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金印勅書【きんいんちょくしょ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

金印勅書
きんいんちょくしょ
Bulla aurea; Goldene Bulle
黄金文書金印憲章とも呼ばれる。金板の印章を付した文書を一般に意味するが,歴史上,固有名詞としては特定の文書をさす。 (1) シチリアの金印勅書 (1212)  ドイツ王 (のちの神聖ローマ皇帝) フリードリヒ2世 (赤髯王) がボヘミアの自治権を確認した文書。 (2) 1222年の金勅書 ハンガリー王アンドラーシュ2世 (在位 1205~35) の乱費,散財が発端となり,貴族と聖職者が彼に書かせた勅書で,貴族の権利を保障したもの。貴族議会の定期開催,貴族の不法逮捕の禁止,教会と貴族の財産税免除,無料兵役の免除,外国人による土地所有の禁止,ユダヤ人とイスラム教徒の公職追放,王の官吏の権限縮小,王に対する貴族の抵抗権 ius resistendiの確立がうたわれ,歴代のハンガリー王はその宣誓を強いられた。 (3) リミニの金印勅書 (1226)  神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世がプロシアに対する主権をドイツ騎士団に授与した勅書。 (4) 1356年の金印勅書 神聖ローマ皇帝カルル4世が,ニュルンベルクおよびメッツ帝国議会発布した帝国法。大空位時代以後のドイツの政治的混乱を解決し,特に国王選挙 (→選挙王制 ) の手続と,選帝侯家柄規定した。選帝侯は7人とし,これに最高裁判権,鉱山採掘,貨幣鋳造,関税徴収などの諸特権が付与され,その領地は長子相続による国土不分割とされた。そのほかフェーデ (私闘) や封土保持者間の同盟禁止,都市域拡張の禁止なども規定された。選帝侯のみを対象とするこれらの規定は,次第に他の諸侯にも拡大され,領邦君主体制への転換を招来するものであった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

きんいん‐ちょくしょ【金印勅書】
1356年、神聖ローマ皇帝カール4世が発布した帝国法。皇帝選挙に関する手続きを規定し、七人の選帝侯地位・権限を確認したもの。文書の印章に黄金を用いたところからの名。黄金文書

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

きんいんちょくしょ【金印勅書 Die Goldene Bulle】
神聖ローマ皇帝カール4世が,1356年1月10日に,ドイツ国王(すなわち神聖ローマ帝国皇帝となる)の選挙制と選帝侯特権を主内容としてニュルンベルク帝国議会で発布した帝国法で,同年12月25日メッツの帝国議会で補足された。勅書の印璽に黄金を用いたため金印勅書(黄金文書)と呼ばれる。金印憲章と呼ばれることもある。31章から成るが新法ではなく,慣習法を成文化したもの。 神聖ローマ帝国では,1198年以来ことに大空位時代以後頻繁に王朝交代が生じ,この過程で選帝侯に独占的国王選挙権が獲得された。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きんいんちょくしょ【金印勅書】
神聖ローマ帝国皇帝カール四世が1356年発布した帝国法。皇帝(ドイツ国王)選挙の権利を七人の選帝侯に限定し、選帝侯領の地位と権力を公認。文書に金印を用いたところからいう。黄金文書。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

金印勅書
きんいんちょくしょ
Goldene Bulleドイツ語
1356年、神聖ローマ皇帝カール4世が発布した帝国法。黄金文書(もんじょ)ともいわれる。封蝋(ふうろう)に金箔(きんぱく)を置き、その上から捺印(なついん)されていたため、この名がある。皇帝選挙の手続と、選帝侯の法的地位を確定したもので、1806年の帝国解体まで効力をもち続けた。全文31章からなり、1~23章は1月10日のニュルンベルク帝国会議で、残り24~31章は12月25日のメッツ帝国公議で公布された。中心をなすのは1~7章である。選挙権は聖俗の7人の選帝侯に限られ、選挙は多数決によって決定される。マインツ大司教がフランクフルト・アム・マインに選挙会議を招集し、まずトリール大司教が投票、ケルン大司教、ベーメン王、ライン宮廷伯、ザクセン大侯、ブランデンブルク辺境伯の順でこれに続き、最後にマインツ大司教が投票する。選帝侯領は長子相続とされ、分割相続は禁止された。8~11章は選帝侯に特別な裁判権を認め、関税徴収権、貨幣鋳造権等の特権を与えている。12章では、年1回の選帝侯会議の招集を規定しているが、これは実現されなかった。15~16章は、ラント平和(フリーデ)のための同盟以外、都市同盟のようなあらゆる同盟を禁じ、市域外の住民に市民権を与えることを禁止しており、勅書の背後に大諸侯たちの反都市的政策があったことを示す。なお、勅書は教皇の皇帝承認権を完全に無視している。[平城照介]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

きんいん‐ちょくしょ【金印勅書】
一三五六年、神聖ローマ帝国皇帝カール四世が発布した帝国法。黄金の印を用いたところからこの名がある。二部三〇章からなり、皇帝選挙の手続きを確立し、七人の選帝侯の地位と権力を公認した。黄金文書(おうごんもんじょ)

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

金印勅書
きんいんちょくしょ
Goldene Bulle
1356年に神聖ローマ皇帝カール4世が発布した,皇帝選挙の手続きを規定した勅令。文書の印章に黄金が用いられたことからこの名があり,黄金文書ともいう
皇帝相続の混乱を防ぐため,ニュルンベルクおよびメッツの帝国議会で発布。31章からなる。選帝侯はマインツ・トリール・ケルンの三大司教とベーメン(ボヘミア)・ファルツ・ザクセン・ブランデンブルクの4世俗諸侯で,その権威は皇帝をしのぎ,裁判権や貨幣鋳造権等の特権も認められたため,ドイツは領邦国家に分かれて地方割拠の形勢へ向かった。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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