●開口数【かいこうすう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
開口数
かいこうすう
numerical aperture
光学器械,おもに顕微鏡のレンズの分解能や光像の明るさを表わす数値。略号 NAを用いる。対物レンズの鏡筒に刻んであり,数値が大きいほど光学器械の性能がよい。一般に,屈折率 n の媒質中にある光軸上の物点からの光が,対物レンズの有効半径に対して入射する角を θ とするとき,開口数は NA=n sin θ で表わされる。媒質が空気のときは,n=1 であるから NA= sin θ になる。顕微鏡では開口数を増すために,対物レンズと物体のカバーガラスとの間を,屈折率の大きい液体で浸す液浸法が使われる。
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デジタル大辞泉
かいこう‐すう【開口数】
光学顕微鏡の対物レンズの解像力を示す量の一。光軸上の物体からレンズの有効半径を見る角の正弦と、物体の存在する媒質の屈折率との積。この値が大きいほど解像力がよい。NA(numerical aperture)。
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世界大百科事典 第2版
かいこうすう【開口数 numerical aperture】
光学系の明るさおよび分解能を表す量(略号,NA)。媒質の屈折率をn,光軸上の物点から出る光線が入射ひとみ(光学系の有効口径)の半径に対して張る角をαとしてn・sinαで表される。例えば顕微鏡では区別して見ることのできる物体の2点間の最小距離を解像限界と呼び,これは無収差結像の場合0.61λ/NAで与えられる(λは使用波長)。すなわち解像限界は開口数に逆比例して決まり,倍率によるのではない。顕微鏡対物レンズには倍率とともに開口数の値が必ず表示してあるのはこのためである。
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