●鎌倉府【かまくらふ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
鎌倉府
かまくらふ
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デジタル大辞泉
かまくら‐ふ【鎌倉府】
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世界大百科事典 第2版
かまくらふ【鎌倉府】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
鎌倉府
かまくらふ
室町幕府が鎌倉に設置した地方行政機関名。関東府ともいう。鎌倉公方(くぼう)とその補佐役関東管領(かんれい)を中心に、関東の政務をとった。足利尊氏(あしかがたかうじ)は鎌倉の重要性を認識し、嫡子義詮(よしあきら)を鎌倉に置き東国を統治させた。1349年(正平4・貞和5)義詮にかわり弟の基氏(もとうじ)がいわゆる鎌倉公方に就任し、以後その子孫(氏満(うじみつ)、満兼(みつかね)、持氏(もちうじ))がこの職を世襲し、鎌倉府を運営した。持氏のとき将軍継嗣(けいし)問題が原因で幕府への不満を公然と現したことから、幕府派の管領上杉氏と対立し、結局幕府の追討を受け持氏は敗死した(永享(えいきょう)の乱)。公方が未補任(ぶにん)のため鎌倉府は管領上杉氏により運営されていたが、鎌倉府家臣らの要請で持氏の子成氏(しげうじ)が公方に就任し、もとの鎌倉府体制に戻った。しかし成氏と上杉氏との関係はよくならず、成氏による上杉憲忠(のりただ)殺害事件が起こり、結局上杉氏により成氏は下総古河(しもうさこが)(茨城県古河市)に追われ、管領上杉氏を中心とする変則的な政治体制となった。しかしこの状態も長くは続かず、管領上杉氏も内部分裂をし、事実上鎌倉府は崩壊した。鎌倉府は鎌倉公方、関東管領を中心に、各国ごとに置かれていた守護を通して統治を行った。鎌倉府の統轄していた国は、義詮・基氏時代は11か国(伊豆、甲斐(かい)、信濃(しなの)、相模(さがみ)、武蔵(むさし)、上野(こうずけ)、下野(しもつけ)、上総(かずさ)、下総、安房(あわ)、常陸(ひたち))であったが、氏満時代になると信濃が幕府の支配下に入り、かわって陸奥(むつ)、出羽両国が鎌倉府の管轄になるなど、ときの政治状況に応じて変化している。鎌倉府成立当初は、混乱した政治状況により軍事権のみを行使する軍事機関であったが、観応(かんのう)の擾乱(じょうらん)を境に幕府に準じた組織をもつ地方行政機関に変化した。それに伴い鎌倉府が行使しうる権限も、警察権や土地支配権など広範囲に及んだ。しかし関東への国家公権に関することや、支配領国の変更、有力寺社代表者の補任権、所領の安堵(あんど)権などは、幕府が最終的に保有していたため、鎌倉府と幕府との争いが絶えず、さらに鎌倉府内部においても、鎌倉公方と関東管領上杉氏とが政治の主導権争いを繰り返すなど、結局これらが原因で鎌倉府は崩壊している。
[小要 博]
『渡辺世祐著『関東中心足利時代之研究』(1971・新人物往来社)』▽『『神奈川県史 通史編1 原始・古代・中世』(1981・財団法人神奈川県弘済会)』
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精選版 日本国語大辞典
かまくら‐ふ【鎌倉府】
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旺文社日本史事典 三訂版
鎌倉府
かまくらふ
足利尊氏は関東が鎌倉幕府以来武家政権の根拠地であることを重視し,初め弟直義 (ただよし) を,ついで義詮 (よしあきら) を鎌倉に置いたが,1349年基氏を義詮と交代させた。以後氏満・満兼・持氏と基氏の子孫が継承したが,永享の乱(1438〜39)で衰え,有名無実化した。鎌倉府の長官を鎌倉公方といい,上杉氏が関東管領職を世襲した。相模・武蔵・安房 (あわ) ・上総・下総・常陸 (ひたち) ・上野 (こうずけ) ・下野 (しもつけ) ・甲斐・伊豆の10カ国を支配。
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