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【ニエ】

デジタル大辞泉

にえ〔にへ〕【×贄/牲】
神に供えるささげ物。また、天子に献上する魚や鳥などの食物。その年の新穀などを奉るのにもいう。
進物。贈り物。会見のときの礼物。
「かの歌女もし我心に協(かな)わば、我はこれを―にせん」〈鴎外訳・即興詩人
あることをするために払われる物や労力。犠牲。いけにえ。
「で、まだかまだかと、美しい―のみを迫る」〈鏡花・白鷺〉

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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朝日新聞掲載「キーワード」

神や首長海産物鳥獣果実などの生鮮食料品を捧げる制度律令制導入以前からあり、律令制下で天皇食膳に供される食料品として諸国から地方行政単位で進上された。
(2020-07-30 朝日新聞 夕刊 大文化1)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

世界大百科事典 第2版

にえ【贄】
神または首長さらに天皇,貴人などへ供する魚鳥獣果実を中心とした食物。〈にえ〉は,共同体の収穫や獲得物を神または首長にささげる初物貢献儀礼の〈には〉〈にへ〉など新嘗(にひなめ)にかかわる語といわれ,共同体において,田からの初穂とともに神や首長にささげる山野河海獲物の初物という性格をもっていた。さらに共同体間において,征服された共同体の土地からとれた食物を征服者へ貢献することによって服属のあかしとする,服属貢献物の性格もあった。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)


にえ
神などに供える神饌(しんせん)をさす場合と、天皇の食膳(しょくぜん)に供されるために諸国から調進される食物をさす場合がある。制度上では後者が重要である。贄の制度は『古事記』『風土記(ふどき)』の伝承のなかに記されており、律令(りつりょう)制度が導入される以前、大和(やまと)朝廷の時代からあった日本独自の制度といわれ、征服された人々が征服者に食物を貢進する服属儀礼の一種と考えられている。律令制度が整備されてゆくと、古い「贄」の制度は再編され、一部は調(ちょう)となり残りは贄となったが、租(そ)・庸(よう)・調などと異なり、令の規定外の制度として存続した。律令制下で贄の制度が残された理由については、調に含めにくいもの、たとえば生鮮食品が残ったという説と、服属儀礼が伝統として、もしくは積極的に支配装置として残ったという説がある。『延喜式(えんぎしき)』の規定によると、贄には「年料」の贄、節句の宴にあてる「節料(せちりょう)」の贄、10日ごとに貢進する「旬料(しゅんりょう)」の贄があり、木簡(もっかん)では、月ごとに貢進される「月料」の贄が確認される。その内容は魚貝類、海藻を中心に動物の肉、果物があり、生鮮食品のみとはいえないが、贄の本質は即応性、季節性にあったとみられる。また、律令に規定されなかったのは、律令を超越した天皇の食物であったためという。そのため収納事務には、大蔵省は関与せず、宮内省が検領の事務にあずかり、収納場所も内膳司(大膳職)ないし、内裏の贄殿(にえどの)というように天皇家の家産的色彩を強く帯びていた。荷札としての贄木簡には国・郡・郷名まで記載し、個人名は記していないのが普通で、記す場合も「海部(あまべ)」の集団名が記されており、特定の集団を対象とした制度とみられ、その集団の成員は贄人(にえひと)と称し、平安後期には特権的集団として活動した。やがて贄の制度は消滅するが、中世においても江人(えひと)、網曳(あみひき)、鵜飼(うかい)など(供御人(くごにん))、天皇に結び付く集団が存在した。贄については不明な点が多いが、現在発掘が進行中の平城宮や藤原京および地方官衙(かんが)で出土している木簡によって、しだいに全容が明らかになると考えられる。[飯沼賢司]
『直木孝次郎著『贄に関する2.3の考察』(『律令国家と貴族社会』所収・1969・吉川弘文館) ▽東野治之著『木簡が語る日本の古代史』(岩波新書) ▽東野治之著『日本古代木簡の研究』(1983・塙書房) ▽勝浦令子「律令制下贄貢納の変遷」(『日本歴史』352号所収・1977・吉川弘文館) ▽鬼頭清明著『御贄に関する一考察』(『続律令国家と貴族社会』所収・1978・吉川弘文館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

し【贄】
〘名〙
① にえ。神や朝廷に奉るささげもの。特に鳥、魚など。
※空華日用工夫略集‐至徳三年(1386)正月一日「山門現職執贄作礼」 〔塩鉄論‐崇礼〕
② 会見や訪問の時、たずさえていく礼物。また、入門に当たって師に贈る礼物。束脩(そくしゅう)。てみやげ。
※文明本節用集(室町中)「謁見贄 ヱッケンノシ」 〔儀礼‐士相見礼〕

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