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造血器腫瘍のWHO分類

内科学 第10版

造血器腫瘍のWHO分類(血液疾患)
 WHO分類(第4版)は2008年に包括的な造血器腫瘍の分類として発表された.この分類法は,2001年に出された第3版を基にしており,急性白血病を中心とした骨髄系腫瘍の分類であったFAB分類(French-American-British classification)と,リンパ系腫瘍の分類として用いられていたREAL分類(revised European-American lymphoma classification)とを合わせた形で組み立てられ,さらに進歩させたものである.
 以前は,造血器腫瘍を腫瘍細胞の主たる増殖の場で大きく分けていた.すなわち骨髄で増殖するものを「白血病」,リンパ組織を増殖の場とするものを「リンパ腫」としていた.WHO分類ではこの方式をとりつつも,腫瘍細胞の系統を重視し,骨髄系細胞が増殖したものはまとめて「骨髄系腫瘍」,リンパ系細胞が腫瘍化したものを「リンパ系腫瘍」と大別した.その中でそれぞれをさらに細かく分類するという方式がとられている.そのため,急性リンパ性白血病は骨髄系腫瘍ではなく,リンパ系の前駆細胞が腫瘍化した疾患というとらえ方になっている.骨髄系,リンパ系それぞれの分類にはいくつかの方針があるが,①腫瘍化した細胞の分子遺伝学的特徴,②腫瘍細胞の特性(おもに細胞表面マーカー,遺伝子再構成など)と正常な細胞分化段階との対応,を今後の大きな軸としてとらえていく方向性がみえる.しかし,原則的には包括的な分類法であり,そのため,いずれにおいても現病歴や既往歴,身体所見を中心とした臨床所見,腫瘍細胞・組織形態,細胞遺伝学,細胞表面マーカー,分子遺伝学,免疫学的検査などの結果を総合的に判断して診断が下され,分類されることになる.ただ,現状でも多くの場合,形態学的所見が診断の基本的な情報となっている.種々の基礎,臨床研究,診療はこのWHO分類に基づいて実施されており,血液腫瘍学の基礎的な分類として広く用いられている.[宮﨑泰司]
■文献
Campo E, Swerdlow SH, et al: The 2008 WHO classification of lymphoid neoplasms and beyond: evolving concepts and practical applications, Blood, 117: 5019-5032, 2011.
Swerdlow SHH, Campo E, et al eds: WHO Classification of Tumors of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, IARC, Lyon, 2008.
Vardiman JW, Thiele J, et al: The 2008 revision of the World Health Organization (WHO) classification of myeloid neoplasms and acute leukemia: rationale and important changes, Blood, 114: 937-951, 2009.

出典:内科学 第10版
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それぞれの用語は原書刊行時(2013年)の時点での最新のものです.常に最新の内容であることを保証するものではありません。また,権利関係の都合で一部表示できない図や画像があります。

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