●金襴【きんらん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
金襴
きんらん
斜文,琥珀,繻子,紗などの地組織に金切箔または金糸などで紋様を織り出した美麗豪華な織物。この技法は天正年間 (1573~92) ,中国から堺に伝わり,のち京都の西陣で盛んに織られた。繊維は絹や綿。本金襴 (純絹) は能装束,袈裟 (けさ) ,帯,装飾用布地,綿金襴は雛衣裳用とされる。銀糸を用いたものを銀襴と呼ぶ。
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デジタル大辞泉
きん‐らん【金×襴】
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世界大百科事典 第2版
きんらん【金襴】
金糸を絵緯(えぬき)として文様を織り出した織物。中国では〈織金(しよくきん)〉という。織造期は宋代とされ,日本には鎌倉時代のころ入宋の禅僧が伝法のしるしとした袈裟の裂,あるいは書画などの付属品として持ち帰った。室町時代には朝貢の返礼として,また交易品として盛んに舶載されるようになり,それらのうちで茶道の仕覆(しふく)や軸物の表装などに用いられたものが〈名物裂〉として珍重され,今日に伝えられている。金襴の名称の起りは判然としないが,元代の《事林歴記》官民服飾の条に〈四品五品金袖襴〉とあり,これが袖と襴(衣の裾につく襞)に金文のある衣服と解釈されることから,襴に金文のある〈金襴衣〉の名が日本で転じて織物の名称として用いられるようになったと思われる。
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精選版 日本国語大辞典
きん‐らん【金襴】
〘名〙 織物の一種。綾、繻子(しゅす)、羅、紗(しゃ)などの緯(よこいと)に、紙に金箔をはってこれを細く切った平金糸で模様を織り出したもの。地質、地色で種々に分類する。織金(おりきん)。
※太平記(14C後)一二「其衣裳は豹虎皮を行騰(むかばき)に裁ち、金襴(きんラン)纐纈(かうけつ)を直垂に縫へり」
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