●金融資本論【きんゆうしほんろん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
金融資本論
きんゆうしほんろん
Das Finanzkapital
R.ヒルファーディングの主著で,1910年刊行。マルクスがまったく予見することのできなかった 19世紀後半から 20世紀初頭にかけての資本主義の構造変化 (帝国主義) を叙述し,問題を提起・分析した。現代資本主義の特徴をカルテルやトラストの形成,および銀行資本と産業資本の緊密化ととらえ,この後者から成立する金融資本を分析の対象とした。その反面,貨幣論においてマルクス経済理論についての誤解がみられ,またマルクス陣営からの批判によって永く顧みられることがなかった。しかし戦後,その復刻版が出版され,マルクス主義経済学の古典としての地位を確立している。
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世界大百科事典 第2版
きんゆうしほんろん【金融資本論 Das Finanzkapital[ドイツ]】
1910年に刊行されたR.ヒルファディングの主著。〈資本主義の最近の発展に関する研究〉という副題がつけられている。叢書《マルクス研究》の第3巻として刊行された。金融資本の概念をはじめて明らかにし,帝国主義を金融資本の政策とすることにより,修正主義への解答をはたすとともに帝国主義論の本格的研究の基礎を築いた。本書の課題は,産業独占と金融資本の2面からなる高度の集積過程として現代資本主義を特徴づけることにあった。
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