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近接作用【きんせつさよう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

近接作用
きんせつさよう
action through medium
媒達作用ともいう。離れて存在する2物体間で,中間に存在する媒質の状態を順次に変化させながら遠方の物体に伝わる作用。たとえば,音は音源から出た音波が空気の密度を急激に変化させながら次々と伝わって耳に達する近接作用である。一般に中間の媒質をという。離れた荷電体の間に働くクーロン力は初めは直接に伝わる遠隔作用と考えられたが,F.ファラデーの考えに従って現在では荷電体が周囲につくる電場の状態の変化が次々と隣の部分に伝わり,他の荷電体に到達して力を及ぼす近接作用と考えられている。同様に,万有引力アインシュタインの一般相対性理論による重力場,またクォークレプトンなどの素粒子間に働く力は,グルーオン場やWボソンZボソンの場など,ゲージ場によって伝わる近接作用の結果であると現在では考えられている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

きんせつ‐さよう【近接作用】
二物体が及ぼし合う力が、物体間に存在する媒質あるいは場の物理的変化を媒介として伝わること。→遠隔作用

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

きんせつさよう【近接作用 action through medium】
物体間に働く力が中間にある媒質の物理的変化を通じて(有限の速さで)伝達されると考えたとき,これを近接作用という。力がいつも近接した部分から働くとしているからである。弾性体内の応力は各点でのひずみを通じて順次隣り合った部分に伝わっていくからまさに近接作用である。M.ファラデーは二つの帯電した物体の間のクーロン力も,帯電体の間の空間に充満した電気力管が引っ張られた(または押し合った)ゴムのような状態にあるため生ずると考えた。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

近接作用
きんせつさよう

物体が、それに触れている媒質(または場)から受ける力。力の大きさと向きは(ある時刻・場所における)物体の媒質(または場)の状態のみにより決まり、離れた点の状況には無関係である。もちろん、時間がたてば離れた点の状況も物体の位置にまで伝播(でんぱ)して物体に影響を与えることがある。思弁的には、近接作用論はデカルトの『宇宙論』(1644)に始まる。デカルトは、宇宙は至る所微細な粒子の渦(うず)運動で満たされているとし、それによって天体は押し動かされるのであると想像した。ニュートンは彼自身の力学に基づいてこれに反対した。R・フックが光を媒質の振動と考え、その媒質をエーテルとよんだとき(1670前後)、ニュートンは全面的にはそれに反対していない。

 実験からの示唆で近接作用を考えた最初の人はファラデーであろう。彼は、1831年に電磁誘導を発見し、そのとき針金の構成粒子は「電気的緊張状態」にあると考えた。翌年には電気分解を溶液内部における分極の伝播として描像し、1837年には、それになぞらえて静電誘導を考えた。その証拠として、帯電した絶縁体による近くの小球への静電誘導作用が、両者の間に置いた金属板などに影響されて、曲がって伝わる実験を示した。彼は、空間には(たとえ物質がなくても)微細な粒子が満ちていて、それが次々に分極して静電誘導の力を伝えていくものと考え、その分極を連ねた線を電気力線(りきせん)とよんだ。この考えを磁気現象にまで広げて、磁力線に思い至るのは1845年である。力線の考えはJ・C・マクスウェルが1856年から数年かけて数式化し、電磁場の理論をたてた。彼がエーテルと名づけた電磁場の媒質論は、相対性理論(1905)の成立とともにすたれるが、場を介する近接作用の考え方はむしろ必須(ひっす)のものとなった。今日の物理学は基本的にはすべて、真空が場を担い、作用を伝えるという立場で構成されている。

[江沢 洋]

『江沢洋著『現代物理学』(1996・朝倉書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

きんせつ‐さよう【近接作用】
〘名〙 物体間に働く力が、中間に存在する場あるいは媒質を通じて順次伝わること。ファラデーやマクスウェルの電磁場理論の電磁気力、アインシュタインの一般相対性理論の万有引力、核子間の力はこの考え方で説明されている。⇔遠隔作用

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