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路面電車【ろめんでんしゃ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

路面電車
ろめんでんしゃ
streetcar; street tram
道路上の一部に軌道を敷設して走る電車。 19世紀末に馬車交通近代化の一方法として,アメリカ合衆国の F.スプレーグによって初めて実用化され,世界的に普及した。 1920年代以降は機動性にすぐれたバスの普及によってアメリカ合衆国では大きな打撃を受けて,衰退一途をたどり,大部分都市から路面電車は一掃された。しかし,ドイツを中心とするヨーロッパ大陸諸国では電車の高性能化とともに,軌道の専用路線化や積極的な地下トンネル化を行なって,都市交通の中心的な役割を果している都市が多い。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

路面電車
国土交通省によると、全国で20事業者が計約206キロを運営する。1895年に京都で京都電鉄道登場(現在は廃止)したのが初めて。最盛期の1932年には82事業者に上ったが、車社会の到来で利用者が減り、廃線続出。長崎電気軌道など黒字基調の会社もあるが、利用者が年間約3700万人と日本一の広島電鉄を含め、多くが厳しい経営を強いられている。欧米では1990年代から環境に優しい交通機関として相次ぎ復活。日本でも再評価が進んでいる。
(2014-04-27 朝日新聞 朝刊 1社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ろめん‐でんしゃ【路面電車】
一般道路上に敷設されたレール上を走行する電車。19世紀後期に市街地鉄道馬車に代わって発達

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ろめんでんしゃ【路面電車】
一般道路に線路を敷設し,自動車,自転車,歩行者などと路面を共用する仕組みをもって運転される電車で,市街電車,低速電車ともいう。乗降は路面または路面に特設した安全地帯と呼ばれる低いプラットホームを介して行い,客車にはその床面との乗降用にステップ(踏段)が備えられる。法令上では軌道と呼ばれ,専用敷地をもつ鉄道と区別される。 路面電車は,19世紀後半,産業革命進展に伴う人口の都市集中によってもたらされた市街地内道路の交通難に対処する方式として創案されたもので,1881年ベルリン郊外での試用に始まる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

路面電車
ろめんでんしゃ
street car
tram

専用の用地ではなく一般道路上に線路を敷設する電車。市街電車ともいい、日本では法規上軌道とよぶ。電車は1879年にドイツのE・W・ジーメンスが発明してベルリンの勧業博覧会で公開したが、時を置かず市街地の鉄道馬車にかわって発達した。日本では1890年(明治23)に東京で開催された第3回内国勧業博覧会にアメリカ製スプレーグ式電車が紹介された。最初の路面電車は京都市下京区東洞院塩小路から伏見町油掛(あぶらかけ)間に運転が開始された。内国勧業博覧会から5年を経た1895年であった。その後、東京、京都、大阪、名古屋などの各都市で馬車鉄道による市内公共交通を路面電車に置き換えたばかりでなく、網の目のように整備されていった。最初は電灯会社など民営企業が開拓したが、整備されるにしたがって市当局が交通局として運営する場合が多くなった。

 19世紀末には世界各国の主要都市では乗合馬車にかわって路面電車網が発達して、市民の足の主役になった。当時の電車の大きさは乗合馬車の収容能力とほぼ同じ程度で、2軸単車で車体長は6メートル、定員が20人から30人程度であった。1903年(明治36)に開業した大阪市の路面電車には2階式の車両が最初から混じっていた。電車の発車合図には車掌が手で紐(ひも)を引っ張ってベルを鳴らし、また、運転手は足踏み式のゴングを鳴らして警報合図をしたので、チンチン電車の愛称がおこった。やがて路面電車の普及発達と利用者の増大に伴って電車は大型化の一途をたどり、2軸ボギー車が主流となった。

 ヨーロッパ諸国では2両または3両の連結列車や連節台車式長編成のものも普及するに至った。アメリカでは1930年代にPCCカーという高加速・高減速の近代的な路面電車を普及させて自動車交通への対抗策を講じた。しかし、その後自動車の急速な普及発達に伴って、路面電車は、フランスやイギリスでは1950年代には廃止され、アメリカでも一部の都市を除いて廃止された。日本でも1970年代に、自動車群の洪水による電車線の占領を余儀なくされ、電車運転速度の低下などサービスの低下と運賃値上げによる客離れの相乗効果によって廃止に追い込まれていった。しかし路面電車が廃止されても道路交通渋滞は解消されるどころか、いっそう混乱が加わった。その一方で、広島市や長崎市などのように、条例によって路面電車の路線敷に自動車の進入を許さない地域はいまだに電車の正常な運営が確保されている。

 ヨーロッパでは、1990年代に入ってから、増加する自動車交通への対応を迫られ、かつて路面電車を廃止した都市でも、近代的交通機関LRT(light rail transit)として復活させた。車両はLRV(light rail vehicle)あるいは軽快電車とよばれている。路面電車を維持していたドイツ、スイスや東欧諸国でも、車両の近代化とあわせ、インフラの改良を行ってLRTに衣替えしている。日本では2006年(平成18)4月にJR西日本の富山港線が、LRT化され、第三セクターに移管され、富山ライトレール富山港線として生まれ変わった。

 なお、古くからサンフランシスコ市内の名物になっていまなお存続しているケーブルカーも広い意味では路面電車に入る。

[西尾源太郎・佐藤芳彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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事典 日本の地域遺産

路面電車
(北海道函館市;北海道札幌市)
北海道遺産」指定の地域遺産。
北海道を走る2つの路面電車の函館市電札幌市電は共に明治時代の馬車鉄道から始まった。函館市電は1913(大正2)年に、札幌市電は1918(大正7)年に電化された

出典:日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」
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精選版 日本国語大辞典

ろめん‐でんしゃ【路面電車】
〘名〙 街路の路面に敷設されたレールの上を走る電車。〔新版大東京案内(1929)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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