●間質性肺炎【カンシツセイハイエン】
デジタル大辞泉
かんしつせい‐はいえん【間質性肺炎】
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家庭医学館
かんしつせいはいえん【間質性肺炎 (Interstitial Pneumonia)】
肺実質とは、酸素を体内に取り込んだり、二酸化炭素(炭酸ガス)を体外へ排出するガス交換の場のことで、空気にふれている部分です。
これに対して肺間質とは、結合組織などによって、そのようなガス交換の場を形成している、肺の骨格的な部分をいいます(図「肺胞の形態(肺胞壁の模式)」)。
肺実質におこる病気としては、細菌が原因となって発病する細菌性肺炎(さいきんせいはいえん)が代表的なもので、ふつう「肺炎」といっているのは、こうした感染によっておこる病気です。
一方、間質性肺炎は、なんらかの原因で、主として肺の間質に炎症がおこり、時間の経過とともに、だんだんに間質の線維成分が増えて、いわゆる線維化(せんいか)という、組織の柔軟性が失われる病変が、間質を中心におこってくる病気です。
間質性肺炎には、突然発病し、急激に進行して肺の柔軟性が失われ、肺活量など、肺の機能が低下して、その結果、酸素の体内への取り込み不足、呼吸不全(こきゅうふぜん)といった病態になることがあります。このような経過をとるものを、急性間質性肺炎(きゅうせいかんしつせいはいえん)といいます。
また、肺間質に長い期間にわたり持続的に炎症がみられ、線維化がゆっくりと進むタイプの間質性肺炎もあって、こういう病態を示すものを、特発性肺線維症(とくはつせいはいせんいしょう)、あるいは特発性間質性肺炎(とくはつせいかんしつせいはいえん)と呼んでいます。
特発性肺線維症という病名は、炎症性病変の終末像である線維化に焦点をあてたものであり、諸外国でよく用いられている病名です。
一方、特発性間質性肺炎という病名は、肺の炎症のようすを中心に病態をとらえようとするもので、おもに日本で使われています。
この特発性肺線維症(特発性間質性肺炎)の発症や症状の進行は、個人差があるものの、一般的には、非常にゆっくりとしたものです。
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世界大百科事典 第2版
かんしつせいはいえん【間質性肺炎】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
間質性肺炎
かんしつせいはいえん
→肺炎
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