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適応【てきおう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

適応
てきおう
adaptation; adjustment
生物の形態,機能がその生活によく合致した特性をもつこと。生物界にはみごとな適応の例が多数認められるが,これらは進化の途上自然選択により確立されてきたものと理解されている。また,生物がある状態から違う状態に移されたとき,自己の特性を変えて,新しい状態に合うように調節し直すこと。微生物を新しい培地に入れたとき生じてくる適応酵素とか,動物の温度に対する適応とかいうのは,この例である。

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適応
てきおう
adaptation; adjustment
精神医学用語。環境状況適合して,著しい葛藤や不安を体験することなく生活すること。無意識,無意図に個体の側が適合することを順応 adaptation,いささかでも意図的に行動を学習したり,個体の側に適合するよう環境に働きかける行動がみられる場合を適応 adjustmentと分けて考える専門家が多い。適応に大きく失敗しないように葛藤や不安を解消する心的過程を適応機制と呼ぶ。適応が客観的あるいは主観的にスムーズに進まない場合は適応の失敗 maladjustmentという。

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デジタル大辞泉

てき‐おう【適応】
[名](スル)
その場の状態・条件などによくあてはまること。「事態に適応した処置」「能力に適応した教育」
生物が環境に応じて形態や生理的な性質、習性などを長年月の間に適するように変化させる現象。
人間が、外部の環境に適するように行動や意識を変えていくこと。「適応障害」「過剰適応

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

適応
 馴化,順応ともいう.外的条件の変化に応じて生体が順応する現象

出典:朝倉書店
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ナビゲート ビジネス基本用語集

適応
1)人が個人欲求をある程度満たしながら、環境に合わせて自分の行動や思考を変えていく過程。また、そのようにして変わった状態。社会的順応ともよばれる。適応が成り立っている場合、個人の欲求と社会の要請均衡状態にある。この均衡が崩れた結果生じうるさまざまな障害を不適応という。 2)生物学的には、意志にかかわらず自然選択によるもので、ある条件に棲息する生物の集団の中に何らかの遺伝的な性質が広まること。また、それによって個体の生存・繁栄が有利になった状態をさす。

出典:ナビゲート
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世界大百科事典 第2版

てきおう【適応 adjustment】
精神医学用語。個人と環境が調和した関係を保つことをいう。つまり,家庭学校職場などの社会的環境の要請に応じながら,個人の欲求をも満足させる関係をいう。適応には,社会,文化的基準守り他人と協調することにより他人から容認され,人間関係のなかで安定を得ようとする外的適応と,主観的に自己を受容し,精神内界の安定を得ることによって環境に適合しようとする内的適応とがある。個人は環境に適合する行動を学習したり,欲求を満足させるために環境に働きかけてそれを変化させる努力をしたりするが,それを適応行動という。

出典:株式会社平凡社
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てきおう【適応 adaptation】
〈適応とは生物がその環境にたいして適合している状態をいう〉といった定義がよくみられる。これでは適応を適合に置き換えたにすぎないのだが,それ以上にわかりやすく適応を説明するのは難しい。こうしたあいまいさにもかかわらず,適応の概念は生物研究の重要な方法論的根拠となっている。いくつかの実例をあげて,適応とは何かを考えてみよう。 哺乳類の足は,本来歩行のための器官であるが,によってさまざまに変形し,異なった機能を遂行するのに適している。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

てきおう【適応】
スル
ある状況に合うこと。また、環境に合うように行動のし方や考え方を変えること。 状況に-する
生存のために環境に応じて生物体の生理的・形態的な特質が変化すること。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

適応
てきおう
adaptation
生物のもつ形態、生理、行動などの諸性質が、その環境のもとで生活していくのに都合よくできていること、または、そのような状態に変化していく過程をいう。しかし、ある生物が適応しているといえる状態にあるからといって、その生物が生活上の目的にもっとも適した様式を採用しているとは限らない。また、ある形質が単に生活上適しているからといって、それが適応であるとは限らない。これは、自然選択(自然淘汰(とうた))の結果として生物が獲得した産物に対して適応ということばを用いるのが現在の生物学の慣例だからである。[遠藤知二・河田雅圭]

適応の科学

かつては、生物のもつ合目的的(目的にかなう)な性質自体が超越者としての神の存在を示すものと考えられていた。「ペイリーの時計」として周知のところだが、時を刻むという目的をもった複雑な機械である時計の背後にはそれをつくった時計匠がいるように、合目的性を備えた複雑な器官を有する生物の背後にはそれをつくった神がいるはずだというわけである。
 そうした目的論(テレオロジー)的説明に対して、生物の合目的性の由来を自然選択で説明しようとする「適応の科学」はテレオノミーとよばれ、現代生物学の全領域にわたる根幹的な概念装置となっている。適応の科学は、まず自然選択がどのように働くかを調べることによって成立する。生物がかならずしも最適な状態にあるといえないのは、自然選択が、同じ繁殖集団内の相対的適応度に対して作用するからである。つまり、ほかの繁殖集団中の個体のもつ性質に比べてより適しているとはいえなくても、同じ集団内のほかの個体に比べて有利である性質は、自然選択によって集団中に広まり、適応しているとみなされる。[遠藤知二・河田雅圭]

適応観の論拠

生物のもつ形質には、それをもつことが、その「個体」の生存や繁殖に有利(利己的個体による適応観)だと簡単にいえない場合もある。ショウジョウバエのSD遺伝子は、減数分裂時にSDをもたない相同染色体に影響を与えて、SDをもたない精子の分離比に自らが多くなるようなひずみを生じさせる。そのことによって、SD遺伝子は選択上有利になるが、SD遺伝子をもつ「個体」は形成される配偶子の数が減少するため不利益を被る。つまり、SD遺伝子は個体の観点からはいわば無法者であるにもかかわらず、個体群中に広がりうる。このことは自然選択の働く単位が遺伝子であることを示しており、適応が何かにとっての善だとすればそれは遺伝子にとってであるとする、利己的遺伝子による適応観の論拠となっている。一般には、遺伝子は個体の繁殖を通じて広がるので、この二つの適応観は矛盾しないことが多いと予想される。
 また、個体のもつ性質が、その個体の属する集団(個体群や種)の存続を有利にするようにみえる(利他的個体による適応観)こともある。しかし、集団を単位として自然選択が働くことも理論的にはありうるとしても、個体ないしは遺伝子の観点からの適応として理解することが可能である。たとえば、縄張り(テリトリー)をもつ動物では、個体数の増加が制限され、このことが個体群の絶滅を防ぐという機能(個体群レベルでの適応)をもつとみなされがちである。しかし、縄張りは、個体が自らの資源を確保するのに有利なために進化してきたものと考えれば、個体数の制限という現象は、その付随的結果であり、適応とはみなされない。
 一方、生物のもつ形質を厳密に自然選択の結果できた適応的なものとして説明するのはしばしば困難が付きまとうし、形質のなかには適応的には中立なものも多いだろう。生物の示す複雑なパターンに、適応的な意味をみいだそうとする試みは、新しい発見をもたらすうえで価値があるが、検証のむずかしい適応的解釈を生むことも否めない。実際には、生物がいかなる拘束のもとで物理的・生物的環境の与える問題を解決しているかを探ることが、適応の科学のあり方といえる。[遠藤知二・河田雅圭]

心理学的適応

環境からの働きかけに生活体がこたえるだけでなく、生活体の側からの諸欲求も充足されている関係をさす。しかし現実的には生活体の欲求がつねに充足されるとは限らない。欲求が阻止されると生活体はフラストレーション(欲求不満)状態に置かれる。したがって狭義には、適応はフラストレーションを解消する過程であり、その努力であるといえる。
 適応の過程は、(1)動機(欲求が目標への行動を惹起(じゃっき)する)、(2)障害(妨害され行動が行き詰まる)、(3)反応(妨害に対する問題解決の試み)、(4)緊張の解消(目標への解決方法が発見され満足する)、の四つのサイクルで説明される。また適応は順応と区別され、とくに社会的順応とよばれる。順応が環境の変化に伴って生活体自身が変容する生物・生理的意味が強いのに対して、適応は生活体が環境に対して働きかけることによる社会・行動的側面が強調される。[織田正美]
『波多野完治著『適応理論』(『現代教育心理学大系11』所収・1957・中山書店) ▽戸川行男著『適応と欲求』(1956・金子書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

てき‐おう【適応】
〘名〙
① (形動) ある条件や要求などにあうこと。あてはまること。かなうこと。また、そのさま。
※地方官会議日誌‐一九・明治八年(1875)七月一三日「故に各地の実際に付き〈略〉適応なる方法を設けざる可らず」
※一兵卒の銃殺(1917)〈田山花袋〉二七「其場々々に適応した話の相手になったり」
② 人間が外部の環境に対して、意識的にそれに合わせた行動をとることをいう。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉七「僕等もその考へに適応しなければならないのかい」
③ 生物が、その生活環境に生活し易いように、形態的、生理学的に変化していく過程、あるいは変化すること。遺伝的、非遺伝的なものがあるが、普通は遺伝的なものをいう。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
④ 心理学で、生活が環境からの要請に答えると共に自らの諸要求が満たされ、調和している状態。環境を変化させて適応する場合と自らを変化させる場合とがある。⇔不適応

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