●近接作用【きんせつさよう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
近接作用
きんせつさよう
action through medium
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デジタル大辞泉
きんせつ‐さよう【近接作用】
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世界大百科事典 第2版
きんせつさよう【近接作用 action through medium】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
近接作用
きんせつさよう
物体が、それに触れている媒質(または場)から受ける力。力の大きさと向きは(ある時刻・場所における)物体の媒質(または場)の状態のみにより決まり、離れた点の状況には無関係である。もちろん、時間がたてば離れた点の状況も物体の位置にまで伝播(でんぱ)して物体に影響を与えることがある。思弁的には、近接作用論はデカルトの『宇宙論』(1644)に始まる。デカルトは、宇宙は至る所微細な粒子の渦(うず)運動で満たされているとし、それによって天体は押し動かされるのであると想像した。ニュートンは彼自身の力学に基づいてこれに反対した。R・フックが光を媒質の振動と考え、その媒質をエーテルとよんだとき(1670前後)、ニュートンは全面的にはそれに反対していない。
実験からの示唆で近接作用を考えた最初の人はファラデーであろう。彼は、1831年に電磁誘導を発見し、そのとき針金の構成粒子は「電気的緊張状態」にあると考えた。翌年には電気分解を溶液内部における分極の伝播として描像し、1837年には、それになぞらえて静電誘導を考えた。その証拠として、帯電した絶縁体による近くの小球への静電誘導作用が、両者の間に置いた金属板などに影響されて、曲がって伝わる実験を示した。彼は、空間には(たとえ物質がなくても)微細な粒子が満ちていて、それが次々に分極して静電誘導の力を伝えていくものと考え、その分極を連ねた線を電気力線(りきせん)とよんだ。この考えを磁気現象にまで広げて、磁力線に思い至るのは1845年である。力線の考えはJ・C・マクスウェルが1856年から数年かけて数式化し、電磁場の理論をたてた。彼がエーテルと名づけた電磁場の媒質論は、相対性理論(1905)の成立とともにすたれるが、場を介する近接作用の考え方はむしろ必須(ひっす)のものとなった。今日の物理学は基本的にはすべて、真空が場を担い、作用を伝えるという立場で構成されている。
[江沢 洋]
『江沢洋著『現代物理学』(1996・朝倉書店)』
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精選版 日本国語大辞典
きんせつ‐さよう【近接作用】
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