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集中豪雨【しゅうちゅうごうう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

集中豪雨
しゅうちゅうごうう
severe rainstorm; heavy rain
梅雨末期や台風期などに多い局地的かつ短時間に集中する豪雨南方からの暖かく湿った空気の流入前線活動の活発化,雷雲の急激な発達,台風の影響などによって 1時間数十 mmに及ぶ強い雨が短時間に比較的狭い地域に集中して降るもので,を伴うこともある。集中豪雨の物理的,力学的機構はいまだによくわかっておらず,その予報も難しい。しかし,下層に暖かく湿った空気があり,上空に寒冷な空気が流入して,積雲対流が活発化したときに発生することが多い。集中豪雨に伴って崖崩れ洪水などの災害が発生し社会的にも問題となる。なお集中豪雨という語は報道機関で初めに用いられた。1957年の長崎県諫早市の豪雨などから注目され始めた。しかし,気候変化の一環として近年集中豪雨が頻発するようになったのか,観測の近代化や都市化によっていままで見過ごされていたものが観測されるようになったのかは,わかっていない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

集中豪雨
集中豪雨は狭い地域に大量に降る雨。降り方は局地的、突発的で、特に夜から朝にかけて降りやすい傾向がある。語源は京都府・南山城の豪雨を報じる新聞記事。「南下した寒冷前線は激しい雷を伴って木津川上流に集中豪雨を降らせ…」(「朝日新聞大阪本社版」1953年8月15日付夕刊)。82年7月23日の長崎豪雨は1時間雨量187mm(日本観測史上最大)を記録、死者299人。都市のコンクリート化、地下空間の増加などによって、出水が激化する都市型水害も増えている。山崩れ、がけ崩れ、土石流などの土砂災害は、土壌中に蓄えられる雨量(土壌雨量指数)が多いと発生しやすい。土石流とは、水を含んだ土砂が巨岩を先頭に段波状に流下する現象。土砂災害、洪水などの危険地域を図示したハザードマップ(災害予測地図)や土砂災害警戒情報は避難に役立つ。土砂災害警戒情報は、これまでの降水量と今後の雨量、地盤強度のデータなどから危険度を予測するもので、各都道府県と気象庁が共同で発表する。体制が整った都道府県から順次始められている。天然ダムは河道閉塞(かどうへいそく)とも呼ばれ、地震や噴火、豪雨などによる土砂崩壊で河川がふさがってでき、決壊すると一気に洪水になる。集中豪雪は局地的に大量に降る雪で、特に平野部で降る里雪は被害が大きく、集落の孤立、大規模停電、交通の混乱などをもたらす。
(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

しゅうちゅう‐ごうう〔シフチユウガウウ〕【集中豪雨】
局地的に、比較的短時間に多量に降る強い雨。昭和28年(1953)ごろから新聞などで使われはじめ、しだいに気象用語として定着した。→ゲリラ豪雨

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しゅうちゅうごうう【集中豪雨】
狭い地域に短時間に集中して降る大雨。このことばは,1958年7月1日の島根県浜田市付近の大雨を報じた新聞記事に出たのが最初のようで,以後広く用いられるようになった。レーダーなどのなかったころには死者が何百人も出るような大雨災害にもかかわらず,その空間的スケールの小さなことから気象台でも被害が出るまで気がつかなかったようながあった。台風による地形性の大雨などとは異なって,平野部で10~50km2ぐらいの地域に限って被害が出ることが多い。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

集中豪雨
しゅうちゅうごうう

短時間に局地的に降る大雨。昭和30年代から報道機関によって用いられた用語であるが、現在では広く一般に使われるようになった。1時間程度の雨量では、1947年アメリカのミズーリ州で観測された305ミリメートル(42分間)を世界で最高の記録とするが、日本では1982年(昭和57)7月23日の豪雨の際の長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡長与町における187.0ミリメートルが最高である。集中豪雨は、前線、台風、雷に伴うことが多い。これは南方洋上から日本付近に北上する高温多湿な空気が、日本上空の前線や寒気によって不安定な大気状態を形成し、巨大な積乱雲となり豪雨を降らせるためである。したがって季節的には初夏から秋までの暖候期に集中豪雨はおこる。

 およそ1時間に50ミリメートル以上になると被害を伴うが、都市近郊では傾斜地などに宅地の造成が行われるようになったため、1時間に20ミリメートル程度の降雨で土砂崩れがおこり始め、40ミリメートルを超えるとその被害が急増する。日本で有名な集中豪雨としては長崎豪雨(1982)のほか、諫早(いさはや)豪雨(1957)、岐阜県を中心とした大雨による山崩れでバス2台が飛騨(ひだ)川に転落した飛騨川豪雨(1968)、西日本から関東南部にかけて大規模な山崖(さんがい)崩れで多数の死者が出た昭和47年7月豪雨(1972。略して「四七・七豪雨(よんななななごうう)」とよばれることがある)などがある。

 気象庁では、集中豪雨など局地的に現れる気象現象の予測のために、上空の風向・風速を10分ごとに観測できるウィンドプロファイラなどの観測機器を整備している。2003年(平成15)からは、格子間隔が狭くて実際の大気のようすを的確に表現している「非静力学モデル」を用いてコンピュータで将来の大気のようすを計算し、詳細な予測を行っているため、積乱雲に伴う上昇気流を直接計算することができる。それまで、大気が急速に上下運動をしないと仮定した「静力学モデル」を用いていたのは、非静力学モデルが膨大な計算を必要とする方法であることや、きめの細かな観測値が得られなかったためで、たとえば、関東地方というように地方的な規模での集中豪雨の予測は可能というレベルにとどまっていた。

[安藤隆夫・饒村 曜]

『二宮洸三著『雨とメソ・システム 集中豪雨のメカニズムを探る』(1981・東京堂出版)』『高橋博・木下武雄・植原茂次・藤田寿雄・小松章一・山口高志編『豪雨・洪水防災』(1987・白亜書房)』『小倉義光著『お天気の科学――気象災害から身を守るために』(1994・森北出版)』『饒村曜著『気象災害の予測と対策』(2002・オーム社)』

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精選版 日本国語大辞典

しゅうちゅう‐ごうう シフチュウガウウ【集中豪雨】
〘名〙 比較的狭い地域に短時間に降る強い雨。
※朝日新聞‐昭和二八年(1953)八月一五日夕刊「集中豪雨 木津川上流に」

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