@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

部派仏教【ぶはぶっきょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

部派仏教
ぶはぶっきょう
根本仏教から分裂した諸派の仏教。前2世紀から1世紀頃までに成立釈尊入滅から 100年ほどたった頃にそれまで一つにまとまっていた原始教団が,戒律の実践と釈尊の人間性を重視する上座部と,絶対者としての釈尊への信仰を重んじる大衆部に分裂,さらに大衆部から8部派,上座部から 10部派が分れた。これを 18部分裂と呼び,全部で 20部となった。大衆部系では大衆部のほか,多聞部説出世部が栄えたが,全体としては上座部系のほうが勢力があり,特に北インドでは上座部系の説一切有部が栄え,部派仏教のなかで最も有力であったが,4世紀頃からは正量部が栄えた。現在スリランカをはじめ南方に伝わる3仏教は上座部系である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ぶは‐ぶっきょう〔‐ブツケウ〕【部派仏教】
釈迦(しゃか)入滅後100年ごろから約300年の間に分立した諸派の仏教。アショカ王の時代に、教団が保守的な上座部と進歩的な大衆部とに分裂し、以後、上座部が11部、大衆部が9部の20部となった。のちにおこった大乗仏教からは小乗仏教と貶称(へんしょう)された。→小乗

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ぶはぶっきょう【部派仏教】
釈迦および直弟子時代の初期仏教を継承し,大乗仏教併存拮抗(きつこう)してインドに栄えた伝統的学派による仏教。新興の大乗仏教側からは,〈小乗仏教〉とけなされたが,正しくは〈部派仏教〉あるいは〈アビダルマ仏教〉と呼ばれるべきである。釈迦滅後100年,すなわちアショーカ王(前3世紀)のころ,仏教教団は保守的な上座部(テーラバーダ)と進歩的な大衆(だいしゆ)部(マハーサンギカ)とに分裂した。これは戒律や教理の解釈上の意見の対立によって分裂したもので,これを〈根本分裂〉と呼ぶ。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

部派仏教
ぶはぶっきょう

仏教の創始者釈尊の滅後100年または200年後のアショカ王のころから仏教教団は18から20の部派に分裂し、各部派は釈尊の残した教法を研究整理して独自の教義(論、アビダルマAbhidharma)をつくり、互いに煩瑣(はんさ)な論争に従事した。この時代の仏教を部派仏教またはアビダルマ仏教という。またのちにおこった大乗仏教からはその高踏的独善性を批判され、小乗仏教とも貶称(へんしょう)された。諸部派のうち大衆(だいしゅ)部、上座(じょうざ)部、化地(けじ)部、犢子(とくし)部、説一切有部(せついっさいうぶ)(有部とも略称)、経量(きょうりょう)部などがとくに重要である。現存のアビダルマ文献は主としてセイロン上座部と有部に所属するものが多い。

 部派仏教の論師たちは原始仏教以来の三法印(さんぼういん)「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」の意味をより精密に理解せんと努め、釈尊の忠実な継承者を志したということができる。すなわち「諸行無常」については無常の構造をより正確に説明せんとした。とくに有部は「三世実有説」を主張し、現象世界を構成する七十数個の法(ダルマ)が過去・現在・未来の三世に自己同一を保って実在し、ただ現在の一瞬のみ作用をおこしてわれわれに知られるのだとした。また「諸法無我」に関しては輪廻(りんね)や行為の主体を考究し、大衆部は根本識(こんぽんしき)、化地部は窮生死蘊(うん)、犢子部は非即非離蘊我、正量部は不失壊、経量部は種子(しゅうじ)の各存在を主張し、無我説との矛盾を解決しようとした。また輪廻の原因である煩悩(ぼんのう)や業(ごう)についても深い考察を行った。さらに「涅槃寂静」については、涅槃(悟り)の意味や涅槃へ至る修行過程などを細かく規定した。

 西暦紀元前後に興起した大乗仏教は、この煩瑣な体系に対し釈尊の真の精神を取り落としているとして反論し、一切皆空(いっさいかいくう)の思想と慈悲の精神に基づいて人々の救済を叫んだ。しかし碑文などの研究による限り、部派仏教は大乗仏教成立後も数世紀にわたってインドで大きな勢力を有していたらしい。部派仏教の研究は原始仏教、大乗仏教の教理・歴史を解明するうえでもきわめて重要である。

[加藤純章]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ぶは‐ぶっきょう ‥ブッケウ【部派仏教】
〘名〙 釈迦入滅後一〇〇年頃から約三〇〇年間に分立した諸派の仏教。アショカ王の時代に教団が保守的な上座部と進歩的な大衆部に分裂し、一説には、その後上座部系が一一部、大衆部系が九部の二〇部となったという。後に起こった大乗仏教からは小乗仏教と呼ばれ批判された。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

部派仏教」の用語解説はコトバンクが提供しています。

部派仏教の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation