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越後上布【エチゴジョウフ】

デジタル大辞泉

えちご‐じょうふ〔エチゴジヤウフ〕【越後上布】
越後小千谷(おぢや)十日町などを中心に産する麻織物のうちで、特に上等なもの。で紡いだカラムシで織り、雪ざらしをして漂白する。この技術は重要無形文化財に登録されている。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

えちごじょうふ【越後上布】
古来からの越後国魚沼地方の特産的麻織物。新潟県魚沼郡・頸城郡地方に産する青苧(あおそ)と呼ばれるチョマ(苧麻)の一種を原料としてつくった糸をいざり機で織ったもので,のち近世初期に改良され,糸に撚(よ)りをかけて〈〉をつくり,布に〈しぼ〉をつけて小千谷縮(おぢやちぢみ)となった。戦国期に日本でも木綿の栽培が始まったが,それ以前は一般的にはチョマを原料とする布が衣服に用いられており,小千谷市の三仏生(さぶしよう)遺跡からも紡錘器が出土している。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

越後上布
えちごじょうふ

越後国(新潟県)小千谷(おぢや)、十日町(とおかまち)、六日町(むいかまち)(現、南魚沼(みなみうおぬま)市)を中心に産する麻織物のうち、とくに上等なものを上布とよんでいる。同じ材料でも、緯糸(よこいと)に強撚(きょうねん)をかけて織り込み、縮みをもたせたものは小千谷縮(ちぢみ)、越後縮とよび、これと区別している。基本的には冬の長い農閑期の副業として、この地方に発展した織物であった。現在では福島、山形県で栽培される苧麻(ちょま)(カラムシ)を使い、指先で績(う)んで糸とし、居座機(いざりばた)を使って製織する。多くは先染(さきぞ)めによって縞(しま)や絣(かすり)を織り出し、雪晒(ゆきざらし)をする。また材料入手の関係と、大量生産が不可能なため、本製と称するもの以外に、ラミーの紡績糸を用いて代用することが多い。

 この地方は古くから麻織物の生産地として知られ、縄文中期の土器に織物圧痕(あっこん)のあることが報じられ、また律令(りつりょう)時代には調庸布(ちょうようふ)が中央へ貢納されている。そして『吾妻鏡(あづまかがみ)』建久(けんきゅう)3年(1192)には、源頼朝(よりとも)が越布1000反を朝廷に献上、上杉謙信も永禄(えいろく)3年(1560)に麻織物を献上したことがみえている。そして領主の奨励もあって麻生産は増大し、佐藤信淵(のぶひろ)『経済要録』に「近来越後よりも上布と称する者を出す(略)奈良、近江(おうみ)共に上布と称する者あれども、越後上布より大に劣れり」とされるまでに至り、天明(てんめい)年間(1781~1789)には、年間20万反を超えるほどとなった。しかし以後衰退傾向をたどり、現在では麻着尺地の生産はごくわずかで、その技術は絹織物に転換している。しかし幕末には、生産者を問屋制的に支配し、織機を貸与し材料を提供し製品を回収するというマニュファクチュアが成立するまでに発展をみたのであった。これらの伝統的技術は、小千谷縮とともに「小千谷縮・越後上布」として国の重要無形文化財に指定されている。

[角山幸洋]

 また、同名称で2009年(平成21)ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。

[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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事典 日本の地域ブランド・名産品

越後上布[染織]
えちごじょうふ
北陸甲信越地方、新潟県の地域ブランド。
南魚沼市(旧南魚沼郡塩沢町と旧南魚沼郡六日町)地域に由来する製法により南魚沼市及びその周辺地域で生産された平織の麻織物、ならびに平織の麻織物を使用した和服。奈良正倉院の御物のなかから発見された麻布が現在の新潟県上越市三和区からの租税として納められた布であろうと推定されたことから、今から1260年程前には越後魚沼・頚城地方で麻布が織られていたものと考えられる。また、江戸時代の文人・鈴木牧之の『北越雪譜』には「雪中に糸となし、雪中に織り雪水に洒ぎ、雪上に晒す、雪ありて縮あり、されば越後縮は雪と人と気力相半ばして名産の名あり、魚沼郡の雪は縮の親といふべし」とうたわれ、その越後縮が越後上布として雪国の生活とともに受け継がれてきた。通気性に富み、涼感あふれる夏物着尺である。2008(平成20)年4月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5128466号。地域団体商標の権利者は、塩沢織物工業協同組合。

出典:日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」
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精選版 日本国語大辞典

えちご‐じょうふ ヱチゴジャウフ【越後上布】
〘名〙 越後国(新潟県)小千谷(おぢや)、十日町地方などで織り出される麻織物のうちの上等のもの。〔経済要録(1827)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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