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退行【たいこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

退行
たいこう
regression
一般的にはより原初的な型や段階に戻ることをいう。心理学では (1) 個体および集団が原型的な形に立戻る傾向,(2) 精神分析ではリビドー発達逆行して,結果的に初期の小児的行動様式を一時的あるいは永続的にとること,(3) K.レビンらによると,生活空間における分化した領域間の境界欲求不満によってこわされ,行動の分化した状態から未分化の状態になることをいう。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

たい‐こう〔‐カウ〕【退行】
[名](スル)
後方にさがること。
「若しも敵軍寄せ来たらば…打ち散らさんと、粛々として―せり」〈竜渓経国美談
銀行員が仕事を終えて銀行を出ること。また、銀行員が退職すること。
生物の発達や進化がある段階で止まり、むしろ元に戻るような変化を起こすこと。
心理学で、困難な状況に遭遇したとき、精神発達上より未熟で幼稚な段階の行動を示すこと。
天体の逆行のこと。

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

退行
 進歩した状態からより早期,未熟な状態へ戻ること.心理学,精神病理学用語

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

たいこう【退行 regression】
精神分析の用語。現在においてなんらかのフラストレーションに直面し,現在のやり方でそれを克服するのに失敗したとき,過去の段階でのやり方に逆戻りすることをいう。この概念は,人間の性欲構造,人格構造,思考形式,行動形式,対象関係などはさまざまな段階を経て発達するということと,過去は不滅であって決して失われてしまうことはなく,どこかに潜在しているということとを前提にしている。S.フロイトは退行を,後方陣地に部隊の一部を残して前進した軍隊が強力な敵軍と遭遇して敗走し,後方陣地まで退却することにたとえている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

退行
たいこう
regression

精神発達が止まり、逆の方向に進むこと。一般的には、組織化され分化した行動や表現が未成熟な発達段階に逆戻りすることで、幼児的になることをいう。たとえば、解決困難な状況に遭遇したとき人格的な独立性を失い、依存的になることなどである。精神分析では、性心理的発達につまずき、発達が部分的に停止し、そこに固着点が残されると、強いフラストレーションにさらされたときなどに、固着した段階に退行するといわれる。ヒステリーは性心理的発達が幼児的な男根期(エディプス期)に逆戻りし、強迫神経症では肛門(こうもん)期に逆戻りしていると考えられる。この意味では退行は好ましいものではなく病的なものと考えられるが、これと反対に積極的な意味をもつ退行も考えられる。たとえば、ゲシュタルト心理学のケーラーの回り道の研究が示しているように、困難な問題に直面したとき一歩退いて考えると問題解決につながるように、一時的に退行することは創造的活動には必要であると考えられる。こうした健康な退行は、自我のコントロールの下での退行とか創造的退行といわれる。これは発達的な意味での退行でなく、精神分析でいう場所論的な退行である。一般に心理的緊張は運動反応で解放されるが、これが阻止され、外的な運動反応にかわって内的な想像や空想がおきるからである。この想像、空想が創造的意義をもつのである。

[外林大作・川幡政道]

『エルンスト・クリス著、馬場礼子訳『芸術の精神分析的研究』(1976・岩崎学術出版社)』『マイクル・バリント著、中井久夫訳『治療論からみた退行――基底欠損の精神分析』(1978・金剛出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

たい‐こう ‥カウ【退行】
〘名〙
① あとにさがること。しりぞくこと。退却。あとずさり。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕
※経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「若しも敵軍寄せ来らば取て還して打ち散らさんと粛々として退行せり」 〔史記‐太史公自序〕
② 発達や進化の過程で、病気や困難に遭遇することにより、すでに経過した子どもや原始的状態の段階にもどること。
※河口にて(1960)〈北杜夫〉「この霧は末梢の感覚を刺戟するにすぎず、それも次第に原始的な、あるいは幼年期的なそれへと退行させてゆくような気がした」
③ 惑星が天球上を東から西へ運行すること。逆行。
※暦象新書(1798‐1802)上「金水何れも夕伏合の前後に当りて、退行することあり」

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