●農学【のうがく】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
農学
のうがく
agricultural sciences; agronomy
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デジタル大辞泉
のう‐がく【農学】
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世界大百科事典 第2版
のうがく【農学 agronomy】
【外国の農学】
人類が一定の土地に定着し,農業を開始(1万~2万年前)して長年月を経ると,いかなる作物をいかに栽培し,家畜などをいかに飼養したらよいかという知見が集積してくる。とくに農業が民族や国の基本的基盤となると,王侯など統率者側,またときには耕作者自体も,積極的に農産物の収量をあげ,利益を得ようという努力がはらわれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
農学
のうがく
agronomy 英語
agricultural science 英語
Landwirtschaftswissenschaft ドイツ語
農業の永続的発展を実現するための科学・技術の統一的体系をいう。農学の研究対象である農業は、人間の生命保全と生活充足に不可欠の食料その他の生存必需品の生産をおもな目的とし、さらに人間の生き方、つまり人生の充実を図ろうとする合目的的活動である。それゆえ農学は、農業に関する単なる認識の学ではなくて、農業の発展を図ることによって人間の「生」を実現しようとする実践の学である。つまり、農学は人間的「生」の実現を目的として追究する学問である。
そのため農学は、自然科学と人文・社会科学の領域にまたがる学際的、複合的性格をもつ応用科学として構成される。すなわち農学は、生物学・化学・物理学・経済学などを基礎として形成された作物学・園芸学・畜産学・土壌肥料学・農業機械学・農産製造学・農業経済学などの多彩な分科諸科学によって構成される。そのほか林学・水産学・養蚕学・獣医学なども広い意味で農学を構成する。
近代農学の成立は農業の展開と深くかかわる。人類は採集・狩猟・漁労・牧畜に続いて、あるいはそれらと並行しながら、紀元前7000年から前6000年にかけて農耕段階に入ったといわれる。農業の発達につれてエジプト文明やシュメール文明といった巨大な文明が形成され、農業についての経験的知識の集積も進められた。とくに17~18世紀になると、西欧でも日本でも、農業についてのかなり体系的な書物が刊行されるようになる。
しかし、近代農学の基礎が固められたのは、ドイツのアルブレヒト・テーアによってである。テーアはイギリスの農業をモデルとし、自らの農業経営によって得た知識を集大成して、『合理的農業の基礎』(全四巻、1809~12)を取りまとめた。本書においてテーアは、農業とは貨幣獲得を目的とする一つの営業であるとし、合理的農業とは最高の純収益をあげる農業であるとした。そして、この目的を実現するために、農学は農業生産技術と農業経営の二つの面から農業を研究する学問であると説いた。
テーアを出発点とする近代農学は、自然科学の面で化学者リービヒによって、また社会科学の面で経済学者チューネンによって発展させられた。すなわち、リービヒは、植物の栄養は土壌中の鉱物質であって、土壌中に含まれる鉱物質中の最少の成分によって植物の生長が支配されるとする、いわゆる鉱物質説および最少養分律を唱えた。またチューネンは、自ら農場を経営しながら『孤立国』(全三部四巻、1826~63)をまとめ、市場からの距離に基づく差額地代によって、各種の農林業圏が同心円的に定まるとする、いわゆる「チューネン圏」を提唱した。
日本でも17世紀以降、多くの農書が出されたが、西欧に比して農学の基礎となる諸科学が立ち後れたために、近代農学として結実するに至らなかった。こうして明治以降、日本の農学は西洋農学を中心として発展したのである。
[坂本慶一]
『柏祐賢著『農学原論』(1962・養賢堂)』▽『飯沼二郎著『農業革命の研究――近代農学の成立と破綻』(1985・農山漁村文化協会)』
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精選版 日本国語大辞典
のう‐がく【農学】
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旺文社日本史事典 三訂版
農学
のうがく
封建社会では農業は経済の根幹であり,ことに江戸時代,武家社会にとっては農民からの年貢その他の税が最も重要な財源であったため農学の発達を促進した。代表的農書に,江戸初期の『清良記』,江戸中期の宮崎安貞の『農業全書』,江戸後期の大蔵永常の『農具便利論』『広益国産考』,佐藤信淵の『農政本論』など。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
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