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鋳物師(いものし)【いものし】

日本大百科全書(ニッポニカ)

鋳物師(いものし)
いものし

「いもじ」ともいい、銅、鉄を材料としておもに生活用具を鋳造する職人。その技術は、金属加工の導入された前3世紀には、鍛造(打物(うちもの)、鍛冶(かじ))と並んで始められていて、やがて、鏡作(かがみつくり)、金仏(かなぶつ)工といった工人が生まれた。古代末期の12世紀には、需要の増加によって、鋳物師が鍛冶(打物師)とともに職人として専業化した。おもに鋳物師は鍋(なべ)、釜(かま)といった生活用具や鍬(くわ)、鋤(すき)といった農耕具を生産していた。多く集団で生産し、その製品を販売していた。

 中世の特産地は、河内(かわち)の丹南、大和(やまと)の下田、京の三条、播磨(はりま)の野里、能登(のと)の中居、相模(さがみ)の鎌倉、下野(しもつけ)の天明などで、なかには座(ざ)としての特権をもっていたものもあった。江戸初期にはかわって越中(えっちゅう)の高岡、筑前(ちくぜん)の芦屋、武蔵(むさし)の川口などの鋳物業がおこった。このころでは御用鋳物師といわれる特権的な真継(まつぎ)家に支配される諸国の鋳物師と、株仲間を組織した三都の鋳物師とが生産と経営を維持していた。一般に居職(いじょく)であるが、梵鐘(ぼんしょう)などの生産のときは出職(でしょく)することもあった。また、鏡の鏡師、茶釜の釜師、仏具の仏具師が分化した。工具は、粘土または金属製のるつぼ、甑(こしき)、取瓶(とりべ)、鋳型とふいごである。仕事は鋳型つくりが主で、粘土、蝋(ろう)、金属、木などの原型により土や砂でつくられた。惣(そう)型、砂型、込(こみ)型などがあり、量産された。日常的な鍋、釜を修理する鋳掛師(鋳掛屋)も近世には分化していた。

[遠藤元男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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