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階級闘争【かいきゅうとうそう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

階級闘争
かいきゅうとうそう
class struggle
社会が2つ以上の階級に分れ,階級に抗争が行われること。サン=シモンはリベラルな知識人層,保守的な所有者,無産者の3つの階級の対立からフランス革命が起ったと説明した。現在はおもにマルクス主義史観を説明する言葉として用いられる。マルクスは『共産党宣言』 (1848) のなかで「これまでのすべての社会の歴史は階級闘争の歴史である」と述べている。歴史的にみると,階級社会では,搾取されていた階級は古い生産関係を破壊し,発達した生産諸力に見合った新しい生産関係を創造することにより,搾取階級から自己を防衛し,物心両面の生活向上をはかる。この両者の闘争は階級闘争という形で現れてくる。資本主義社会ではプロレタリアートブルジョアジー間の闘争となるが,プロレタリアートは同じく抑圧されている農民を同盟軍として戦うという。マルクスは,階級闘争を研究することにより,階級の存在は生産の一定の歴史的発展段階だけに連結しているということと,必然的に階級闘争はプロレタリアートの独裁を出現させるということを述べている。独裁そのものは,すべての階級を廃絶し,無階級社会へ達するための単なる過渡期にすぎないということを説いている。

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デジタル大辞泉

かいきゅう‐とうそう〔カイキフトウサウ〕【階級闘争】
対立する階級の間で、経済的、政治的、文化的な支配権を獲得するために展開される闘争。マルクス主義では歴史発展の基本的動因とされた。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

かいきゅうとうそう【階級闘争 Klassenkampf[ドイツ]】
階級社会に必然的な階級間の闘争,具体的には支配階級と被支配階級との闘争をいう。歴史における階級闘争を重視したのはマルクスエンゲルスである。彼らは,原始共産制や未来の共産主義社会を除いて〈今日までのすべての社会の歴史は階級闘争の歴史である〉(《共産党宣言》1848)ととらえた。この意味での階級闘争はまた,社会発展の法則が実現されていく具体的な形態でもある。階級闘争は,そもそも階級が生産手段の所有・非所有に発する経済的利害の対立に根ざしていることから,基礎的には経済闘争の形態をとる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

階級闘争
かいきゅうとうそう
class struggle 英語
Klassenkampf ドイツ語

社会がいくつかの階級に分裂して互いに和解しがたく敵対している場合に、いずれか一方の階級が他方の階級を打倒して、その政治上、経済上、文化上の特権、権利、機会を奪取し、支配権を手に入れようとして行われる闘争をいう。階級間の対立、抗争については古くから注目され、種々の学説が生み出された。プラトンは富者と貧者の間の闘争を哲人支配によって克服しようとし、下って19世紀初頭のフランスでは、サン・シモンは、フランス革命を進歩的知識層、保守的所有者、無産者という三つの階級間の抗争としてとらえ、産業者を中心とした社会改造を説いたが、階級闘争を理論づけるまでには至らなかった。

 唯物史観の立場から階級間の対立・闘争の必然性とプロレタリアートの歴史的使命を説いて、階級闘争の理論を提出したのは、マルクス、エンゲルスである。それによると、原始共産制の段階を除き、今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史であって、資本主義社会における階級間の対立・抗争は資本家による労働者の搾取(剰余価値の収取)に由来する。つまり、富の分配の著しい不平等(貧富の差)は、生産が社会化されているのに領有が私的な性格をもつという矛盾によるが、資本家はこのような搾取の体制を維持する必要上、こうした矛盾をそのままにして労働者に貧困その他さまざまの耐えがたい犠牲を強いるため、労働者はこの桎梏(しっこく)から自らを解放しようとして、現行の生産関係を土台とする社会体制を打破し、変革していく運動を推し進めるようになる、という。このような体制変革への条件は、資本主義体制自体のなかにあるが(生産の社会化と所有の私的性格などの矛盾)、同時に体制変革を担うべき労働者階級が孤立・分散、競争の状態を脱却して、大工業地帯に集中し、階級的利害に目覚めて組織をつくり、そのもとに団結して、真の階級意識や階級組織を備えた対自的階級Klasse für sichにまで主体的に成熟していなければならない、とされている。

 階級闘争には労働組合による経済闘争、政党の指導下で体制変革を目ざす政治闘争、敵対階級の誤りを暴露し、自己の立場の正しさを主張するイデオロギー闘争がある。資本主義社会ではそれに内在する法則の作用によって、将来ますます労資二大階級への両極分解が強まり、労働者の状態は悪化し、窮乏化の一途をたどるから、階級闘争はますます激化し、革命は不可避である、と主張される。

 しかし、19世紀末以降、とくに現代の先進諸国では、マルクスらの予想に反して、両極分解と窮乏化のかわりに、新中間層の増大と生活の向上・平準化をもたらし、福祉政策の拡充とともに、ベルンシュタインらの修正主義や社会民主主義の路線、階級対立の制度化などの事態を招き、そのため先進諸国における階級闘争は変質して革命性を失い、体制内部に組み込まれていく傾向がある。

[濱嶋 朗]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かいきゅう‐とうそう カイキフトウサウ【階級闘争】
〘名〙 経済的、政治的な優劣や支配、被支配をめぐり、異なった階級の間に行なわれる争い。中世の貴族階級と農奴、近代のブルジョア階級とプロレタリア階級の間の抗争。階級戦。〔模範新語通語大辞典(1919)〕

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