●鋳鉄【ちゅうてつ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
鋳鉄
ちゅうてつ
cast iron
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デジタル大辞泉
ちゅう‐てつ〔チウ‐〕【鋳鉄】
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い‐てつ【鋳鉄】
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世界大百科事典 第2版
ちゅうてつ【鋳鉄】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
鋳鉄
ちゅうてつ
cast iron
鋳物用に使われる高炭素の鉄。現代は鉄の時代といわれ、構造物や機械の基礎材料として広く用いられている。この鉄は鋼(はがね)と鋳鉄とに大別され、前者は炭素含有量が2%以下(ほとんどの鋼は1%以下)で圧延や線引きなどの塑性加工に適するが、後者は炭素含有量が2%以上(ほとんどの鋳鉄は3%以上)で溶融点が低く、鋳型内での流動も容易で鋳物用金属として広く用いられる。鋳物は鋳鉄のほかに鋼や銅合金や軽合金によってもつくられるが、鋳物全体のうち鋳鉄製のものが約80%を占める。
鋳鉄は炭素のほかにケイ素を1~2%含むが、ケイ素が多いと炭素が黒鉛の結晶として鋳鉄の組織中に現れる。その形は薄片状を呈しているので、鋳鉄はここから折れやすく、鋼に比べてもろい欠点がある。また折れ口に現れる黒鉛の結晶がねずみ色を呈するので、このような鋳鉄をねずみ鋳鉄という。また機械的性質が鋼ほど優れていないので「ずく鋳物」などの現場用語も用いられる。
鋳鉄の機械的性質を改良するために炭素量を減らして黒鉛結晶の量や大きさを減少させたものを高級鋳鉄あるいは強靭(きょうじん)鋳鉄という。また、ケイ素量を減らして黒鉛結晶のかわりに鉄と炭素との化合物であるセメンタイトFe3C結晶を生じさせ、その後これを焼鈍して塊状の黒鉛結晶にして機械的性質を向上させたものを可鍛鋳鉄という。さらにマグネシウムあるいはセリウムを少量添加してから鋳型に鋳造して凝固させると、黒鉛結晶が球形に現れて機械的性質は格段に向上し鋼の性質に近くなる。これは球状黒鉛鋳鉄とよばれ、水道用鋳鉄管や自動車のクランクシャフトその他の強度部材に広く使われている。
前述の薄片状の黒鉛結晶は機械的性質に関しては弱点となっているが、一方、振動を吸収したり、熱伝導を促進したり、潤滑油を含浸して摺動(しゅうどう)部分の耐摩耗性を向上したりするなどの工学的に優れた性質を鋳鉄に与えている。
ケイ素を減らしたりクロムを増したりすると、黒鉛のかわりにセメンタイトを生じて非常に硬い鋳鉄が得られる。破面が白いので白(はく)鋳鉄とよばれ、耐土砂摩耗材料などに用いられる。そのほか、ニッケル、クロム、モリブデン、ケイ素などをとくに加えて耐腐食、耐高温、耐酸化などの性質を与えた特殊鋳鉄も数多くあり、歴史的にも鋳鉄は古くから人類に親しまれた材料である。
[井川克也]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典
い‐てつ【鋳鉄】
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ちゅう‐てつ チウ‥【鋳鉄】
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化学辞典 第2版
鋳鉄
チュウテツ
cast iron
約2質量% 以上のCを含み,主として鋳物として用いられる鉄合金.C 2.5~4.0質量% の範囲のものが多く,CのほかにMn,Si,Pなども少量含まれる.成形加工性に乏しく細い線や薄い板に加工することはできないが,溶融温度が純鉄や鋳鋼より300~400 ℃ も低いため,複雑な形や肉厚の薄い部分のある鋳物がつくりやすい.CがセメンタイトFe3Cの形で組織中に含まれていて破面が白色を呈するものを白鋳鉄,Cが凝固時に黒鉛の形で晶出し,破面がねずみ色を呈するものをねずみ鋳鉄または灰鋳鉄とよぶ.前者はいちじるしく硬くて耐摩耗性に富むためチルド鋳物として圧延ロールや製粉ロールなどのほか,熱処理をほどこして黒心可鍛鋳鉄を製造するための素材として用いられる.大部分の鋳鉄は後者に属し,黒鉛の大きさや形状によって普通鋳鉄,高級鋳鉄,球状黒鉛鋳鉄などに分けられ,この順に機械的性質は向上して球状黒鉛鋳鉄では引張強さが80 kg mm-2 を超えるものまで生産されている.いずれも切削加工は容易で,自動車,電車,鉛,各種機械などの部品や,直径の大きい水道管,ガス管など多方面に用いられている.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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