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造花【ゾウカ】

デジタル大辞泉

ぞう‐か〔ザウクワ〕【造花】
紙・などを使って、生花(せいか)に似せてつくった。つくりばな。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

ぞうか【造花】
自然の花,生花に模して作られ,その代用として使われる人工の花のこと。その歴史は明らかではないが,生花の歴史とともに始まったと考えられる。生花の利用は,古代エジプト時代,古代ギリシア時代の遺品の中にも見られる。古代ギリシアでは祝祭日儀式の中で,花を神々の花冠として付け,みずからもかぶるなど当時のギリシア人の生活の一部になっていたが,そのころから,金,などを用いて花が作られたと記述されている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ぞうか【造花】
紙・布・ビニールその他の材料でこしらえた花。つくりばな。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

造花
ぞうか
自然の花を手本としてつくった人工の花。飾り花。布、、糸、皮革、ビニル液、プラスチック、金属などを素材に、植物の花や葉、枝、茎、実などを模造したもの。室内装飾用や祭飾用など一般的な造花と、服飾のためのアクセサリー用造花がある。[市川久美子]

歴史

紀元前2700年ごろ地中海で栄えたエーゲ海文化の遺品のなかにみられる造花が、現存する最古のものとされている。前1600年ごろの古代エジプトでは装身具に用いられ、そのなかでも優れたものの一つに、アメネムハト2世の娘クヌメトが用いた冠の飾りになっている、金製の5弁の小花がある。これは黄金輝く華麗なものである。古代ギリシアや古代ローマになると、さらに磨きがかけられ、りっぱで巧緻(こうち)なものがつくられた。古代ローマでは、戦争で功績をたてた勇者に、花の冠コローナを頭にかぶせて武勲をたたえ祝福した。その宴席では、紐(ひも)で花形を結んだり、花輪をつくるなどして頭にのせ「宴楽のコローナ」と称してもっぱら造花が豪華な雰囲気づくりをした。ルネサンス時代になると、その技術はさらに進歩して、その繊細な写実主義は本物の花と見まがうほどになり、優雅な色彩、豊富な色調を、貴族の社交界では大いに競い合った。18世紀に入ると、布製の豪華な造花が一般庶民の間でも広く用いられるようになり、技術も著しく進歩した。近世に至り、生花だけでつくられていた花嫁のブーケなどにも、造花が用いられるようになり、コサージュや、婦人・女児の帽子、夜会服などには、かならず造花をつける風潮を生んだ。現代では、新しい感覚のもとに洋服と同色、あるいは造花でなければ表現できない色の造花が好まれているが、一方では花の栽培種類も増え、生花で正式に飾るという、昔ながらの方法も人気をよんでいる。
 日本には、造花の一種として剪綵(せんさい)という手工芸がある。絹布や紙、金箔(きんぱく)で花の形に切り抜き、屏風(びょうぶ)などに貼(は)って飾りとしたもので、古くは正倉院に残されている。本格的な造花の発達は江戸時代になってからで、お細工物(さいくもの)とよばれ、糸の花、布の花など日本独特の美しさをもつものがつくられた。江戸末期には、宮中の御用造花師や民間専門の造花師も現れている。彼らは雛(ひな)飾りの右近(うこん)の橘(たちばな)、左近(さこん)の桜、人形の髪飾り、菅笠(すげがさ)の飾り、節供(せっく)の菖蒲(しょうぶ)など、文字どおり江戸の季節に花を添えた。
 江戸風の造花は婚礼の蓬莱(ほうらい)(祝いの具に松竹梅、鶴亀(つるかめ)などを飾り、中国の想像の山、蓬莱山をかたどったもの)や高砂(松に尉(じょう)と姥(うば)、鶴亀などをかたどって祝賀に用いたもの)などに大いに用いられ、江戸市中には造花屋が次々に生まれた。また「花かんざし」(造花で飾ったかんざし)は江戸の名物にもなった。ただし今日みられるような造花は、明治以降ヨーロッパ風の婦人洋装が流行するようになってからのことである。[市川久美子]

種類

大別して、本物に似せてつくる写実造花、実際の花にこだわらず造形する創作造花、その中間をいく作者の創意を加えた中性造花に分けられる。写実造花の代表的なものが、第二次世界大戦後に現れたプラスチックを素材とした香港(ホンコン)フラワー。中国広東(カントン)省東部の汕頭(スワトウ)や香港地方がおもな産地であることからその名があり、花の種類も多く、変形変色も少なく、汚れは洗い落とせることもあって、現在でも根強い人気をもつ。
 素材だけで分類してみると、布類でつくる布花、伸縮性のあるリボンでつくるリボン・フラワー、またビニル液でつくる造花もある。ビーズに針金を通してつくるビーズ造花、ニードルポイントレース(縫い針を使って、ボタンホールステッチを基礎として縫い上げたレース)でつくられるレースの花、紙では和紙、生半紙(きばんし)(和紙の手漉(す)き半紙の総称)、クレープ・ペーパーなどによるペーパー・フラワー、リンゴの実でつくるリンゴの花、パンをほぐして粘土状にし練り上げてつくるパンの花、皮革を用いた皮造花、と枚挙にいとまがないほどであり、そしてまだまだ新しい素材による造花が生まれそうである。[市川久美子]

用具

造花製作に必要な一般的な用具は、地巻き針金、各種のこて、針金、手芸工作用ボンドなどビニル系の接着剤、事務用糊(のり)、ペップ(花芯(はなしん))、綿(わた)、リボン、型紙用紙、紙テープ、目打ち、鋏(はさみ)、ピンセット、裁ち包丁、ニッパー(針金切り)、筆、刷毛(はけ)、絵の具などである。染料は主として直接染料を使い、赤、青、黄、紫、赤紫、茶の6種類を用意すれば、これらを調合してほとんどの色を出すことができる。さらに、染料をよく浸透させるためには、浸透液を使えばよい。これは、中性洗剤を水1カップ(200cc)に、1グラムを攪拌(かくはん)したものを、染料の中に1、2滴加えるだけでも十分な効果をもつ。[市川久美子]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ぞう‐か ザウクヮ【造花】
〘名〙 紙、布、ビニールその他の材料で花をこしらえること。また、その花。つくりばな。
※今昔(1120頃か)二〇「様々の造花共瓶に差したり」
※暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二「造花(ザウクヮ)の材料にする繻子(しゅす)の木の葉を」

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