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陰極線【いんきょくせん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

陰極線
いんきょくせん
cathode ray
真空放電において陰極から放出される高速の電子の流れ。 10-4Torr 以下の真空放電で,陽イオンが陰極に当って二次電子が放出され,電極間で加速されてガラス壁に陰極線ルミネセンスを生じる現象を 1859年 J.プリュッカーが注目し,76年 E.ゴルトシュタインが陰極線と命名した。 97年 J. J.トムソンは,陰極線に電場および磁場をかけて,その曲り方を測定し,陰極線が電荷を帯びた微粒子の流れであることを確認した。これによって,電子の存在が初めて知られた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

いんきょく‐せん【陰極線】
放電管内で放電をした場合、陰極から出て、陽極に向かう高速度電子の流れ。金属に当てると、吸収・散乱回折X線発生などの現象を起こす。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

いんきょくせん【陰極線 cathode rays】
テレビのブラウン管のように真空中で熱陰極と陽極の間に高電圧をかけると,熱陰極から飛び出した電子が陽極に引かれ,偏向板の間を通って蛍光膜に衝突して明るく光る。このような真空放電の際に陰極から発する電子の流れを陰極線と呼ぶ。陰極線の存在は1860年ごろから知られており,陰極から発することからこの名で呼ばれていたが,その正体が明らかになったのは,97年J.J.トムソンが負の電荷を帯びた微粒子の流れであることを確認してからで,これによって電子の存在が初めて知られた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いんきょくせん【陰極線】
真空放電により陰極から放出され陽極に向かう電子の集団的な流れ。あるいはさらにそれを高い電圧で加速したもの。 → 電子ビーム

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

陰極線
いんきょくせん
電子線ともいい、真空中の電子の流れをさす。もともと真空に近い薄い気体中での放電(真空放電)による陰極からの電子の流れをさしていたが、その後、放電によらなくても、真空中で高温に加熱された陰極から放出される(熱電子放出)電子も陰極線とよばれるようになった。陰極線は気体を電離する能力や種々の物質への蛍光作用、写真乾板の感光などの働きをもち、高電圧で加速するとX線を発生させる。
 以上の性質から、陰極線はエレクトロニクスの分野で広く利用されている。たとえば電子の流れの方向を磁界や電界により自由に変えられるようにし、電子の当たる面に蛍光体を塗布した真空管はブラウン管とよばれる。ブラウン管は陰極線管の代表として、科学研究や生活に欠かせないものになったが、テレビ用は液晶画面などにかわりつつある。一方、X線管はX線によって、医療をはじめ非破壊検査など、種々の物質の透視に用いられる。さらに電子顕微鏡は電子線の電子光学的結像によって、超微小な世界を見ることを可能にしたものである。[東 忠利]

発見の歴史

1858年プリュッカーが100万分の1気圧程度の低圧気体中の放電において、陰極に向き合う陽極付近のガラス管壁が蛍光を生じることを発見した。これは謎(なぞ)の放射線とされていたが、その後、ヒットルフやクルックスらによって、それが負電荷をもった粒子の流れであることが確認された。この粒子線に陰極線という名を与えたのは、1876年ゴルトシュタインで、その正体が原子の主要な構成要素である粒子、つまり電子であることがJ・J・トムソンによって推測された。陰極線の発見と解明は原子物理学の発展に大きな貢献をしている。[東 忠利]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いんきょく‐せん【陰極線】
〘名〙 真空放電のときに陰極から放出される高速度の電子の流れ。一八五九年、ドイツのプリュッカーが発見。九七年、イギリスのトムソンがこれを確認して電子の存在を証明した。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

陰極線
インキョクセン
cathode rays

真空放電において放電管内の気圧を1 Pa 程度に下げた場合,管壁一面に鮮やかな蛍光が見られるのを経験する.この蛍光の機構については1860年ころから多くの学者によって調べられた.その結果,まずそれは陰極から発生した負の電荷をもつ粒子の流れが壁に当たって発生するものであることがわかり,この粒子線を陰極線とよぶようになった.その後,粒子の比電荷(粒子のもつ電荷と質量の比)が測定され,それが電子であることが認められた.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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