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銑鉄【せんてつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

銑鉄
せんてつ
pig iron
鉄の高炉で生産される粗製の。通常炭素 3~4%,ケイ素 Si 0.5~1.4%,マンガン Mn 0.2~1.0%,ほかに不純物としてリン,硫黄,銅などを含み,製鋼原料となる。以前は特にリンの多いトマス,あるいはケイ素,マンガンの多いベッセマー銑もつくられたが,現在はほとんど塩基性酸素製用である。成分中のケイ素は炭素を黒鉛化して遊離させ,マンガンは炭素をセメンタイト化する作用があるので,Si/Mn比の高いものは遊離炭素が多く破面が薄黒いのでねずみ銑または灰銑,低いものはセメンタイトが多く破面が白いので白銑,中間を斑銑(まだらせん)という。製鋼用銑は一般に白銑に近い(→鋳鉄)。日本工業規格 JISでは鋳鉄品原料も銑鉄の名で規格しているが,これは別に組成を調整したものである。標記の英語は,18世紀頃高炉前鋳床に溶銑を流して鋳造した鋳塊の形がブタに似ていたことに由来する。(→製銑

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デジタル大辞泉

せん‐てつ【×銑鉄】
鉄鉱石溶鉱炉還元して取り出した鉄。3~4パーセントの炭素と少量の珪素(けいそ)硫黄燐(りん)などの不純物を含み、硬くてもろい。大部分は製鋼用に、一部は鋳物用に使われる。ずく鉄。ずく。

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ずく‐てつ〔づく‐〕【×銑鉄】
銑鉄(せんてつ)の俗称。

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世界大百科事典 第2版

せんてつ【銑鉄 pig iron】
鉄を炭素含有量によって分類するとき,炭素約2.0%以上のものを銑鉄,それ以下のものをという。われわれの最も身近にある鉄は鋼であるが,それはおもに銑鉄からつくられている。この場合の銑鉄は製鋼用銑と呼ばれ,鋼にくらべて,とくに炭素を多く含む点に特徴がある。もともと鉄の原料は鉄鉱石であるが,現在この鉄鉱石から鉄を取り出すには,高炉を用いるのが最も容易であり,安価である。しかし,この場合はコークスを用いるため,コークス中の炭素が必ず鉄に溶けこみ鉄は銑鉄になる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

銑鉄
せんてつ
pig iron

溶鉱炉によってつくられた高炭素の鉄。現在広く行われている鉄鋼製錬の工程は、まず鉄鉱石と造滓(ぞうさい)剤である石灰石と燃料および還元剤としてのコークスを溶鉱炉に装入し熱風を吹き込んで鉄鉱石を加熱、還元し、炭素を4%前後含む溶融状態の鉄とする。これを銑鉄という。この銑鉄を転炉に移し、酸素を吹き付けて炭素やその他の不純物を酸化して除去し、これを凝固させて圧延その他の塑性加工により鋼の板や棒をつくる。銑鉄にはこのように鋼の原料に用いる製鋼用銑鉄と、酸化製錬をせずに成分を調整して鋳鉄鋳物にするための鋳物用銑鉄とがある。鋳鉄鋳物には凝固時に黒鉛結晶を形成させる必要があるので、鋳物用銑鉄は製鋼用銑鉄に比べてケイ素が多くマンガンが少なく、またその他の微量不純物も鉄鉱石を吟味して少なくしている。溶鉱炉でつくった銑鉄を高炉銑、電気炉でつくったものを電気銑、木炭を還元剤および燃料としてつくったものを木炭銑、酸性転炉用の製鋼用銑をベッセマー銑、その他とくにリンの少ない低リン銑やケイ素の多いシルバリー銑、バナジウムとチタンとを含むバンチット銑など種々の特殊銑鉄がつくられている。

[井川克也]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ずく‐てつ づく‥【銑鉄】
〘名〙 溶鉱炉から鋳型に流しこみ、かたまらせたなまこ形の不純な鉄。その色によって白銑鉄・ねずみ銑鉄に分ける。ずく。せんてつ。
※通常金石(1882)〈辻敬之〉金類「生鉄(ヅクテツ)

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せん‐てつ【銑鉄】
〘名〙 鉄鉱石をコークスまたは木炭などで還元して得られる高炭素の鉄。ふつう三~四パーセントの炭素と少量の珪素・マンガン・燐・硫黄などを含む。ほとんどは高炉でつくられ、製鋼用銑と鋳物用銑に大別される。ずく。ずくてつ。生鉄。〔工学字彙(1886)〕

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化学辞典 第2版

銑鉄
センテツ
pig iron

溶鉱炉(高炉)内で鉄鉱石の還元により生成した鉄.銑鉄は還元剤のコークスと接触して炭素を多量に吸収し,副原料の鉄マンガン鉱からのマンガン,鉱石から還元されたケイ素,リン,また,コークスや重油からの硫黄をも吸収する.以上の成分元素を5元素とよび,鉄鋼製錬過程では非常に重要なものである.このほかにもチタンクロムニッケル,銅などもごく微量入れることがある.これら成分元素の含有量は,操業条件によって多少制御することができる.銑鉄はその用途によって,鋳物用と製鋼用の二つに大別できる.鋳物用の特徴は湯流れをよくするためにケイ素量が多い.各銑鉄の組成の一例を次に示す.

鋳物用銑は,高炉から出ると小さな鋳型に鋳込まれて,鋳物原料となる.銑鉄の大部分を占める製鋼用銑は,溶けたまま製鋼工場に運ばれ,転炉などによって酸化製錬をうけて鉄以外の成分元素の少ない鋼となる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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