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開発【カイハツ】

デジタル大辞泉

かい‐はつ【開発】
[名](スル)
土地・鉱産物・水力などの天然資源を活用して、農場・工場・住宅などをつくり、その地域の産業や交通を盛んにすること。「農地を開発する」「未開発
新しい技術や製品を実用化すること。「新製品を開発する」
知恵や能力などを導きだし、活用させること。「子供の情操を開発する」→注入
[補説]明治期には「かいほつ」とも読んだ。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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かい‐ほつ【開発】
[名](スル)かいはつ(開発)」に同じ。
「田地(でんじ)ヲ―スル」〈和英語林集成

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世界大百科事典 第2版

かいほつ【開発】
〈かいはつ〉ともいう。荒野荒蕪地開墾することは超時代的に行われたことであるが,とくに平安期から鎌倉期にかけての開発は,荘園制領主制・中世村落など中世社会骨格となる諸要素形成の基礎となった。用語面でも,初期荘園の開墾では〈墾開〉〈治開〉とかが用いられたが,平安初期になると〈開発〉がしだいに使用されるようになる。またその開発対象地を〈荒野(こうや)〉〈常々荒野〉〈無主荒野〉などと称することが10世紀後半以後一般化した。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

かいはつ【開発】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

開発
かいはつ

日本において開発ということばは江戸時代前半期に行われた新田開発として使われている。新田開発とは、用水、堤防、干拓、埋立てによる原野、三角州、潟湖(せきこ)、海岸の耕地開発を意味し、その背景には当時の鉱山採掘技術と用水土木技術の発達と土地所有の成立という事実がある。その後、物心ともに荒廃した農村を活性化させることに成功した二宮尊徳(にのみやそんとく)の桜町仕法や日光仕法は、今日のことばでいえばコミュニティ・デベロップメントを意味する。つまり桜町開発計画および日光開発計画とほぼ同義である。また、明治以後の北海道開発の歴史は、「拓殖」という文字が端的に示すように、「拓地殖民」すなわち開拓と殖民の歴史であった。日本においては開発ということばに以上のような歴史的なニュアンスが含まれている。

 ところで英語のdevelopは、他動詞では開発だが、自動詞では発展ということを意味している。これは開発理念を考える場合に重要な問題を提起している。すなわち、開発の成否が住民の自助努力を不可欠とすること、また経済開発と社会開発が車の両輪のごとく連動して進展しなければ十分な成果をあげえないということを含意しているからである。

[伊藤善市]

開発問題の背景

後進地域の開発問題が現代的課題として本格的に登場するようになったのは、20世紀に入ってからであるが、それには次のような背景があった。すなわち、一方において、後発国ないし発展途上国のナショナリズムの要求、および国際経済の拡大均衡の要求という潮流がそれである。また他方において、同一国内における経済社会水準の地域格差と過密・過疎問題の発生に随伴して発生した社会的緊張の増大に対する是正の要求がある。さらに第二次世界大戦後の高度成長によって引き起こされた社会的アンバランスの激化と情報化の進展がこれに拍車をかけたという事実がある。国際関係と国内関係を同一視することには問題があろう。しかしそれにもかかわらず、両者に共通するものは、長期展望にたった計画的志向なしには経済社会の安定と進歩を保証しえなくなったという認識である。不完全雇用下においても、また低開発下においても均衡が成立しうる以上、完全雇用と完全利用のための開発政策、さらに先行投資としての開発投資の役割は重要であるといわなければならない。

 戦後30余年にわたる日本における地域開発の政策理念を振り返ってみると、昭和20年代は食糧増産、地下資源の開発といった資源開発の時代であったが、昭和30年代は産業基盤の造成、地域格差の是正が重要な課題であった。さらに昭和40年代から50年代にかけては、過密・過疎問題や環境問題が中心的課題になった。しかし、開発理念に変遷があったとはいえ、三つの全国総合開発計画を吟味してみると、そこにはいわゆる生活圏構想が一貫して貫かれており、生活圏で核となるべき地方中堅都市の育成が、その戦略として重視されてきたことを確認することができる。

[伊藤善市]

開発政策の課題

地域問題は単に経済問題だけにとどまるものではない。それは社会、文化、政治などの複合的課題であり、地域開発に伴う経済の成長は、社会、文化、政治の各領域に変動を引き起こす。地域開発の究極のねらいとする豊かな社会の形成は、国全体としても、また各地域や各個人にしても、所得や富が増えるだけにとどまらず、同時に心も豊かになり、外部世界に向かって幸福を広げることでなければならない。所得や富を増やす能力の向上と並んで、それを賢明にしかも有効に利用する能力の向上が、あわせて要求されるのである。とくに都市生活者が着実に増大することが予想されるのであるから、これからは経済的動機と並んで人間的動機を重視し、効率の原則と並んで必要の原則を重視する必要がある。

[伊藤善市]

『伊藤善市著『都市化時代の開発政策』(1969・春秋社)』『伊藤善市著『地域開発論』(1979・旺文社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かい‐はつ【開発】
〘名〙
① 森林や荒れ地などを切り開いて田畑にすること。かいほつ。〔運歩色葉(1548)〕
② 開き始まること。また、開き始めること。かいほつ。
※楽屋図会拾遺(1802)上「人形道具等に美をつくしければ繁昌なる事日々にさかんなり。是筑後の芝居の開発(カイハツ)なり」
③ 知識などを開き導くこと。かいほつ。
※代議政体(1875‐79)〈永峰秀樹訳〉二「人力人智の二者に於て国民の道義を開発誘導する至って大なり」 〔後漢書‐郎顗伝〕
④ 産業を興して、天然資源を生活に役立つようにすること。
※商法(明治三二年)(1899)二八六条「資源の開発」
⑤ 新しいものを考え出し、実用化すること。
※将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉二「戦争の常に絶へざる場合に於ては武備機関は独り愈開発し、生産の機関は愈々収縮するに到るなり」
※空気頭(1967)〈藤枝静男〉「新しく開発されたグラスファイバー製の気管支鏡」
⑥ 児童の教育で、問答法などを用いて、自発的に学習、理解をうながす方法。ペスタロッチの唱えたもの。開発教授。⇔注入
[補注]「かいはつ」と読むか「かいほつ」と読むか明らかでない実例が多い。「和英語林集成」の初版と再版には「かいほつ」だけがあり、改正増補版では「かいはつ」だけが出ているから、明治一〇年前後から次第に「かいはつ」が普通になってきたと思われるが、読み方不明の実例は、明治以降のものはすべて「かいはつ」、それ以前は「かいほつ」とした。

出典:精選版 日本国語大辞典
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かい‐ほつ【開発】
〘名〙
※三代格‐七・大同四年(809)九月二七日「又或前時荒廃、後人開発、或去年有荒、今年開営」
※頭書大全世界国尽(1869)〈福沢諭吉〉四「新地開発(カイホツ)おこたらず」
※四河入海(17C前)七「開と云は潭洞が出生するを云ぞ。初て開発する心ぞ」
※正法眼蔵(1231‐53)梅華「孚上座(ふじゃうざ)はもと講者なり、夾山(かっさん)の典座に開発せられて大悟せり」
※信長記(1622)一五下「終に惑乱開発(カイホツ)に至らざる事は、畢竟文道を暁し給はず」
[補注]→「かいはつ(開発)」の補注

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