文書を質問紙、調査員が調査対象の回答を口頭で受けて記入する文書を調査票とよんで区別していたが、最近では両者は区別されないで使われている。とくに、サンプルを大量に集め、各質問に対する回答の度数分布をみる量的調査では、同一の形式で質問がなされることが必要で、統一された質問紙は不可欠のものである。質問紙法はその質問紙をどう用いるかによって次のように細分化される。

(1)個別面接調査法 調査員が調査対象に直接面接し、調査票どおりに質問し、相手の回答を調査員が記入する。この方法は、調査員の人件費はかさむが、もっとも正確な方法として広く使用されている。

(2)配票調査法 質問紙を調査対象に配布し、調査対象は質問紙の文面を読んで自分で記入する。記入された質問紙は、調査員その他を通じて回収する。この方法は経費がかからない点が長所である。留置(とめおき)法はこれの一種である。

(3)集合調査法 調査対象に一堂に会してもらい、質問紙を配ったうえで調査員がその説明をしながら対象に記入してもらう。この方法を実施できる場合はあまり多くないが、時間と経費が節約できるうえ、記入上の指示が徹底する点でも優れている。

(4)郵送調査法 調査対象に質問紙を郵送して記入を依頼し、記入したものを郵送で送り返してもらう。安い経費で調査できるが、回収率の低いのが欠点である。

(5)電話調査法 調査対象に調査員が電話で質問して記入する方法である。迅速に調査できる点が優れているが、あまり多くの質問ができないのと、調査対象が電話所有者に限られるのが難点である。

 これらの諸方法は、調査の目的、内容、費用などの諸要因を検討して使い分けられているのが現状である。

[鈴木春男]

『安田三郎・原純輔著『社会調査ハンドブック』第3版(1982・有斐閣)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しつもんし‐ほう ‥ハフ【質問紙法】
〘名〙 必要な資料を得るために、調査事項をあらかじめ質問の形で記載した用紙を調査対象に配布して、回答を集計・分析する方法。面接によるもの、郵送によるもの、電話によるもの、集団的に回答を記入させるものなどがある。調査票法。

出典:精選版 日本国語大辞典
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最新 心理学事典

しつもんしほう
質問紙法
questionnaire method
質問紙法は,紙に印刷された質問項目への回答を得ることによって,被検者の行動や構成概念の測定を試みる研究方法である。現代の心理学では多くの場合,心理的特徴や行動の傾向について「当てはまる」から「当てはまらない」といった複数の段階を尋ねる選択肢が用意され,その選択肢への回答内容によって心理的特徴や行動傾向の程度が推定される。性格を測定する場合には,質問紙法への反応が理論的構成概念theoretical constructの反映であることに留意する必要がある。理論的構成概念がどの程度反映しているかは,妥当性validityの検証過程を通じて徐々に明らかになる。また,どの程度誤差が少なく安定して測定できているかという信頼性reliabilityについても検討する必要がある。質問紙法は,これら信頼性と妥当性の検討が比較的明確な形で示されることから,幅広い研究やさまざまな実務場面で用いられる。これ以外にも質問紙法の長所として,印刷された用紙と回答するための鉛筆やペンがあれば実施が可能であり,実施が簡便であるという点を挙げることができる。また,実施が簡便であることから多くの対象者に一度に実施することも比較的容易である。程度を表わす複数の段階の選択肢を用いて回答させる評定尺度法rating scale methodを使用する場合には,得られたデータに対して数量的な分析を行ないやすいため,多くのデータを用いた研究に向いている。その一方で,言語を用いて質問と回答を求めることから,質問の意図を回答者が推測しやすく,正直な回答が得られにくくなる可能性がある。また,多数の参加者に対していっせいに検査を行なう場合には,回答の積極性に個人差が生じたり,周囲の環境によって回答が影響されたりする可能性もある。個々の質問紙法を用いた検査の中には,正直な回答が得られているかを確認する質問項目が含まれるなどの工夫がなされているものもある。以下,性格の測定に用いられる代表的な質問紙法の検査について述べる。

ミネソタ多面人格目録Minnesota multiphasic personality inventory(MMPI)】 MMPIは,ミネソタ大学のハサウェイHathaway,S.R.とマッキンリーMcKinley,J.C.によって,1930年代後半から開発が行なわれた検査である。最初の版は1942年に公刊されている。1980年代から第2版の開発がブッチャーButcher,J.N.らによって始められ,1989年にMMPI-2として発表された。また2008年には,ベン・ポラスBen-Porath,Y.S.とテレゲンTellegen,A.が,MMPI-2に基づいてさらに臨床尺度の改変を行なったMMPI-2-RF(Restructured Form)を発表している。海外では,長年の間,臨床場面で最もよく使用される質問紙検査となっている。日本においては,1950年代に児玉省らによる日本語化の試みが行なわれた。東京大学学生部でも1950年代にMMPIの翻訳を開始しており,1962年に東京大学改訂版が発表されている。これらはアメリカの原版と項目数などもやや異なっていたが,1960年代に東北大学が中心となって全項目の日本語化が行なわれた。この日本語版は,日本MMPI研究会による標準化されたMMPIとして,1980年代まで広く用いられてきた。1993年には,幅広い年代に対する全国的な調査に基づいて標準化を行なったMMPI新日本版が公刊された。田中富士夫を中心とした,MMPI新日本版研究会による解説も,1997年に出版されている。村上宣寛と村上千恵子は,原版を忠実に翻訳して世代別標準化を行なったMMPI-1と短縮版であるMINIとMINI-124を,1992年に発表している。

 MMPIの第1の特徴は,基準に基づいた項目選択を行なっている点にある。通常,質問紙尺度を構成する際には,質問項目の内容から類推して尺度を構成し,その後で信頼性や妥当性を検討するという手続きを踏む。しかしMMPIの場合には,基準群となる各種の精神医学的な診断を受けた患者のグループと,正常な人びとの間の得点差を問題とする。そして,正常群と基準群との間で明確な得点差がある,すなわちグループをうまく弁別することのできる質問項目を採用するという手続きを取っている。このような手続きを踏むと,ときに質問項目の表面的な表現上,その尺度に含めるべきではないような質問項目が含まれたり,含まれるべきであると思われるような項目が含まれなかったりということが生じる。しかしMMPIの場合には,あくまでも客観的な基準に従った項目選択が行なわれている。第2の特徴は,このように収集された質問項目である臨床尺度と同時に,検査を行なう際の受検態度を測定するための妥当性尺度が用意されている点にある。検査の妥当性を測定するために,?(疑問尺度),L(虚構尺度),F(頻度尺度),K(修正尺度)という四つの得点を算出して検討することができる。第3の特徴としては,550項目という多数の質問項目を擁する検査であることが挙げられる。このことによって,MMPIは一種の項目プールitem poolとしての役割を担っているということができる。これまでに,MMPIの質問項目群に基づいた数多くの尺度が派生的に開発されており,多くの研究領域や臨床場面で用いられている。

 MMPIは550項目の質問項目に対して,「当てはまる」「当てはまらない」で回答を行なう。「どちらともいえない」という回答を行なうことも可能だが,できるだけ避けるように教示を行なう。なお,MMPIにはカード式と質問冊子式の2種類がある。カード式は,550項目がそれぞれカード1枚に印刷されており,当てはまるかどうかを分類していく。近年では,マークシート方式の回答用紙を用いることも多い。

 前述したように,MMPIには四つの妥当性尺度と,10の基礎的な臨床尺度,さらに質問項目の組み合わせによって400以上の追加尺度の得点を算出することができる。表1に,妥当性尺度と臨床尺度の一覧を示す。採点の際には,素点からT得点 [T=50+10×{(素点-平均点)÷標準偏差]を算出する。検査マニュアルには,素点からの換算表が掲載されているので,その表に従って算出する。T得点は,得点プロフィールに描かれる。得点プロフィールは,横軸に表1に示されている尺度,縦軸にT得点が目盛で描かれた用紙である。この用紙にT得点をプロットし,直線で結ぶと個々人の得点プロフィールが描かれる。このような図を描くことで,得点パターンが把握しやすくなる。

 結果の解釈は,まず妥当性尺度の各得点を検討し,プロフィール全体のパターンの解釈を行なう。そして,各種臨床尺度についてその高低を検討していく。MMPIは質問項目数が多く,回答に時間を要するが,得られる情報は多岐にわたる。とくに海外ではその評価も確立されているが,それに比べると日本においては,研究・臨床場面での利用に関して,さらに検討を進めていくことが期待される。

【エゴグラムegogram】 1950年代にバーンBerne,E.によって提唱された心理学理論に,交流分析transactional analysisがある。日本では,バーンの著書を南博が翻訳した『人生ゲーム入門』(1967)によって広く知られることとなった。交流分析では人びとが全員,三つの自我状態を有していると考える。第1にP(parent)であり,これは幼いころに親から教わった態度や行動が全面に出る,親の自我状態とされる。第2にA(adult)であり,これは事実に基づいて判断しようとする成人の自我状態であるとされる。そして第3にC(child)であり,これは本能や感情が全面に出るような,子どもの自我状態であるとされる。親の自我状態にある人は,親であるかのように行なうべき事柄に従って行動したり感じたりする傾向にある。また,成人の自我状態にある人は,周囲の出来事に対して適切な資源を利用しながら考え,行動する傾向にある。そして子どもの自我状態にある人は,あたかも自分が子どものときに感じたように欲求に従って考え,行動する傾向にあるとされる。PとCについては,さらに2種類に分けられる。Pは,父親をイメージさせるような他者に命令したり支配したり,禁止や許可を与えるといった自我状態を表わすCP(critical parent)と,母親をイメージさせるような一時的欲求の充足にかかわる養育的な志向性をもつ自我状態であるNP(nurturing parent)に分けられる。またCは,自由で制約を受けない自我状態を意味するFC(free child)と,両親の期待に応えようとするかのようにステレオタイプ的で順応的な自我状態を表わすAC(adapted child)に分けられる。これら五つの自我状態に代表的な行動は,次のようになるとされる。CPでは,「……すべきだ」「……するのが当然だ」などのことば,しかめ面や腰に手をやるジェスチャー,大声で威圧的な声の調子などである。NPでは,慰めたり元気づけたりすることば,握手や腕を広げるといったジェスチャー,温かみのある声の調子などである。Aでは,直接的で冷静なことば,その場に応じて適切な声の調子を取ることである。FCでは,元気で無邪気,感情的な声の調子である。そしてACでは,元気がなく,相手の機嫌をうかがうような声の調子である。

 エゴグラムは,このような自我状態を測定するために開発された質問紙検査である。エゴグラムを最初に考案したのはデュセイDusay,J.M.であるが,そのエゴグラムは単に自我状態を直感的にグラフに描くというものであった。そこで,1979年にハイヤーHeyer,N.R.が質問紙法によるエゴグラムを開発・発表した。日本においても,1970年代に質問紙法によるエゴグラムが開発されており,これまでに10種類以上のものが存在する。現在最もよく使用されるエゴグラムは,1984年に発表された東大式エゴグラムTokyo University Egogram(TEG)である。TEGはそれまでに発表されていたエゴグラムの統計上の問題点や妥当性の問題をクリアすべく開発されたものであり,広く用いられてきた。しかし,種々の問題点が明らかになってきたことから10項目余りを刷新し,1993年に発表されたのがTEG第2版である。その後,さらに多数のサンプルとより妥当な統計処理手法の応用などによって,東京大学心療内科TEG研究会によって,1999年に新版TEGが発表された。2006年には,さらにこの新版TEGを改定した,新版TEG Ⅱも発表されている。

 新版TEGでは,五つの尺度それぞれ20項目を作成し,項目の取捨選択を行なった。項目の選択の際には,ある下位尺度に含まれる質問項目と,残りの質問項目との相関が低いものを削除していく手法が取られている。これはいわば,内的整合性internal consistencyを高めようとする項目の選択方法だといえる。さらに,構造方程式モデリングstructural equation modelingによって構造が検討されている。新版TEG Ⅱでは,項目を入れ替え,逆転項目reversed itemをなくす形で改訂が行なわれている。TEGには妥当性尺度も設定されており,新版TEGでは5項目,新版TEG Ⅱではそのうち逆転項目を除いた3項目(L尺度とされる)が用意されている。新版TEG ⅡにおけるL尺度は,虚偽を検出するためのものというよりは,low frequency scale,すなわちよく考えずにでたらめな回答をする程度を測定するものである。また,「どちらでもない」という回答を行なった回数を数える疑問尺度(Q尺度)も算出する。この得点が高い者は,決断力に乏しく優柔不断であると解釈される。新版TEG Ⅱでは,得点を採点後,男女別に標準化した点数に換算し,エゴグラム・プロフィール表に棒グラフを描く。

 TEGの解釈は,五つの各尺度の得点の高低に基づいて行なう。それぞれの尺度が高い場合にも,プラス面とマイナス面の両方が解釈される。たとえば,CPが高い場合,プラス面は理想追求的で規律を守る,マイナス面はあら捜しが多く威圧的であるとされる。NPが高い場合,プラス面は世話好きで思いやりがある,マイナス面は過干渉で過保護である。Aが高い場合,プラス面は理性的で客観的,マイナス面は打算的で冷徹である。FCが高い場合,プラス面は自由奔放で創造的,マイナス面はわがままで衝動的である。そしてACが高い場合,プラス面は従順で自己犠牲的,マイナス面は自主性がなく遠慮がちであるとされる。これらの高低について,五つの組み合わせを全体的に解釈していく。

【ビッグ・ファイブ(性格の5大因子)検査】 人間の性格にはいくつの特性次元があるのかという問題は,オルポートAllport,G.W.とオドバートOdbert,H.S.が行なった辞書から性格特性用語を抽出する研究にまでさかのぼることができる。その後,多くの研究者がこの問題に取り組んだが,近年最も多くの研究者に同意が得られているのは,ビッグ・ファイブBig Fiveや5因子モデルFive Factor Modelとよばれる,人間の性格特性が大きく五つの次元から成るという考え方である。なお,ビッグ・ファイブは辞書的に抽出された語彙を統計的に縮約することにより五つの次元を見いだしたものであり,5因子モデルは多くの研究で見いだされた質問項目の次元をまとめることにより,結果的に五つの次元を見いだしていったものである。ビッグ・ファイブの五つの性格次元は,神経症傾向neuroticism(情緒不安定性,あるいは方向を逆転させることによる情緒安定性;N),外向性extraversion(E),経験への開放性openness to experience(開放性もしくは知性とよばれることもある;O),調和性(協調性)agreeableness(A),誠実性(勤勉性)conscientiousness(C)である。ビッグ・ファイブ検査の代表的なものを以下に記す。

 NEO-PI-R(revised NEO personality inventory)は,コスタCosta,P.T.,Jr.とマックレーMcCrae,R.R.が開発した検査で,1985年に神経症傾向,外向性,開放性の三つの特性次元を測定するNEO-PIを,1989年には調和性と誠実性を加えたNEO-PI-Rを発表している。この検査は240項目で構成されており,ビッグ・ファイブの5特性とともに,各特性につき六つ,計30のファセットとよばれる下位特性をもつ点に特徴がある(表2)。なお,英語版には自己評定式と他者評定式の2種類が存在するが,日本語化されているのは自己評定式の尺度だけである。なお日本語化は,下仲順子らによって1992年に始められた。オリジナルの項目と日本語版が対応するよう忠実に翻訳し,18歳から87歳を対象としたデータから標準化を行なった。

 NEO-FFI(NEO five factor inventory)はNEO-PI-Rの短縮版で,五つの性格次元がそれぞれ12項目,計60項目で構成されている。なお海外では,NEO-PI-3の標準化の準備が進められている。日本語版のNEO-FFIは,日本語版NEO-PI-Rから項目を抽出することで構成されている。妥当性を測定するために,回答用紙の下に簡単なチェック項目が三つ用意されている。両尺度とも,回答から素点を算出した後でT得点に換算し,プロフィール記入用紙に得点を描く。解釈は,プロフィールを参考にしながら行なう。

 5因子性格検査five factor personality questionnaire(FFPQ)は,1998年に辻平治郎を中心としたFFPQ研究会によって発表された検査で,2002年には改訂版が公表されている。FFPQもビッグ・ファイブの五つの性格特性を測定するが,外向性,愛着性(調和性に相当),統制性(誠実性に相当),情動性(神経症傾向に相当),遊戯性(開放性に相当)という称になっている。さらにこれら五つの因子(超特性とよばれる)の下位に,五つの要素特性が位置する。外向性の下位には活動,支配,群居,興奮追求,注意獲得が,愛着性の下位には温厚,協調,信頼,共感,他者尊重が,統制性の下位には几帳面,執着,責任感,自己統制,計画が,情動性の下位には心配性,緊張,抑うつ,自己批判,気分変動が,遊戯性の下位には進取,空想,芸術への関心,内的経験への敏感,奔放が位置している。2005年に藤島寛らはFFPQから50項目を選択し,短縮版であるFFPQ-50を発表している。

 主要5因子性格検査は,1990年代後半に村上宣寛と村上千恵子が発表した検査である。この検査は,語彙的なアプローチに基づく検査であるといえる。70項目で構成されており,建前尺度と頻度尺度という二つの妥当性尺度も含まれている。五つの性格特性の下位次元は設定されていない。五つの性格次元は,外向性,協調性,勤勉性,情緒安定性,知性である。なおこの検査には,中学生から成人を対象とした一般用と,小学4年生から6年生を対象とした小学生用がある。

 なお,市販されていないビッグ・ファイブを測定する尺度として研究などでよく使用されるものに,1996年に和田さゆりが発表したBFS(Big Five Scales)がある。これは60の形容詞に対してどの程度当てはまるかを回答するものであり,五つの性格次元それぞれ12項目を得点化する。 →性格検査 →性格心理学 →特性論
〔小塩 真司〕

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