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限界生産力説【げんかいせいさんりょくせつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

限界生産力説
げんかいせいさんりょくせつ
marginal productivity theory
生産物の供給と生産要素に対する需要の決定に限界分析の手法を用いたもの。生産要素の価格決定と分配の理論を統一的に説明するフィリップ・ヘンリー・ウィックスティード,ジョン・B.クラーク,レオン・ワルラスらにより展開された。その内容は,ウィックスティードによると,完全競争のもとでは生産要素はその限界生産力に応じた報酬を受け取り,もし生産関数が規模に関して収穫不変のもとにあるならば,生産物総量は過不足なく各生産要素に分配されつくすというもの (完全分配の定理) である。ウィックスティードはこの後者の命題をオイラーの定理と呼ばれる数学の定理を用いて証明した。しかしこの生産関数の 1次同次性は,十分条件であって必要条件ではない。ワルラスとクヌート・ウィクセルによれば,平均費用曲線が U字型で最低点をもち,かつ企業の自由参入により,価格が平均費用の最低点に等しくなるならば,生産物総量は各生産要素へ分配しつくされる。 (→限界革命)

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

げんかいせいさんりょくせつ【限界生産力説】
労働,土地,資本などの生産要素を使用して生産物を生産するとき,他の生産要素の量を一定にして,ある生産要素をもう1単位だけ増加することにより可能になる生産物の量の増加を,その生産要素の〈限界生産力〉とよぶ。そして,生産物は賃金,地代利潤などのかたちで生産要素に分配されるが,それはそれぞれの生産要素の限界生産力によって決定されるという分配理論が,限界生産力説である。賃金,地代,利潤率などはそれぞれの生産要素の用役の価格であり,その需要供給の関係により決定されるが,生産要素に対する需要はその限界生産力によって決まる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

限界生産力説
げんかいせいさんりょくせつ
theory of marginal productivity
生産要素に対する報酬すなわちその価格が、その限界生産力によって決定されるという分配理論。古くはチューネンらにも原形がみられるが、これを分配理論として体系化したのはウィックスティード、J・B・クラークらである。
 限界生産力説の問題は、各生産要素がその限界生産力に応じて報酬を受けたとき、すべての生産物が生産要素に分配し尽くされるかどうかという点にある。いまにおいて、生産要素を資本と労働の二つだけとし、資本を一定として労働だけを増加していったとき、BCという労働の限界生産力曲線が得られ、また労働を一定として資本だけを増加していったとき、GHという資本の限界生産力曲線が得られる。労働をAD、資本をFIだけ雇用したとき、その限界生産力すなわちその価格は、それぞれCD、HIである。すると、の(1)のAECDという賃金総額がの(2)のJGHと、の(2)のFJHIという利子総額がの(1)のEBCと、それぞれ等しくないと生産物は分配し尽くされない。このような状態が成り立つのは、完全競争下で、かつ生産関数が特定な形(一次の同次関数)である場合に限られる。このような分配がある程度現実にみられると実証したものに、コブ‐ダグラス生産関数がある。
 この説は数学的に取扱いがやさしいので、近代経済学ではきわめて一般的に使用されているが、前述以外に問題も多い。(1)分配関係は、労働組合の存在や、雇用主側が経済的強者である場合など、完全競争でないことが多い、(2)生産関数もはたして一次同次であるのか、オイル・ショック時にみられたように原材料費が生産関数を変型してしまうことはないのか、(3)賃金に関しての(1)は、労働力の需要側を示すもので、供給はどうなっているのか、等々である。要するにこの理論は、分析のための第一次的接近法にすぎない。[一杉哲也]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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