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郷士【ごうし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

郷士
ごうし
江戸時代,城下町に住む武士に対して,農村に居住する武士をいった。本来,諸藩家臣兵農分離によって城下町に住むべきものとされていたが,農民支配の末端機構として郷士を利用するも少くなかった。また,財政難のために藩士を帰農させることもあり,新田開発に郷士を動員することもあった。郷士は地方によって呼び名が異なっており,薩摩藩の外城家中や土佐藩一領具足紀州藩の地士,藤堂藩の無足人などがその例である。その存在形態も異なるが,一般的に郷士は城下町の武士よりも身分的に低いものとされた。明治維新後は士族に編入された。

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朝日新聞掲載「キーワード」

郷士
江戸時代、武士の身分のまま農業に従事した「半士半農」。薩摩(鹿児島)では約100の「郷」(外城)という地域にわけて武士を配置する「外城(とじょう)制度」を採り、地方行政と防衛の任に当たらせていた。城下の武士からは蔑視されていたという。    * 誘NOW(いざなう)維新 150周年
(2018-09-01 朝日新聞 朝刊 鹿児島全県・1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ごう‐し〔ガウ‐〕【郷士】
江戸時代、武士の身分のまま農業に従事した。また、武士の待遇を受けていた農民。平時は農業、戦時には軍事に従った。郷侍(ごうざむらい)。

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ごうし【郷士】
江戸時代の武士は城下町居住を原則としていたが,これ以外に農村居住を原則としながら百姓ではなく,しかも武士的身分を与えられていたものが全国的に少なからず存在しており,これらを郷士と総称する。しかし,城下町に居住すべき正規の武士でありながら一時的に郷村に居住しているもの,また大藩の陪臣主人知行地に住んでいるものなどは郷士といわない。郷士は正規の武士より一段低い身分ではあったが,農民よりは上位の身分で,領内支配のかなめとなる場合もあった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ごうし【郷士】
江戸時代、農村に居住した武士。また、由緒ある旧家や名字帯刀を許された有力農民を指すこともある。後期には献金によって郷士となる者が多くなった。郷侍。金納郷士。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

郷士
ごうし
江戸時代、農村に住んだ武士。基本的要件は家臣団の一員で、知行を宛行(あてが)われ、軍役を負担したが、城下士身分とは別の武士身分であること。農村に住んでいても一時的に滞在する城下士や、富裕農民のうち苗字(みょうじ)帯刀を許され、郷士株を購入して武士身分となった者などは含まれない。名称は異なるが、こうした武士は水戸、大垣、阿波(あわ)、土佐、熊本、人吉、鹿児島、対馬(つしま)など全国に存在した。ことに四国、九州の外様(とざま)藩に多く、とくに鹿児島(薩摩(さつま))藩は外城制(とじょうせい)(1783年外城を郷と改称)があって、人員が多いばかりでなく、構成比も高く(住民の2割程度)、藩政における役割は際だって大きかった。同藩では戦国期から近世初期にかけて、島津氏の家臣は大名の政策で移動し、境界地域には大名に信頼された部将が配置され、衆中(しゅうじゅう)として領内各地に住んだ。農村に住んだ武士は、時代とともに農村生活に溶け込んで農耕にかかわり半農半士となった。元禄(げんろく)年間(18世紀)以降、治安が安定化し、本城の城下を中核として身分の序列化が進むと、本城の城下に住んだ武士は城下士身分、農村に住んだ武士は郷士(1780年衆中は郷士と改称)身分に分けられた。1786年(天明6)、城下士と郷士身分間の婚姻が禁じられ、両者の間に身分的上下関係が生まれた。郷士の多くは麓(ふもと)集落に集住し、実態としては農民だったが支配身分意識が強く、農村では優勢者も多くいて、村役人や地主となった地域統治者も多かった。1872年(明治5)太政官布告により士族とされて、郷士の称は廃止された。1914年(大正3)戸籍法上身分登記制が廃止された際、士族の称が消滅した。[三木 靖]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ごう‐し ガウ‥【郷士】
〘名〙
① 身分は武士と公認されながら、業態は庶民(農山漁村民)である者。事ある時には戦場に出る。郷侍。
※役者論語(1776)あやめぐさ「亀山近所の郷士(ゴウシ)にて有徳なる御人」
② 近世初期、領主の頻繁な交代時に、父祖伝来の地を固守し、新領主に旧格の特権を認めさせた家。
※越後軍記(1702)四「千本鎗とは越後の郷士(ガウシ)なり」

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

郷士
ごうし
江戸時代,農村に居住した武士の総称
辺境の外様大名領に多い。家臣を土着させた者,旧家土豪で苗字帯刀を許された者,献金などで士分に取り立てられた者などがあった。土佐藩の百人衆,薩摩藩の外城衆,肥後熊本藩の一領一匹は有名。1872(明治5)年太政官布告により士族となった。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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