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遮断器【しゃだんき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

遮断器
しゃだんき
circuit breaker
電力系統において,回路構成を変更するとき,あるいは異常状態のとき回路を開閉する装置。スイッチの一種で,接点の開閉の仕方によって手動遮断器と自動遮断器がある。自動遮断器の動作判断は継電器 (リレー) が行う。アークを消滅させる方法により,(1) アークを消滅させるために油を用いる油遮断器,(2) 消弧室内を真空にする真空遮断器,(3) 圧縮空気を接点間アークに吹きつける空気遮断器,(4) 六フッ化硫黄ガスが入されたガス遮断器に分類される。送電線の送電限界電力には事故遮断時間が大きく影響するため,遮断器の動作速度の向上が求められ,基幹系統では動作時間 30分の1秒の高速度遮断器が用いられている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しゃだん‐き【遮断器】
電気回路を開閉し、電流を遮断する装置。回路を流れている通常の電流を遮断したり、事故・故障で生じる過大な電流を自動的に遮断するために使用する。サーキットブレーカーCB(circuit breaker)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

しゃだんき【遮断器 circuit‐breaker】
電力回路に接地や短絡事故が生じたとき流れる過大電流は,機器や周囲事物災害を及ぼす。遮断器はこのような場合に故障した個所を安全かつ速やかに切り離して危害最小限に止めるために用いられる保護装置である。過大電流を遮断する装置は遮断器のほかにヒューズも用いられる。また遮断器は電気回路の常時電流を開閉するのに用いられる開閉器作用を代行させることもできる。一般に過大電流の流れている回路では遮断しようとする部分に強力なアーク放電が発生するから,これを速やか,かつ安全に消滅させることが必要である。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

遮断器
しゃだんき

電路を開閉する装置。サーキットブレーカーcircuit breakerともいう。電路の「開」操作の際には、開放電極間に高電圧が発生し電流遮断を困難にする作用がある。遮断器はその作用に耐え、電路電流遮断を可能とした開閉装置である。したがって、遮断器は通常の負荷電流と、短絡や地絡などの故障中に流れる大きな故障電流の遮断もできるようにしているものである。一方、負荷電流程度の小さい電流しか遮断できないものを負荷開閉器(負荷スイッチ)とよび、遮断器と区別している。

 電力系統は、発電機、変圧器、送電線などの多数の機器から構成されている。これらの一部を停止したいときは、停止したい発電機なり送電線なりの電流を遮断器により遮断し、電力系統から切り離すこととなる。また電力系統に短絡や地絡などの故障が発生すると、大きな故障電流が流れる。これを放置すると、故障した部分の被害が拡大されるばかりでなく、健全な部分も大電流による熱的、機械的なストレスによって損傷するおそれがある。さらに故障を放置しておくと電力系統の安定状態が破れ、大停電に発展するおそれも生ずる。以上のため、故障部分を遮断器によってできるだけ速やかに切り離す必要がある。切り離す時間が速ければ速いほど電力系統の安定性が増すので、遮断時間は逐次短縮されている。たとえば150キロ~500キロボルトに使用されている大型遮断器でも電流を遮断する時間は30ミリ~60ミリ秒程度になっている。

[岡村正巳・大浦好文]

遮断器の種類

電路の開閉は、一般に二つの導体の接触と乖離(かいり)によって行われる。ただし高電圧または大電流での開閉では、導体を乖離しても導体間にアークが発生し消滅しない。つまり電流を遮断できない。このため遮断器は、発生したアークに対して強力な冷却消イオン作用を働かせてアークの消滅を行わせる必要がある。遮断器は、アークを消滅させる方法によって次のように分類することができる。

(1)油遮断器 絶縁油中にある消弧室とよばれる絶縁筒の中にアークを発生させる。消弧室内はアーク熱により油が分解して水素ガスを発生するが、その高い熱電導率による強い冷却作用と、密閉室内の発生ガスにより加圧された新鮮な油をアークに吹き付けることによって消弧(アーク放電を消滅させること)させる。

(2)空気遮断器 15~30気圧の高圧空気を導体間に発生したアークに吹き付けて消弧させる。

(3)ガス遮断器 絶縁性能のよい六フッ化硫黄(いおう)ガスをアークに吹き付けて消弧させる。

(4)真空遮断器 10-8ミリ水銀柱程度の高真空容器中に乖離すべき2導体を置く。高真空はきわめて高い絶縁耐力をもっているため、この中で導体を乖離させれば消弧は速やかに行われる。

(5)磁気遮断器 発生したアークをアーク自身の電磁力により絶縁板中の細隙(さいげき)に送り込み、アークの長さを増大させることや、絶縁壁に押し付けることによる冷却効果でアーク電圧を高めて消弧させる。

 一般にこれらの遮断器は高電圧電路に用いられるが、6キロボルト級の電路には、磁気遮断器、真空遮断器、油遮断器などが多く使用され、60キロボルト以上の電路には、ガス遮断器、空気遮断器、真空遮断器などが使用される。

 電力系統には交流系統と直流系統とがあり、交流は半周期ごとに電流が0となるので、その瞬間に消弧の機会がある。しかし、直流は電流が0となることがないので、遮断しにくくなる。このため電圧3000ボルト以下の遮断器ではアーク電圧を高めることにより電流を減少させて遮断している。高電圧直流送電用の遮断器では、逆電流を重ね合わせて電流零点をつくり、交流遮断器を利用して遮断する方法(図A)と、抵抗を逐次挿入して電流を絞っていく方法などが用いられている。

 故障電流遮断器としては、このほかにヒューズがある。これは過大電流の通過による発熱で自らが溶断して電流遮断するようになっている。遮断器に比較して構造はきわめて簡単であり安価でもあるが、電流遮断のつど、ヒューズの取り替えを要するなど欠点も多い。

[岡村正巳・大浦好文]

ノーヒューズブレーカー

交流600ボルト、直流250ボルト以下の回路には、ノーヒューズブレーカーまたは配線用遮断器とよばれる一種の小型磁気遮断器が多く使用される(図B)。一般の遮断器は、故障電流の遮断はできても、故障電流が流れたことを検出する機能はもっていない。このため、故障発生をみつける継電器(リレーともいう)と組み合わせて使用される。それに対し、ノーヒューズブレーカーは、遮断器と継電器の機能をあわせもったもので、ブレーカー自体が故障電流を検知して遮断する。これと類似したものに、400ボルト以下の低圧回路に使用される漏電遮断器がある。

[岡村正巳・大浦好文]

遮断器の容量

遮断器は故障電流の遮断が可能なスイッチであるが、遮断できる能力には限界があり、設計時に決定される。その能力(定格遮断容量)は、三相回路の場合回路電圧(定格電圧)と遮断可能な短絡電流(定格遮断電流)とで次式のように表される(単相回路ではは不用)。


 遮断器は、短絡故障がすでに発生している電路を閉操作する場合もある。このときは遮断器閉操作と同時に短絡電流が流れるため、遮断器はただちに電流遮断しなければならない。遮断器閉操作から電流遮断するまでの時間は、きわめて短時間(普通は1秒以内)であるため、まだ閉操作が継続中の場合が多い。すなわち閉操作と遮断操作が同時に行われるが、このときは遮断操作が優先され、投入操作を継続していても、遮断が安全に行われ、ふたたび投入されることのないように設計されている。この機能を引き外し自由機能とよび、遮断器が保有すべき重要な機能の一つとされている。

[岡村正巳・大浦好文]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しゃだん‐き【遮断器】
〘名〙 送電線や配電線などの電気回路にとりつけられた電流の開閉装置。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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