●都市型災害【としがたさいがい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
都市型災害
としがたさいがい
都市に特有の,規模が拡大し複雑化した災害。都市的要因により災害の態様が質的に変貌し,二次的,三次的災害が発生し,都市機能を麻痺させることがある。阪神・淡路大震災(→兵庫県南部地震)の場合,地震発生に伴う家屋の倒壊,地割れなどの一次災害よりも,市街地の住宅密集地域で発生した大規模火災(二次災害)が被害を拡大。関東大震災以降最大の都市型災害となった。また近年,都市でヒート・アイランド現象がもたらす局地的集中豪雨(ゲリラ豪雨)が頻発し,新たな形態の水害が発生している。2000年9月,記録的豪雨により名古屋都市圏で大きな被害が出たことをうけ,建設省は都市型水害緊急検討委員会を設置。同年 11月,防災地図(ハザードマップ)の作成などを含めた最終提言をまとめ,官民一体となった防災対策を進めてきた。ほかにも都市部の局地的豪雨による中小河川の急激な増水,地下道路浸水,下水道事故等による人的被害など,新たな都市災害が多発している。
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