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連鎖反応【れんさはんのう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

連鎖反応
れんさはんのう
chain reaction
化学反応はどんな複雑な反応でも簡単な反応段階 (素反応) の組合せから成り立つ化学反応機構をもつと考えられている。そのうちで,ある1つの素反応から出発して次々に一連の反応を連発させる反応を連鎖反応という。たとえば水素塩素の混合気体 (塩素爆鳴気) は短波長の光の照射で爆発反応を起し,塩化水素を生じるが,その反応機構 H2+Cl2→2HCl は主として次のような素反応から成り立つ。 (1) Cl2→2Cl ,(2) Cl+H2→HCl+H,H+Cl2→HCl+Cl ,(3) H+H→H2,Cl+Cl→Cl2,H+Cl→HCl 。 (1) は反応の開始段階,(2) は反応の成長段階,(3) は反応の切断段階に相当し,(2) の成長段階により反応は急激に進行する。酸素と水素の混合気体の爆発も,この種の反応である。重合,熱分解,気体の爆発,燃焼など連鎖反応に属するものは多い。また質量数 235のウランや質量数 239のプルトニウムのような分裂性原子核の核分裂反応も連鎖反応の一種である。それらの中性子を吸収して核分裂が起り,その分裂に伴っていくつかの中性子が放出され,それらの中性子が再び核分裂を起すことにより次々と反応が進行する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

れんさ‐はんのう〔‐ハンオウ〕【連鎖反応】
一つの反応が他の反応を誘起し、さらにそれが次の反応の原因となって、同じ反応が繰り返して進行する現象。重合爆発核分裂など。
一つの出来事がきっかけとなり、同種のことが次々に起こること。「爆弾テロの連鎖反応が起こる」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

れんさはんのう【連鎖反応 chain reaction】
塩素と水素の混合物に光をあてると,塩素分子Cl2が光を吸収して解離し,塩素ラジカルCl・を生じて反応が開始され,次の反応段階(素反応過程), Cl・+H2―→HCl+H・ H・+Cl2―→HCl+Cl・を経て反応は急速に進む。この例のように,いくつかの引き続いて起こる反応段階を含み,ある反応段階の生成物が次の反応段階で再び反応に入り,生成・消滅を繰り返しながら,全体の反応が進行するような反応を連鎖反応という。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

連鎖反応
れんさはんのう
chain reaction

いくつかの反応が連続しておこり、その反応生成物のうちの一つがふたたび反応体の中に組み込まれていき、何度も生成・消滅を繰り返しながら進行する反応をいう。

[山崎 昶]

化学

この概念を提出したのはドイツのボーデンシュタイン(1913)であるが、のち1918年にネルンストが塩素爆鳴気(水素と塩素の混合気体)の光化学反応において確証した。にその反応過程を示す。この場合、光吸収によって塩素原子が生じる(図の式(1))が、これが水素分子と反応して塩化水素と水素原子を生じる(図の式(2))。水素原子が塩素分子と反応すると塩化水素と塩素原子になる(図の式(3))が、この塩素原子がふたたび水素分子と反応する。

 このようにして生成した塩素原子はふたたび反応系の一員として用いられる。これを連鎖連絡体という。の例では塩素原子、水素原子ともに連鎖連絡体である。連鎖反応がこのようにおこることを連鎖成長という。やがて成分が使い尽くされると、連鎖連絡体は消滅し、反応は終結する。この過程を連鎖停止という(図の式(4))。

 このような比較的簡単なサイクルの繰り返しのほかに、連鎖から枝分れが生じて、一つの連鎖連絡体から二つ以上の連鎖連絡体の生成がおこることがある。このような場合は反応は加速度的に進行する。爆発などの反応がそうである。重合反応では活性点が個々の反応のたびに末端基に移動して鎖状の重合体が生じることがあるが、これも一種の連鎖反応であり連鎖重合とよばれる。

[山崎 昶]

物理

物理現象にも連鎖的であるものが少なくないが、核分裂の連鎖反応など原子力に関係した場合にとくによく用いられる。ウラン235は速い中性子を吸収して分裂するが、このとき速い中性子を2個ないし3個放出する。ウラン235の存在量が適当であれば、この際に放出される中性子のうち少なくとも1個は別のウラン235の原子核に吸収され分裂を繰り返す。こうして連鎖反応の条件が保たれ核分裂反応が継続する。当然、連鎖反応の条件は物質系によって異なる。ウラン235やプルトニウム239が一定量固まれば連鎖反応が進行する。この量の最小値を臨界量という。この場合、連鎖反応は核爆発で100万分の数秒で終わる。軽い原子核を原子核内のクーロンの斥力(反発力)を超えるエネルギーで衝突させると、融合して新しい原子核を形成してエネルギーを放出する。この際に放出されたエネルギーがガスの高温状態を維持することができ、原子核の衝突が進行すれば核融合連鎖反応が実現する。このときの連鎖反応は超高温ガス(プラズマ)の密度、温度と維持時間に対する条件、すなわちローソン条件で与えられる。ジュウテロン(D、重陽子)、トリチウム(T、三重陽子)→α(アルファ)粒子+中性子の核融合連鎖反応の場合では、ローソン条件は温度が4000万℃以上で、密度と維持時間の積は1014sec/cm3以上である。現在の技術では、短時間プラズマの温度と密度の条件を実現できるが、長時間継続させることや、発生した中性子による容器の放射化・脆化(ぜいか)などの問題解決がむずかしく、連鎖反応を実現させる見通しがたっていない。

[田中 一・加藤幾芳]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

れんさ‐はんのう ‥ハンオウ【連鎖反応】
〘名〙
① ある一つの反応が起こったとき、その反応が次の反応を引き起こし、以後外部からのエネルギーの供給なしに繰り返し進行する反応。重合、爆発、原子核分裂などに見られる。〔原子力(1950)〕
② 転じて、一つの事件が原因となって、つぎつぎと同種のことが起こって広がること。
※モゴール族探検記(1956)〈梅棹忠夫〉一一「タイマニ戦争の連鎖反応が、〈略〉モゴール、キプチャクの衝突としてあらわれ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

連鎖反応
レンサハンノウ
chain reaction

一つの反応が次の反応を引き起こし,その反応がまた次の反応の原因となるというように連続して起こる反応.爆発反応も重合反応もその例に入る.核爆発はその特別な例である.連鎖反応の反応熱が連鎖の原因になっているときをエネルギー連鎖,反応の生成物が連鎖伝達体になるときを物質連鎖という.また,塩素爆鳴気の反応のようにCl・とH・が反応ごとに交互に生成して連鎖伝達体となり,伝達体の数が増えないときを非分岐型といい,酸水素爆鳴気のように,連鎖伝達体の数が次のような反応で増加するときを分岐型という([別用語参照]連鎖分岐).

     H・ + O2 → HO・ + O

     O + H2 → H・ + HO・

ビニル化合物のラジカル重合は,ラジカル末端が次々に単量体と反応して成長する連鎖反応であるが,重合体の数平均重合度は,成長反応と連鎖停止および連鎖移動反応の和とのとして表される.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
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