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鋳鋼【ちゅうこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

鋳鋼
ちゅうこう
cast steel
鋳造用の種で,炭素鋳鋼と合金鋳鋼がある。鋼は一般に鋳鉄より溶湯 (溶融金属) の流れが悪く,鋳造に適しないとされていたが,材料,技術の進歩に伴い,生産性の高い長所が買われ鋳造が盛んに行なわれるようになった。切削や鍛造仕上げの困難な複雑な形状のものに特に適する。原料の溶解はエルー炉が多く,誘導炉も用いられる。鋳型はすべて砂型で,生型,Vプロセス,自硬性 (有機,無機) ,ガス硬化,加熱硬化法などが用いられる。凝固収縮 (→引け巣 ) が大きいので大きな押し湯をつけ,ここに引け巣をつくらせてあとで切り落とす。そのため歩留まりは悪くなる。炭素鋳鋼の材質はだいたい炭素 0.1~0.4%の構造用鋼の範囲で,適用品目は歯車,クランク軸,フレーム,車輪,シリンダ,無限軌道,圧延ロールなど。合金鋳鋼の材質はほとんどあらゆる構造用低合金鋼,耐熱鋼・ステンレス鋼の一部,高マンガン鋼など。また切削,鍛造のできない磁石鋼 (MK鋼) は鋳造によらなければならない。高合金鋳鋼品の多くは鋳造後熱処理を必要とする。普通品は鋳造後焼鈍または焼準するが,強度を要する場合は焼準後焼入れ焼戻しをする。高マンガン鋼では水靭という特殊な高温焼入れを行なう。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ちゅう‐こう〔チウカウ〕【鋳鋼】
鋳造に用いられる、炭素含有量1パーセント以下の。鍛造では作りにくい複雑な形で、鋳鉄鋳物(いもの)では強度が不足する場合に用いられる。鋼鋳物(はがねいもの)。

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世界大百科事典 第2版

ちゅうこう【鋳鋼】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

鋳鋼
ちゅうこう
steel casting
cast steel

鋼を溶融し、鋳型に注入して凝固させてつくった鋳物を鋼鋳物(はがねいもの)とよび、鋼鋳物に使われる材料を鋳鋼という。もっとも多く使われる鋳鋼は特殊元素を含まない炭素鋼鋳鋼品で、炭素0.2%以下を低炭素鋼鋳鋼、炭素0.2~0.5%を中炭素鋼鋳鋼、炭素0.5%以上を高炭素鋼鋳鋼とよぶ。炭素が増加するにつれて引張り強さは増加し、伸びは減少する。その他の成分はマンガン0.5~0.9%、ケイ素0.2~0.6%程度である。鋳鉄鋳物よりも強さと伸びが大きいので重要強度部材に用いられるが、溶融温度が高く、鋳型との反応も激しく、凝固収縮も大きく鋳造欠陥も生じやすいので十分な欠陥検査と高度な鋳造技術とを必要とする。さらに強度向上のためにニッケル、クロム、モリブデンを数%以内で加えた低合金鋳鋼や、耐腐食、耐熱、耐摩耗の目的でニッケル、クロム、マンガンなどを20%前後まで加えた高合金鋳鋼も広く使われている。

[井川克也]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ちゅう‐こう チウカウ【鋳鋼】
〘名〙 鋳型(いがた)に流し込んで成形した鋼(はがね)。溶鋼を直接製品化でき、鋳鉄より伸びと引張り強さが大きいが鍛造鋼よりもろい。〔工学字彙(1886)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

鋳鋼
チュウコウ
cast steel

鋳物として用いられる鋼.C含有量は0.1~0.5質量% 程度のものが主で,鋳鉄のC量よりはるかに少ないため,溶融温度が高くて鋳造性はよいとはいえないが,鍛造品や圧延鋼材ではつくりにくい複雑な形の製品で,しかも鋳鉄では強度が不足し,かつもろいため長期間の使用に耐えないような機械部品などの製造に利用される.C以外に特別な合金元素を含まないものを普通鋳鋼(0.8質量% 程度までのMnと,0.5質量% 程度までのSiを含む),また特殊な性質を与える目的で合金元素を添加したものを合金鋳鋼という.自動車,そのほかの機械類の部品やブルドーザーのキャタピラ,化学工業などで使うバルブ,ポンプ(ステンレス鋳鋼),鉄道のレールクロッシング(1.2質量% C-12質量% Mnの高Mn鋳鋼),石油化学工業のリフォーマー管などに使われる高圧力遠心耐熱鋳鋼管(0.4質量% C-25質量% Cr-24質量% Ni鋼など),さらには1個数十 t の蒸気タービンケーシング(1質量% Cr-1質量% Mo-0.5質量% V鋼),300~400 t の圧延機用スタンド(普通鋳鋼)などもつくられる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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