●関羽【かんう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
関羽
かんう
Guan Yu; Kuan Yü
[没]建安24(219)
中国,三国時代の蜀漢の武将。河東 (山西省) の人。字は雲長。劉備に従い,張飛とともにその経営を助けた。かつて曹操に捕えられたが,厚遇された。彼は袁紹の部将顔良を斬って曹操の恩に報いたのち,劉備のもとに帰った。以後常に劉備を助け,その政権の確立のために努力した。劉備が益州を経略したときには荊州 (湖北省) を守っていたが,曹操と孫権の両者からはさみ撃ちされ,呉軍に捕えられ殺された。『三国志演義』のなかで劉備の忠臣として活躍するが,事実が潤色されている。特に宋時代 (五代のあとの) になると,関羽をまつる関帝廟は武神をまつる武廟の主神となり,関羽の信仰はのち,ますます広まった。
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デジタル大辞泉
かん‐う〔クワン‐〕【関羽】


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世界大百科事典 第2版
かんう【関羽 Guān Yǔ】
中国,三国蜀(しよく)の建設者である劉備(りゆうび)に協力した勇将。字は雲長。郷里から逃げて,涿県(たくけん)(北京市南西)にいた劉備の部下となり,同僚の張飛とともにこれを護衛して,後漢末の群雄割拠する中を各地に転戦した。劉備は彼らを兄弟のように遇し,関羽らは恩義に感じて身命をなげうつ。200年(建安5),劉備が曹操に敗れたとき,関羽は捕らわれたが,曹操の礼遇を受けると,今度は曹操の大敵袁紹(えんしよう)の部将を討ちとって恩義を返し,そのまま再び劉備のもとに帰って献身する。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
関羽
かんう
(?―219)
中国、三国蜀(しょく)の武将。河東解(山西省臨晋(りんしん)県)の人。字(あざな)は雲長。諡(おくりな)は忠義侯。解には塩池があるから、塩業関係の仕事に従事していたのかもしれない。亡命して涿(たく)郡(河北省)にきて、劉備(りゅうび)や張飛(ちょうひ)と知り合った。桃園で3人が義兄弟の約束を結んだことが小説『三国志演義』にみえるが、それに近いことはあったろう。劉備が起兵すると羽も参加し、寝食をともにした。200年、曹操(そうそう)と劉備が戦い、備は敗れ、羽は操に捕らえられた。操は羽を礼遇して帰順を勧めたが、羽は操と袁紹(えんしょう)との戦いに、紹の将である顔良の首を斬(き)って、これを置き土産(みやげ)に備の所に帰った。やがて備とともに荊州(けいしゅう)に赴き、曹操が南下してくると、ここを逃れたが、ついで起こった赤壁(せきへき)の戦い(208)では、水戦で敗れた操の軍を陸上に待ち受けて撃ち破った。劉備が諸葛亮(しょかつりょう)や張飛らと蜀に入ったのちも、彼は荊州の留守(りゅうしゅ)を命ぜられ、江陵を基地とした。219年、劉備が漢中王になったのを機に、北上して曹操の部将である曹仁を攻めて樊城(はんじょう)(河南省襄樊(じょうはん)市)を囲んだ。しかし、荊州領有をもくろむ孫権(そんけん)が、操と同盟して背後を襲ったので、樊城陥落を目前に南に引き揚げたが、ついに臨沮(りんしょ)(湖北省南漳(なんしょう)県)において、子の関平とともに戦死した。
関羽は美しい髯(ひげ)の持ち主で、諸葛亮も彼を髯の愛称でよんだ。また彼は武勇に優れていたばかりでなく、好んで『春秋左氏伝』を読んだ。しかし人を見下すことがあり、人の恨みを買うこともあった。死後、軍神、財神として祀(まつ)られている。
[狩野直禎]
『宮川尚志著『諸葛亮』(1940・冨山房)』▽『狩野直禎著『諸葛孔明』(1966・新人物往来社)』
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精選版 日本国語大辞典
かん‐う クヮン‥【関羽】
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典
関羽
かんう
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関羽
(通称)
かんう
- 元の外題
- 閏月仁景清 など
- 初演
- 元文2.11(江戸・河原崎座)
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