●遊牧民【ゆうぼくみん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
遊牧民
ゆうぼくみん
nomad
遊牧をしながら一定の牧草地帯を季節的に移動し,牧畜に依存して生活する民族。広義には定住地をもたず移動生活を送る民族全般をさし,原始的遊牧民,牧畜遊牧民,雑業的遊牧民に分けられる。狭義の牧畜遊牧民は,ユーラシアとアフリカの広大な乾燥地域の各地にみられたが,灌漑の近代化・拡大によって遊牧民を定着化させる政策を進める国が増え,純粋に遊牧のみに従事する人口は急激に減少しつつある。遊牧民は家畜を食糧,衣服,住居,容器の材料として完全利用し,移動の容易な組み立て式天幕を用い,父系大家族を基本とする社会集団を組織する。彼らは定着農耕社会との間に,畜産物を穀物や器具類と交易する相互依存の関係をもつ。干魃や寒気などの自然災害にあいやすく,経済生活の基盤は弱い。かつては騎馬を利用して機動力を生かし,農業地帯に侵入略奪を加え,強大な征服国家を形成した歴史がある。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ゆうぼくみん【遊牧民】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
精選版 日本国語大辞典
ゆうぼく‐みん イウボク‥【遊牧民】
〘名〙 遊牧をしながら、移動して生活をする人々の集団。ノマド。
※漆胡樽(1950)〈井上靖〉二「常に北方遊牧民の掠奪と大自然の脅威のもとに」
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「遊牧民」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●遊牧民の関連情報